キャスト/登場人物一覧

高長恭/蘭陵王(こうちょうきょう/らんりょうおう) 役
ウィリアム・フォン(馮紹峰)
北斉の第四王子にして、文襄帝・高澄の息子。 その類まれなる美貌から、兵士たちの士気が亂れることを恐れ、戦場では常に獰猛な仮面を被って素顔を隠している不敗の戦神。
多くの人々からは、どんな女性にも心を開かない孤高の存在と見なされていた。しかし、運命のいたずらか、白山(はくさん)村で育った天女の末裔・楊雪舞(せつぶ) と出會い、その聡明さと優しさに深く惹かれていく。
皇族でありながら、その武勇と人望がゆえに皇太子・高緯(こうい)の嫉妬を買い、常に命の危険に曬される。 愛する雪舞を守り抜き、自らに予見された悲劇的な運命に抗うことが、彼の生涯における最大の試練となる。
物語では、最終的に主君である高緯から毒酒を賜り命を落とす運命にあるが、その後も仮面の義士として人知れず民を助け、生き続ける道を選ぶ。

楊雪舞(よう せつぶ) 役
アリエル・リン(林依晨)
巫女の一族「巫咸族」の末裔。 災いを避けるため、祖母により外界から隔絶された桃源郷のような白山(はくさん)村で育てられる。 祖母は雪舞(せつぶ)が平凡な人生を送ることを願い、一族に伝わる未來予知の能力をあえて教えなかった。
しかし、聡明で心優しい彼女は、ある日偶然村の外へ足を踏み出したことで、北斉と北周の戦亂に巻き込まれてしまう。 そこで北斉の「戦神」と稱えられる蘭陵王(らんりょうおう)と運命的な出會いを果たす。 やがて、北斉の蘭陵王と北周の皇帝・宇文ヨウ(うぶんよう)の両者から想いを寄せられる「天女」として、時代の中心的な存在となっていく。 純粋な善意を持つ雪舞は、愛する蘭陵王、そして友である宇文ヨウが互いに命を奪い合う悲劇的な運命を迴避するため、自らの知恵と勇気を盡くして奔走する。

宇文ヨウ/武帝(うぶんよう/ぶてい) 役
ダニエル・チャン(陳曉東)
北周の皇帝。冷靜沈著かつ聡明で、策略に長けた知勇兼備の覇者。 しかし、敵國である北斉の將軍・蘭陵王(らんりょうおう)の不敗神話だけは、彼が唯一打ち破ることのできない強固な城壁であった。
蘭陵王とは敵対関係にありながらも、互いの実力を認め合う英雄として敬意と共感を抱いている。だが、二人はそれぞれが背負う國の宿命により、戦場で対峙する運命にあった。
北周を繁栄させるという大義のため、當初は「天女」と見なされる雪舞(せつぶ)を蘭陵王から奪い、自らの覇業に利用しようと畫策する。ところが、雪舞と接するうちに、彼女の純粋さや優しさに次第に心をかき亂され、冷靜な判斷力を失っていく。その時、彼は初めて自分が求めていたものが「天女」という存在ではなく、雪舞という一人の女性そのものであったことに気づくのであった。

鄭児(ていじ) 役
マオ・リンリン(毛林林)
胡皇后(ここうごう)に仕える侍女。後に北斉の後主・高緯(こうい)の皇后となる女性です。
侍女だった頃、蘭陵王(らんりょうおう)が偶然にも彼女の落とした髪飾りを拾ってくれたことをきっかけに、彼に深い戀心を抱くようになります。一方で、皇太子であった高緯も、そばに仕える彼女に一途な想いを寄せていました。
物語の序盤、鄭児(ていじ)は蘭陵王の妃選びの際に策略に巻き込まれ、無実の罪で宮殿を追われてしまいます。 人買いに売られるなど過酷な運命を辿り、蘭陵王と、彼が愛する楊雪舞(せつぶ) への憎しみを募らせていきます。 死を選ぼうとしたところを皇太子・高緯に救われた鄭児は、宮殿に戻ると傾國の美女として知られる「馮小憐(ふうしょうれん)」の名を騙り、その立場を利用して高緯と蘭陵王の周りで數々の策略を巡らせます。
彼女の目的はただ一つ、自分を絶望の淵に追いやった蘭陵王と楊雪舞を陥れることでした。その執念と、愛を得られなかった悲しみから、彼女は物語における重要な悪女へと変貌を遂げていきます。 當初は蘭陵王を想う純粋な一面も描かれましたが、次第にその愛は歪み、彼女の行動が北斉の運命をも大きく左右していくことになります。
この鄭児というキャラクターは、史実における高緯の妃「鄭氏」と、國を傾かせたと言われる「馮小憐」という二人の女性をモデルに創作された、ドラマのオリジナルキャラクターです。

高緯(こうい) 役
ジャイ・ティエンリン(翟天臨)
北斉の第五代皇帝。 蘭陵王(らんりょうおう)・高長恭(こうちょうきょう)や、高延宗(こうえんそう)、高百年(こうひゃくねん)とは従兄弟にあたる。人間性における美點と醜悪さが共に極端に増幅された人物。生涯で唯一愛した女性、鄭児(ていじ)のためなら、その愛に目がくらみ、理性を失うことも厭わない。
鄭児(ていじ)が自分に毒を盛り、裡で操り人形にしていると知りながらも、その事実から目をそらし、彼女のために死ぬことさえ受け入れる。毒を飲み続け、ついにはその毒によって命を落とすという悲劇的な最期を迎える。

韓暁冬(かんきょうとう) 役
ウェイ・チェンシャン(魏千翔)
雪舞(せつぶ)の親友。もとは斉と周の國境付近に暮らす貧民であったが、祖母を養い、生き抜くために、行き場を失った雪舞を偶然かくまうことになる。雪舞に密かに想いを寄せており、常に彼女に忠実で、誠実な心で接する。やがて雪舞と蘭陵王(らんりょうおう)の真実の愛に心を動かされ、自分のか弱き力で、月のように気高い妃を守り抜こうと決意する。最後は雪舞をかばい、その命を落とす。