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『惜花芷~星が照らす道~』を見てて、「え、なんで!?」って思ったシーン、結構あるよね。特に、唯一の皇位継承者だった蕙王(けいおう)が、父である皇帝を毒殺しようとした場面。
「いやいや、普通に待ってればあなたが皇帝になれたじゃん!」って、テレビの前でツッコんだ人も多いんじゃないかな。
実は、あの行動の裏には、蕙王のどうしようもない孤独と、ある人物の恐ろしい計画が隠されていたんだよね。今回は、蕙王が父を裏切ってしまった、切なくて悲しい理由を深掘りしていくよ。
皇帝、実は結構な策士?でもそれが裏目に…
まず知っておきたいのが、この皇帝、なかなかの人物だってこと。当時、国はひどい干ばつに見舞われてて、民衆の不満が爆発寸前だったんだ。
そこで皇帝が利用したのが、皓月(こうげつ)っていうちょっと怪しい祈祷師。皇帝は彼女がウソつきだって分かっていながら、わざと「天枢使」なんていうすごい役職を与えて、雨乞いの儀式をさせたんだよね。
- 雨が降れば… 「朕がすごい人を見抜いたおかげ!」って自分の手柄にする。
- 雨が降らなければ… 「あいつは偽物だ!」って言って、民衆の怒りの矛先を彼女に向ける。
これって、かなり計算高いやり方じゃない?でも、この策略がとんでもない事態を引き起こすんだ。花芷(かし)が「そんなことしたら、もっと多くの人が騙されちゃいますよ」って忠告したのに、皇帝は全然聞かなかった。
結果的に、この「雨乞いショー」のおかげで皓月の評判はどんどん上がっていく。そして、この高まった評判が、息子の蕙王を追い詰めることになるなんて、この時の皇帝は夢にも思ってなかっただろうね。
蕙王が父を裏切った、切なすぎる4つの理由
じゃあ、本題に入ろうか。なんで蕙王は、次期皇帝の座が約束されてたのに、わざわざ父を毒殺するなんていうリスクを冒したんだろう?理由は、大きく分けて4つあるんだ。
理由1:皇帝からの「空気」扱いがツラい…
一番の理由は、やっぱり父親である皇帝からの冷たい態度。蕙王は唯一の皇子なのに、皇帝は全然彼を認めようとしなかった。
例えば、皇帝の誕生日を祝う宴会でのこと。蕙王が気を利かせて「寒くないですか?」って上着を渡そうとしても、皇帝はチラッと見るだけで「寒くない」と一言。もうね、心が通ってないのが丸わかり。
しかも、宴会の席では顧晏惜(こあんせき)ばかりを可愛がって、蕙王を自分のそばから遠ざけたりもした。自分以外の皇子はもういないのに、一向に太子にも立ててもらえない。「もしかして、俺じゃない誰かを皇帝にするつもりなんじゃ…」って不安になるのも無理ないよね。
理由2:怪しい祈祷師・皓月の甘い言葉
そんな心の隙間にスッと入り込んできたのが、あの皓月だったんだ。蕙王は、父親が皓月を警戒しているなんて全く知らない。彼から見れば、皓月は「皇帝も認めるすごい力を持った人」でしかない。
その皓月から、こんなことを囁かれるんだ。
「あなたには、天に選ばれた者の運命が宿っています。私が、あなたがその高貴な座に就くお手伝いをしましょう」
父親からは冷たくされ、自分の将来に不安を抱えていた蕙王にとって、この言葉はものすごく魅力的に聞こえたはず。自分の存在を全肯定してくれる皓月を信じてしまったんだよね。
理由3:「完璧な計画」のはずが…まさかの落とし穴
皓月は蕙王に、毒薬と解毒薬を渡して「完璧な計画」を持ちかける。
- 皇帝に毒入りの酒を飲ませる。
- 自分は解毒薬を口に含んでおくから、毒は効かない。
- 皇帝が死んだら、その罪をライバルの顧晏惜になすりつける。
まさに一石二鳥の計画。でも、ここに大きな落とし穴があった。その夜、皇帝はなんと、その毒入りの酒「しか」口にしなかったんだ。
同じ酒を飲んだのに、皇帝は死んで、蕙王はピンピンしてる。これじゃあ、誰が犯人かなんて一目瞭然だよね。詰めが甘かったとしか言いようがない…。
理由4:今しかない!っていう絶好のタイミング
蕙王が「今しかない!」って決行に踏み切ったのにも理由がある。
- ライバルの顧晏惜は謹慎中で動けない。
- いざという時に口出ししてきそうな皇太后も、お寺に行ってて宮殿にいない。
まさに、邪魔者が誰もいない絶好のタイミングだった。自分が唯一の後継者だから、皇帝がいなくなれば、全て自分の思い通りになる。そう考えたんだろうね。
全ては皓月の掌の上?彼女の本当の目的がエグい
でも、一番恐ろしいのはここから。実は、蕙王は皓月に完全に利用されていただけだったんだ。
皓月の本当の目的は、皇帝と蕙王を同時に殺し、その罪をすべて顧晏惜に着せること。大慶国の後継者を根絶やしにして国を内側から混乱させ、彼女の祖国である昭国が攻め込みやすくするためだったんだ。
蕙王は、自分が父を殺すための駒として使われ、最後は自分も殺される運命だったなんて、知る由もなかった。そう考えると、なんだか彼がすごく哀れに見えてくるよね。
結局、人を疑って利用することばかり考えていた皇帝は、その利用した相手によって、自分も息子も破滅させられてしまった。なんとも皮肉な結末だよね。