キャスト/登場人物一覧

オクニョ 役
チン・セヨン
典獄署(チョノクソ)で生まれ育った天才少女。監獄で出會った當代一流の學者や様々な囚人たちから、処世術や學問、武芸など、あらゆる才能と知識を授けられる。特に、朝鮮の法律である『経國大典』をそらんじるほど深く理解しており、彼女が下す的確な判斷は、囚人のみならず役人たちをも感服させるほどであった。
當初は、自身の出生の秘密を突き止めるため、捕盜庁(ポドチョン)の茶母(タモ、役所で働く女性の使用人)になることを夢見ていた。 しかし、謎の男パク・テスや、商人のユン・テウォン、そして若き役人ソン・ジホンとの出會いを経て、オクニョの夢と運命は大きく動き出すことになる。

ユン・テウォン 役
コ・ス
麻浦(マポ)の渡し場を拠點に、商圏とごろつき集団を束ねる若き頭目。 當時の最高権力者であるユン・ウォニョンと、漢陽(ハニャン)一の妓樓(ぎろう)・素素樓(ソソル)の妓生(キーセン)であった母・紅梅(ホンメ)の間に生まれた庶子(しょし)である。
しかし、父・ユン・ウォニョンがチョン・ナンジョンを妾として迎え入れたことで、母子は無殘にも捨てられてしまう。実の父親から見捨てられたという心の傷は、彼を世の中に対して反抗的で、どこか冷めた皮肉屋な性格へと変貌させた。
當初は麻浦のごろつき達とつるみ、無為な日々を過ごしていたが、自身に並外れた商才があることに気づく。それを機に商売の世界に身を投じ、瞬く間に麻浦の商圏を掌握するに至った。力なき民や商人たちを法的に守るため、自身の商団に弁護士のような役割を擔う「外知部(ウェジブ)」を設立し、運営している。

文定(ムンジョン)王后 役
キム・ミスク
中宗の三番目の王妃であり、明宗(ミョンジョン)の生母。 野心と貪欲に満ち、権謀術數に長けた女性として知られています。 自身の息子である慶源大君(後の明宗(ミョンジョン))を王位に就けるという野望を抱き、継子である仁宗の暗殺を企てたとされています。 仁宗が謎の死を遂げた後、ついに息子を明宗(ミョンジョン)として即位させました。
明宗(ミョンジョン)が12歳で即位すると、文定(ムンジョン)王后は8年間にわたり垂簾聴政を行い、國政を掌握しました。 この期間、弟のユン・ウォニョンを使い、反対派を粛清するための「乙巳士禍」を引き起こすなど、権力をほしいままにしました。 摂政を終えた後も國政に幹渉し続け、息子の明宗(ミョンジョン)を苦しめたと言われています。

ユン・ウォニョン 役
チョン・ジュノ
文定(ムンジョン)王后の弟で、権力を掌握するためには手段を選ばない冷酷な人物。姉の息子である明宗(ミョンジョン)が王位に就くと、対立勢力を一掃するために「乙巳士禍(ウルササファ)」として知られる粛清事件を引き起こした。
彼は愛妾のチョン・ナンジョンと共に、姉の権勢を盾に奢侈を極めた生活を送る。 全てを手に入れ、怖いものなしに見える彼だが、その心には庶子であるユン・テウォンの存在が、消すことのできない傷として殘っている。史実では、姉の文定(ムンジョン)王后が亡くなると即座に失腳し、弾劾を受けて隠居地で自害したとされている。

チョン・ナンジョン 役
パク・チュミ
元々は両班の家柄でしたが、奴婢(ぬひ)の身分に落とされた妓生(キーセン)です。生まれ持った美貌と知恵を武器に、王族のユン・ウォニョンを魅了し、彼の側室となります。
ユン・ウォニョンの紹介で文定(ムンジョン)王后と知り合い、その側近として絶大な権力を手に入れます。その後、ユン・ウォニョンの正室を追い出し、側室から正室の座に上り詰め、貞夫人、そして貞敬夫人に封じられました。 野心家で、一度決めたことは何としてもやり遂げる執念深さを持っています。その生涯は、燕山君(ヨンサングン)時代のチャン・ノクス、粛宗(スクチョン)時代のチャン・ヒビンと並び、「朝鮮三大妖女」の一人と稱されることもあります。

パク・テス 役
チョン・グァンリョル
士林(サリム)派の元弟子であり、若き日には「體探人(チェタミン)」と呼ばれる伝説的な密偵として名を馳せた。女真族や日本へも渡り、卓越した武術で敵の動向を探る極秘任務を遂行していた人物である。しかし、ある事件をきっかけに典獄署(チョノクソ)の地下牢に20年以上も幽閉され、呼吸困難に苦しむ日々を送っていた。生死の境をさまよう中、典獄署で生まれ育った少女オクニョと出會い、彼女の治療によって一命を取り留める。 これを機に、オクニョの師となり、自身の持つ武術や學問、そして密偵としての経験のすべてを授けていく。 二人の間には、次第に師弟を超えた深い絆が芽生えていく。

ユン・シネ 役
キム・スヨン
ユン・ウォニョンとチョン・ナンジョンの一人娘。母親であるチョン・ナンジョンの性格を色濃く受け継いでおり、傲慢でありながらも抜け目のない切れ者。 氷のように冷たい印象を與えるが、際立った美貌の持ち主でもある。多くの男性から想いを寄せられるが、彼女が心に決めているのはソン・ジホンただ一人である。

ソン・ジホン 役
チェ・テジュン
己卯士禍(キミョサファ)で家族と離れ離れになり、ある人物にかくまわれて難を逃れる。その後、奴婢(ぬひ)たちの助けを借りて成長するが、偶然の機會に開城(ケソン)の商人であるソン・ファノクと出會う。
ちょうど養子を探していたソン・ファノクは、一目でソン・ジホンの聡明さに惹かれ、彼を親戚の養子だと偽って引き取る。こうして奴僕(ぬぼく)の身分から、一夜にして両班(ヤンバン)となったソン・ジホンは、新しい人生を歩み始めることになる。

明宗(ミョンジョン) 役
ソ・ハジュン
文定(ムンジョン)王后の息子であり、李氏朝鮮の第13代國王。 12歳という若さで即位したため、母である文定(ムンジョン)王后が垂簾聴政(すいれんちょうせい)を行い、政治の実権を握った。 その結果、明宗(ミョンジョン)は実権を全く持てず、母や母方の叔父であるユン・ウォニョンの意のままに操られる傀儡の王であった。 文定(ムンジョン)王后の摂政は8年間に及び、その間、彼女は仏教を復興させるなど大きな影響力を行使した。

チ・チョンドゥク 役
チョン・ウンピョ
典獄署(チョノクソ)の役人で、オクニョの養父。 ずる賢く、詐欺や策略に長けているのが特徴です。 彼の信條は「弱い者には強く、強い者には弱い」という世渡り術で、囚人たちの弱みに付け込んでは私腹を肥やしています。
偶然、追っ手から逃げていたオクニョの母を助けたことから、彼女の死後、赤ん坊のオクニョを育てることになります。 何度もオクニョを捨てようと試みましたが、情にほだされて機會を逃し、最終的には典獄署內で彼女を育てることを決意しました。

チョン・デシク 役
チェ・ミンチョル
典獄署の署長として、囚人たちに恐れられている人物、それがチョン・デシクです。 彼は常に冷靜沈著で口數が少なく、その厳しい態度は囚人たちに一切の容赦をしません。
しかし、その厳格な仮面の下には、貪欲な一面が隠されています。彼は典獄署內の長期囚たちから賄賂を受け取り、それと引き換えに様々な便宜を図ることで不正に富を築いています。

ユ・ジョンフェ 役
パク・キルス
チョン・デシクと結託し、囚人から賄賂を受け取るなど、數々の悪事を働く。
両班(ヤンバン)出身であることを笠に著て、自らを非凡な存在だと考えている。そのため、中人(チュンイン)出身の直屬の上官である奉事(ポンサ/従八品)のイ・ヒョソンを完全に見下しており、その命令に背くことも少なくない。チョン・デシクの手先として、周囲の參奉(チャムボン)たちの動向を監視し、報告する役割を擔っている。

イ・ヒョソン 役
イム・ジョンハ
典獄署(チョノクソ)の奉事(ポンサ:従八品の官職)。
善良で心が広く、不正を許さない剛直な役人。朝鮮時代の監獄である典獄署の署長チョン・デシクとはしばしば対立する。 彼は中人(ヤンバンと常民の中間層)の出身で、雑科(技術官の登用試験)を経て役人になった法律家である。
権力に媚びへつらう同僚のユ・ジョンフェを軽蔑しており、身分に関わらず全ての囚人に対して公平に接する。 彼は、罪人にも人権があり、人間的な待遇を受けるべきだという強い信念を持っている。

ユグム 役
アン・ヨジン
典獄署(てんごくしょ)の茶母(タモ)。
典獄署に収監されている女囚たちの管理を擔當している。心優しい人柄で、主人公のオクニョを実の娘のように思い、深い愛情を注ぐ母親のような存在。

チョンドゥン 役
ショリー
典獄署に頻繁に出入りする盜賊。オクニョの最も親しい友人で、彼女が危機に陥るたびに必ず助けに現れる。

チョン・ウチ
チョン・ウチは、朝鮮の古典小説『チョン・ウチ伝』にも登場する伝説的な道士で、実在したとされる歴史上の人物をモデルにしています。 本作では、朝鮮王朝において右に出る者はいないと言われるほどの風水師でありながら、人々をあっと言わせる詐欺師としての顔も持つ、非常に多才で謎めいた人物として描かれています。
彼は鋭い洞察力で人の本質や運命を見抜く観相學に長けており、その知識と経験から、典獄署(チョノクソ)で出會った主人公オクニョの非凡な才能をいち早く見抜きました。 そして、彼女が過酷な運命を切り拓いていくための師匠となり、自身の持つ風水學の奧義や、時には人を欺き、危機を乗り越えるための詐欺の技術といった処世術を教え込みます。彼の存在は、オクニョが自身の運命に立ち向かい、多くの人々を救うための大きな力となっていきます。

イ・ジハム 役
チュ・ジンモ
典獄署の囚人、当時最も優れた学者、オクニョの師

コン・ジェミョン 役
イ・ヒド
サムゲの渡し場とチルペ市場を拠點とする商団の大行首(テヘンス)。 市場にたむろするごろつき達を束ねて利益を得ており、彼らを管理するために商団を組織しました。
冷靜沈著かつ大膽な性格の持ち主で、ユン・テウォン(主人公の協力者)の度胸と商才を見込んで、彼に全幅の信頼を寄せています。

トチ 役
キム・ヒョンボム
ユン・テウォンの親友であり、右腕のような存在。
テウォンがまだごろつきだった頃から彼を実の兄のように慕い、商団の大行首(テヘンス)であるコン・ジェミョンに紹介した人物でもある。 テウォンが商団で頭角を現してからも、常に彼と行動を共にし、公私にわたって支え続ける忠実な部下であり、最高の友。

チャクト 役
ウィ・ヤンホ
コン・ジェミョンが率いる商団の一員。 後から商団に加わったユン・テウォンの有能さに嫉妬し、彼を敵視して何かと牽制しようとする人物です。