あらすじ

皇太子・韓燁(かんよう)とともに江南の役人たちが開いた宴会に出席した任安楽(じんあんらく)。しかし、その華やかな宴は、彼女を陥れるために仕組まれた卑劣な罠でした。安楽は持ち前の知恵でこの策略に立ち向かいますが、さらに、食糧を求める大勢の難民が宴会場に殺到し、事態は悪化の一途をたどります。絶体絶命の危機に瀕した安楽と韓燁。二人は互いに協力し、この難局を乗り越えようと奮闘します。果たして、彼らは民衆の信頼を勝ち取ることができるのでしょうか。

ネタバレ

いやー、今回の第9話も目が離せませんでしたね!任安楽(じんあんらく)と皇太子・韓燁(かんよう)の関係が、また一歩、いや十歩くらい進んだんじゃないでしょうか?早速、手に汗握る展開を振り返っていきましょう!

舞台は、江南の役人たちが主催する望江楼での大宴会。表向きは皇太子と、未来の太子妃候補である安楽をもてなす宴ですが、その裏では汚職役人・鐘礼文(しょうれいぶん)の黒い策略が渦巻いていました。

鐘礼文(しょうれいぶん)は商人たちをそそのかし、安楽に高価な贈り物をさせます。これを受け取れば「賄賂を受け取った」と皇帝に訴え、安楽を失脚させようという卑劣な罠!しかし、我らが安楽はそんな浅はかな罠にハマるタマじゃありません。

「贈り物、ありがたく頂戴しますわ!」とニッコリ受け取ると、なんと「誰が何を贈ったか、全員名前を書きなさい」と命令!これには悪徳商人たちも真っ青。皇太子・韓燁(かんよう)の目の前で偽名など使えるはずもなく、正直に名前を書くしかありません。安楽はこのリストをすかさず部下に渡して皇帝へ献上!見事に賄賂の証拠を逆手に取り、役人たちを一網打尽にする準備を整えちゃうんですから、もう天晴れとしか言いようがありません!

しかし、本当の危機はここからでした。鐘礼文が裏で手を回し、食糧を求める大勢の難民たちが望江楼に殺到!「太子様、我々にお恵みを!」と詰め寄る民衆に、鐘礼文は「救援物資は4日後ですな」としらばっくれます。

この絶体絶命のピンチに、韓燁(かんよう)は自ら食糧を調達しに行くと決意。安楽に「私が戻るまで、民を頼む」と後を託します。安楽は、韓燁が残したわずかな米をうまく使いながら、巧みな話術で民衆をなだめ、時間を稼ぎます。鐘礼文が送り込んだサクラが騒ぎを起こそうとしても、鋭い眼力で見抜き一喝!この胆力、さすがは元・海賊のトップです。

そして日没寸前、韓燁が約束通り食糧を積んだ馬車と共に帰還!二人の見事な連携プレーで、大混乱は無事収束したのでした。

実はこの食糧、安楽が部下に命じて鐘礼文の隠し倉庫を襲撃させ、奪い返したもの。ついでに不正の証拠となる裏帳簿まで手に入れていました。安楽の機転、恐るべし!

事件解決後、二人きりで祝杯をあげる安楽と韓燁。安楽に勧められるがままに酒を飲んだ韓燁は、すっかり酔っ払ってしまいます。そして、目の前の安楽にかつての許嫁・帝梓元(ていしげん)の面影を重ね、「梓元…」と呼びかけながら、彼女を強く抱きしめてしまうのです!

安楽は帝梓元(ていしげん)のふりをしながら、10年前に帝家を襲った悲劇の真相を探ろうとしますが、韓燁の口から出たのは「たとえ君(安楽)に心惹かれても、太子妃の座は誰にも渡さない。必ず帝梓元を娶る」という固い誓いでした。

翌朝、我に返った韓燁は昨夜の失態に大慌て!気まずさMAXで安楽の部屋を訪れますが、しれっとした顔でからかう安楽に、なすすべもなく逃げ去るのでした。いやあ、甘酸っぱい!

『安楽伝』第9話の感想

今回のエピソードは、任安楽(じんあんらく)の底知れない魅力が炸裂した回でした。彼女が単なる武勇に優れた女性ではなく、非常に頭が切れ、大胆な策略をものともしない策略家であることが改めて示されました。汚職役人の罠を逆手に取る手腕は実に見事です。一方で、皇太子・韓燁の誠実さと、民を思う真摯な姿も心に残りました。彼の固い信念が、安楽の型破りな行動力によって少しずつ良い方向へ揺さぶられていく様子が丁寧に描かれています。特に、酔った韓燁が安楽を帝梓元と間違えて抱きしめる場面は、本作の核心に触れる重要なシーンでした。帝梓元への絶対的な忠誠を誓いながらも、目の前の安楽に惹かれている。このどうしようもない心の葛藤が、観ていて胸に迫るものがありました。権力闘争の緊張感と、二人の距離が縮まる人間ドラマが絶妙に融合した、非常に見ごたえのある内容だったと感じます。

つづく