あらすじ

経済誌の敏腕記者ジョン・シューイーは、メディアにほとんど姿を見せない若き総裁シー・イエンの独占インタビューを勝ち取るために奔走していた。一度はチャンスを逃しかけるも、彼女の熱意と実力が認められ、逆転で取材の機会を得る。しかし、約束の日に突然インタビューはキャンセルに。諦めきれないシューイーは、シー・イエンが出席するパーティー会場へ向かうが、そこで予期せぬ出会いとすれ違いが彼女を待ち受けていた。仕事に全てを捧げた一日の終わりに、彼女は衝撃的な事実を目の当たりにすることになる。

ネタバレ

経済誌「財経界」の若きエース記者、ジョン・シューイーは、今をときめく銘豫雲創の若き総裁、シー・イエンの独占インタビューを勝ち取るために、2ヶ月も前から準備を重ねてきました。

ところが、編集長からライバル記者のシュー・ユーリンが推薦されたと聞かされ、一度はチャンスを逃したかに思えます。しかし、実力主義のシューイーは諦めません。「優れた記事は実力から生まれる」と信じ、黙々と取材の準備を続けます。

その熱意は、当の本人であるシー・イエンにも届いていました。彼はコネで推薦された記者よりも、シューイーが提出した骨太な取材趣意書を高く評価していたのです。その結果、なんとシー・イエン側からシューイーが逆指名されるという大逆転!

この日は恋人・ユエ・シンジョウの誕生日でしたが、キャリアのためまたとないチャンスを選んだシューイー。恋人には申し訳なく思いつつも、仕事への情熱を優先します。

ところが、インタビュー直前になってシー・イエンの都合で急遽キャンセルに。週刊誌の締め切りに間に合わせたいシューイーは、シー・イエンが参加するというパーティー会場へ自ら乗り込み、直談判を試みます。

会場でシー・イエンの姿を探すシューイーですが、慣れないパーティーと体調不良で少しぐったり。そんな彼女に「大丈夫ですか?」と温かいお湯を差し出してくれたのは、物腰柔らかな紳士、ユー・ヨウでした。彼は間もなく財大の最年少教授になるというエリートで、二人は連絡先を交換します。

結局、会場ではシー・イエンとすれ違い、インタビューは叶いませんでした。雨の中、迎えに来てくれた恋人の車を待っていると、一台の高級車が彼女の前に停まります。中から現れた男性に「送ろうか?」と声をかけられますが、シューイーはこれをナンパと勘違い。「彼氏がいるので」とキッパリ断ってしまいます。しかし、その立ち去る後ろ姿を見て、ハッと気づくのです…彼こそが、追い続けていたシー・イエン本人だったことに!

大失態に落ち込みながらも、迎えに来てくれた恋人ユエ・シンジョウの車に乗り込むシューイー。車内に漂う甘い香水の匂いに一瞬疑問を抱きますが、深くは追及しませんでした。

しかし、悲劇はこれで終わりませんでした。帰宅後、スマホを彼の車に忘れたことに気づいたシューイーは、GPSで位置情報を確認。すると、スマホはなぜか病院を示しています。彼が事故にでも遭ったのではと慌てて病院へ駆けつけた彼女が目にしたのは…病院の前で、見知らぬ女性と熱いキスを交わす恋人の姿でした。

仕事に全てを捧げた日に、恋人からの最悪の裏切りを知ってしまったシューイー。彼女の「嘘」から始まる物語は、ここから幕を開けるのです。

『始まりは君の嘘』第1話の感想

仕事に燃える女性のリアルな日常と、まさかの裏切りが突き刺さる初回でした。主人公のジョン・シューイーが、恋人の誕生日よりもキャリアを優先する姿には、現代を生きる女性として共感する部分も多いのではないでしょうか。彼女の仕事に対するひたむきな情熱とプロ意識が丁寧に描かれているからこそ、ラストの衝撃的な展開がより一層際立ちます。やっと掴んだ大チャンスを追いかける中で、皮肉にも恋人の裏切りを知ってしまうという構成が見事でした。追いかけていたシー・イエン本人をナンパと勘違いして一蹴してしまうコミカルなシーンと、絶望のラストシーンとの高低差が、物語への引き込みを強くします。これから彼女がこの悲劇をどう乗り越え、そして「嘘」がどう絡んでいくのか、目が離せないスタートだと感じました。

つづく