「三十年の約束」の日が迫る福建・泉州。秘宝の封印を狙う穆青(ムー・チン)率いる内務府、王家洛(ワン・ジアルオ)の北洋軍、孤高の達人・卓不凡(ジュオ・ブーファン)、そして日本の勢力が、宿屋「仄澤居」に集結した。表向きは宴が開かれ、和やかな時間が流れるが、その水面下では各々の野望が渦巻き、新たな同盟や裏切りが画策される。味方の中にいるかもしれない裏切り者の存在、そして誰が敵で誰が味方かも分からない状況。一触即発の緊張感の中、物語は決戦の時を迎えようとしていた。
「天行健~革命前夜、風立ちぬ~」あらすじネタバレ31話
いやー、ついに来ましたね!「三十年の約束」の日が目前に迫り、物語の舞台は福建・泉州へ。今回の第31話は、まさに嵐の前の静けさ…いや、水面下ではとんでもない駆け引きが繰り広げられる、息もつかせぬ回となりました。各勢力の主要人物たちが宿屋「仄澤居(そくたくきょ)」に集結し、いよいよ役者が揃った!って感じです。
さて、我らが主人公・穆青(ムー・チン)は、まず仲間である林浩瀚(リン・ハオハン)(リン・ハオハン)(リン・ハオハン)(リン・ハオハン)を危険から遠ざけるために、乾隆年間の古銭探しという名目で彼を別の場所へ行かせます。こういうさりげない優しさが彼の魅力ですよね。そして、内務府の部下を引き連れて仄澤居に乗り込み、宝蔵を狙う融天嶺(ゆうてんれい)や王家洛(ワン・ジアルオ)一行の動向を探る準備を万端に整えます。
穆青(ムー・チン)は柳琳(リウ・リン)と共に仄澤居に滞在しますが、まあこの二人は相変わらず。柳琳(リウ・リン)が「北洋軍閥には気をつけて!」と忠告しても、穆青(ムー・チン)は「王家洛(ワン・ジアルオ)は信用できる男だ」とあまり気にしていない様子。柳琳(リウ・リン)が本当に警戒しているのが鐘海潮(ジョン・ハイチャオ)だと分かっていながらも、「正々堂々と来るなら受けて立つまでさ」と、実に肝が据わっています。
そして穆青、なんと宿で大盤振る舞いを始めるんです!出獄してから一番のんびりできる日だと、部下たちと大いに飲み食い。その最中、柳琳とは同盟会と朝廷の立場の違いからまたしても大口論に。お互いの信念がぶつかり合う、この二人らしいシーンでしたね。そこへ王家洛(ワン・ジアルオ)率いる北洋軍も合流し、敵味方の垣根を越えて酒を酌み交わすという、なんとも不思議な光景が繰り広げられます。
しかし、この和やかな宴の裏では、各勢力の思惑がドス黒く渦巻いていました。
日本側の清伊(きよい)信風(きよい しんぷう)は、部下の野上寒(のがみ かん)から穆青たちの動向報告を受け、仄澤居への潜入と周辺の監視を指示。さらに、林安靜(リン・アンジン)に銃を渡し、いざという時の覚悟を迫ります。彼女は、鐘海潮が福建にいるのは淇親王(きしんのう)の差し金であり、卓不凡(ジュオ・ブーファン)の強力なバックアップだと見抜いていました。
その鐘海潮のもとには、于煥傑(ユー・ホアンジエ)から逐一状況が報告されていました。于煥傑は「卓不凡(ジュオ・ブーファン)が本気を出せば穆青に勝ち目はない」と分析。しかし、彼も懸念を口にします。卓不凡(ジュオ・ブーファン)にとって重要なのは秘宝そのものではなく、中に眠る武術の秘伝書。もし北洋や内務府が秘伝書を渡すという条件を出せば、彼は簡単に寝返る可能性がある、と。不安定要素すぎるぜ、卓不凡!
そして、ついに物語が大きく動きます。清伊(きよい)信風が鐘海潮に接触。なんと、たまたまその場にいたウランシャン(烏蘭珊(ウランシャン))が二人の会話を盗み聞きしてしまいます。清伊信風(きよい しんぷう)は、淇親王のクーデターを日本が支援する見返りに、東北地方の利権を得るという密約があることを暴露。その上で、鐘海潮に新たな協力を持ちかけます。
その内容は、「4つの封印が揃った瞬間、門三刀(もんさんとう)、王地保、そして卓不凡を殺害する。封印は日本と鐘海潮で2つずつ分け合い、新たな同盟を結ぶ」という、あまりにも血なまぐさいものでした。利益に目がくらんだ鐘海潮は、この恐ろしい提案を受け入れてしまいます。
一方で、すべてを見通しているかのような人物がいました。そう、門三刀です。彼は柳琳との会話で、日本人の狙いは誰も秘宝を得られないように場をかき乱すことだと看破。さらに、林安靜(リン・アンジン)の様子がおかしいことから、彼女が日本側と通じている可能性にまで気づきます。そして、「清伊信風(きよい しんぷう)は実力不足を補うために、必ず鐘海潮と手を組むはずだ」と予測。もし日本人が近くの宿に現れたら、それが同盟成立の合図だとまで言い切るのでした。
いやはや、それぞれの腹の探り合いが凄まじいですね。穆青の豪快な宴と、その裏で進む裏切りの密約。この対比が、決戦前夜の緊張感を一層高めていました。
『天行健~革命前夜、風立ちぬ~』第31話の感想
今回のエピソードは、各勢力の野心と謀略が複雑に絡み合い、物語の緊張感を一気に頂点へと押し上げた回でした。特に、北洋軍閥の鐘海潮と日本の清伊信風が手を結ぶ場面は、今後の展開を大きく左右する重要な転換点と言えるでしょう。それぞれの正義と欲望がぶつかり合う人間ドラマの深みを感じさせます。表向きは酒を酌み交わしながら、水面下では互いを出し抜こうと画策する登場人物たちの姿は、まさに一触即発。一枚岩ではない各組織の内部事情や、卓不凡のような個人の欲望が鍵を握る不安定さが、物語に更なる奥行きを与えています。門三刀の鋭い洞察力も光っており、彼の分析が今後の展開の道標となりそうです。静かながらも激しい駆け引きが続き、目が離せない展開でした。
つづく