晋旗山へ向かう道中、刺客に襲われた金小宝(きん しょうほう)と懐恩(かいおん)。懐恩は自らを犠牲にして小宝を守り、二人の絆はこれまで以上に固く結ばれます。しかし、金家に戻ると、父との対立や妹の突然の失踪など、次々と問題が勃発。さらに、父の持病が悪化し、小宝は父を救うための秘薬を求めて奔走することに。甘い雰囲気も束の間、金家を取り巻く不穏な空気が、二人の未来に暗い影を落とし始めます。
「花華やぐも、散るは密やか ~花開有時、頽靡無声~」あらすじネタバレ5話
いやはや、第5話もすごかったですね!小宝(しょうほう)と懐恩(かいおん)の距離がグッと縮まったかと思えば、それを引き裂こうとする容赦ない運命の嵐!甘さと切なさが交互に押し寄せて、感情がぐちゃぐちゃです!
今回は、そんな波乱万丈の第5話を、どこよりも詳しく、そして面白く振り返っていきたいと思います!
晋旗山への道中、深まる二人の絆
愈夏(ゆか)へ向かうと見せかけて、実は晋旗山(しんきざん)へ「ある物」を届けるのが目的だった懐恩。その道中で、案の定、慎(しん)王爺の手下と思われる刺客に襲われてしまいます。
「あの男の息子も大したことないな。男とこんな場所でいちゃつきやがって」
なんて下品な挑発にも、小宝は「そのドングリみたいな目でよく見な!」と一歩も引きません。強いぞ小宝!
多勢に無勢の状況で、懐恩は小宝をかばい、深手を負ってしまいます。小宝を逃がすため、自ら敵の刃の前に立ちはだかる懐恩。その鬼気迫る姿に、小宝は「行かないで!」と叫びます。
「見ていろ。これも好きという形の一つだ」
そう言って、懐恩は自らの命を顧みない戦い方で敵を退けますが、結局「物」は奪われてしまいました。この「物」が今後の大きな火種になるんですよね…。
「俺が好きなのは懐恩だけだ!」小宝の覚醒
そこへ駆けつけたのが、小宝の付き人、招財(しょうざい)と進宝(しんぽう)。家出(本人は正当な目的があると言い張ってますが)した若様を連れ戻しに来たのです。
しかし、小宝の頭の中は懐恩のことでいっぱい。「懐恩は俺のせいで大怪我をしたんだ!」と、二人の制止を振り切り、懐恩のそばを離れようとしません。
付き人たちに「懐恩は素性が知れない」「あなたを利用しているだけだ」と忠告されても、小宝の決意は揺るぎません。
「あいつは俺のために命を捨てられるし、命より大事なものも捨てたんだ。俺たちもう両想いなんだよ!」
「今までみたいに、ただ征服したいんじゃない。今は、あいつを守りたいんだ。これって運命の人ってやつだろ?」
かつての色男はどこへやら。倚翠楼(いすいろう)の美女たちや、王大娘(おうたいじょう)の娘さんのことなどすっかり忘れ、懐恩一筋になった小宝。この一途な想い、本物ですね!
金家に渦巻く陰謀と、すれ違う想い
金家に戻った二人ですが、休む間もありません。
まず、小宝のお父さんが激怒!「もうすぐお前の冠礼だっていうのに、男とべたべたしおって!まさか男を嫁に迎える気じゃないだろうな!」とカンカンです。小宝が「それもアリかも」なんて火に油を注ぐものだから、お父さんはショックで倒れてしまいました。
追い打ちをかけるように、今度は妹の小雨(しょうう)が行方不明に!
一家総出で探す中、懐恩の調査で、犯人が雲陽県(うんようけん)の役人の息子・斉暁彬(せい・ぎょうひん)だと判明します。この男、5年前に小宝に足を潰された恨みを持っていました。
しかし、斉暁彬の狙いは単なる復讐ではありませんでした。彼は小雨の顔を見て、彼女が朝廷が血眼で探している薛(せつ)家の生き残り・薛怜雨(せつ・れいんう)であることに気づき、慎王(しんおう)爺に密告します。金家が薛家滅亡に関わっていると睨んだのです。
一方で、懐恩の父である冷酷な教主は、懐恩が手に入れた「帳冊」を元に、「金家の者は一人残らず殺せ」と非情な命令を下していました。
そんな中、小宝の父の持病が悪化。神医を探しに行った者も疫病で帰ってこれず、万策尽きたかと思われたその時、李(り)大夫から「城西の劉(りゅう)家の秘薬が効くかもしれない」という情報を得ます。
小宝は父を救うため、友人の劉公子に会うべく、かつての遊び場・倚翠楼へと向かいます。しかし、この行動が裏目に出てしまうのです。
小宝の付き人・招財と進宝は、懐恩への嫉妬からか、「若様はあなたを捨てて、また女遊びに戻りましたよ」と嘘を吹き込みます。
お互いを守ると誓い合ったばかりなのに…。父のために必死で奔走する小宝の想いを知らない懐恩の、あの寂しそうな、傷ついた目が忘れられません。
『花華やぐも、散るは密やか ~花開有時、頽靡無声~』第5話の感想
これまで遊び人のように描かれてきた金小宝(きん しょうほう)の人物像に、深い奥行きが生まれた回でした。「征服したい」という欲望から「守りたい」という愛情へ。彼の恋愛観の成熟は、懐恩という存在がいかに特別であるかを物語っています。一方で、感情を表に出さなかった懐恩が、小宝の言葉に安堵し、未来を誓う場面には胸が熱くなりました。しかし、この物語は二人に安息の時間を与えてはくれません。父の病、妹の秘密、そして周囲に張り巡らされた陰謀の数々。束の間の幸せが、かえってこれから訪れるであろう過酷な運命を予感させ、言いようのない切なさを心に残しました。
つづく