血を飲まなければ生きられないという秘密を抱え、100年以上も孤独に生きる男、シェン・ジーホン。彼はある目的のため、正体を隠して現代社会に潜んでいた。一方、裕福な家庭に生まれながら、盲目であることを理由に家族から酷い扱いを受ける少女、ミー・ラン。彼女は生きる希望を失い、絶望の淵に立たされていた。ある雪の夜、二つの孤独な魂が運命的に引き寄せられる。ジーホンを執拗に狙う危険な男の影が迫る中、死を決意したミー・ランは、偶然にも瀕死の状態のジーホンを発見する。この出会いが、止まっていた二人の運命を大きく動かし始める。
「氷雪の接吻(くちづけ)」あらすじネタバレ1話
第1話:血と雪の夜の出会い
不老不死の男、シェン・ジーホン
シェン・ジーホンという男がいる。彼は一見するとただのクールな金持ちだ。でも、その正体は100年以上も生きている存在。昔、一族が襲われた日に呪いみたいなものを受けた。それ以来、血を飲まないと生きていけない体になったんだ。祖母と一緒に逃げ回り、鶏の血をすすって生き延びてきた。なんだか切ないよな。彼の目的は二つ。自分をこんな体にしたヤツを見つけ出すこと。それと、行方不明の弟、シェン・ジーチェンを探すこと。そのために、たった一人で長い時間をさまよっている。
虐げられる少女、ミー・ラン
もう一人の主人公は、ミー・ランという少女。彼女は海東市の金持ちの家に生まれた。でも、生まれつき目が見えない。父親は彼女をいないものとして扱っている。それどころか、妾に産ませた男の子の満月祝いのパーティーを開く始末だ。母親はその怒りをミー・ランにぶつける。日常的に殴られ、罵倒される。もう最悪だよな、この家族。ミー・ランは目が見えない代わりに、耳がものすごく良い。パーティー会場のざわめきの中から、ジーホンの足音を聞き分けるほどだ。彼女は、ジーホンを狙う男の殺害計画まで耳にしてしまう。
宴会での静かな対決
パーティーは偽りの祝福ムードで進む。会場にはジーホンを殺そうと計画する男、リー・インリアンも来ている。彼は見るからにヤバい筋の男だ。ジーホンに殺意むき出しの視線を送っている。その時、ジーホンの耳に少女の悲鳴が届いた。ミー・ランが母親に殴られている音だ。ジーホンは静かに席を立つ。窓際でタバコに火をつけたかと思うと、そのタバコが独りでに飛んでいく。ミー・ランを殴る母親の手にピタリと当たり、暴力を止めた。何なんだ、この力は。追いかけてきたリー・インリアンを完全に無視して、ジーホンは会場を去る。
不死身の男、死す?
ジーホンの乗った車が、帰り道で故障する。これは仕組まれた罠だ。車から降りた彼を、リー・インリアンの部下たちが待ち伏せしていた。ためらいなく車でジーホンを轢き飛ばす。銃で頭を撃ち抜く。普通ならこれで終わりだ。ジーホンは死なない。平然と立ち上がるんだ。焦った連中は、マシンガンのようなもので彼の全身を蜂の巣にする。倒れた彼の上を、何度も車で轢き潰した。さすがにこれでジーホンは動かなくなった。でも、後で部下の一人が青い顔で報告する。あれだけの傷を負ったジーホンが、また起き上がった、と。リー・インリアンが現場に戻ると、そこにジーホンの死体はなかった。
廃墟での運命的な出会い
同じ頃、ミー・ランは人生に絶望していた。彼女は死ぬことを決意する。雪が舞う寒い夜、ふらふらと街をさまよう。誰にも見つからずに死ねる場所を探して、一軒の廃墟にたどり着いた。そこには、濃い血の匂いが立ち込めていた。瀕死のジーホンが倒れていたんだ。ジーホンは、彼女が盲目だと気づくと、か細い声で助けを求めた。死のうと思って来たのミー・ランは静かに答える。ジーホンは彼女に懇願した。死なないでくれ。君が必要なんだ誰からも必要とされなかったミー・ランにとって、その言葉は衝撃だった。彼女は、彼を助けることを決意する。自分の上着を彼にかけ、必ず助けを呼ぶと約束して廃墟を後にした。
奇跡、そして新たな始まり
帰り道、ミー・ランは偶然リー・インリアンに出会う。彼はなぜか彼女に親切で、家まで車で送ってくれた。家に着いたミー・ランは、ジーホンに触れた時に付いた血を洗い流す。その手で、何気なく顔を洗った。そして、目を開ける。その瞬間、信じられないことが起きた。ミー・ランの世界に、光が戻ってきたんだ。彼女の目は、はっきりと物事を映し出していた。鏡に映る自分の顔を、彼女は初めてその目で見た。
第1話の感想:ダークファンタジーとロマンスの融合がたまらない
いやー、1話目から設定を全部乗せしてきた感じがすごい。不老不死で血を求める男と、虐げられてきた盲目の少女。この二人が出会うっていう王道の設定がまずたまらないよな。ジーホンがとにかく謎だらけで魅力的だ。100年以上も生きてて、車に轢かれても銃で撃たれても死なない。でも、血がないと生きられないっていう弱点があるのがいい。完璧じゃないところが人間味を感じさせる。
一方でミー・ランの境遇が本当にひどい。見ていて胸が痛くなるレベルだ。だからこそ、ジーホンとの出会いが彼女にとって唯一の希望に見える。死のうとしていた彼女に君が必要だって言うシーンは、もう最高だろ。最後の展開も予想外だった。彼の血に触れたことで目が見えるようになるなんて。彼の血が彼女を救い、彼女の存在が彼を救う。この二人の関係性がどう深まっていくのか、めちゃくちゃ気になる。アクションも結構激しいし、これはただの恋愛ドラマじゃないな。
つづく