さて、記念すべき第1話。いきなり度肝を抜かれるシーンからスタートですよ!
時は元、場所は大都(今の北京ですね)。元の皇帝タファン(チ・チャンウク)が、高麗の王ワン・ユ(チュ・ジンモ)に「奇皇后の冊封式に出るのか?」って詰め寄るんです。でもワン・ユは何も言わずに去っちゃう。タファンは涙ぐみながら「スンニャンは…俺だけのものだ」って…。え、何?どういうこと?いきなり三角関係の予感!?
そして場面は変わって、まさにその奇皇后の冊封式。主人公のスンニャン(ハ・ジウォン)が皇后になる、その晴れの舞台です。でもね、彼女の目線の先には、なんとワン・ユが!そしてスンニャンの瞳からは一筋の涙が…。もうこの時点で、この二人の間に何か深いドラマがあるってことがビンビン伝わってきますよね!
物語は一気に過去へ。スンニャンはもともと高麗の奇子敖(キ・ジャオ)の娘。まだ幼いスンニャンは、お母さんや他の高麗の女性たちと一緒に、元への貢ぎ物「貢女(コンニョ)」として縄で縛られ、連行される途中なんです。ひどい話ですよね…。馬上からは、高麗の若き世子(後のワン・ユ)が「子供まで連れて行くとは!」と元の役人たちを激しく罵っています。
幼いながらも気丈なスンニャンは、お母さんの傷を心配そうに見つめます。その夜、なんと若きワン・ユが密かに貢女たちを逃がしてあげるんです!国のため、そして何より人としての良心からでしょうね。
しかし、そんな甘くはありません。元の武将タンギセ(キム・ジョンヒョン)とタプジャヘ(シン・スンファン)が、逃げた貢女たちを猛追!見つけ次第、容赦なく斬り殺していくんです。もう、本当に残酷…。そして、スンニャンにも矢が!その瞬間、お母さんがスンニャンを庇って矢を受けてしまうんです!二人は崖から転落。お母さんは最後の力を振り絞り、自分の指輪をスンニャンに託し、「開京(ケギョン:当時の高麗の首都、今の開城)に行って、奇という姓の人を捜しなさい。それがお前の父親だ」と言い残して息絶えてしまいます。スンニャンの悲痛な叫びが、本当に胸に突き刺さりました…。
一方、ワン・ユは、横たわる貢女たちの亡骸の前で深く懺悔しています。そこへ叔父である瀋陽王(シンヤンワン)ワン・ゴ(イ・ジェヨン)が登場。このワン・ゴ、元によって瀋陽地区の統治者に任命されている人物で、ワン・ユに対して「お前なんかに王の資格はない。いっそ元に根を下ろしたらどうだ?」なんて嫌味を言うんですよ。うーん、この叔父さん、一癖も二癖もありそうですね。
ケギョンに着いたスンニャンは、なんと父親とすれ違ってしまいます。そして街でタンギセたちの姿を見かけ、慌てて逃げる途中、瀋陽王ワン・ゴの馬に蹴られてしまい、そのままワン・ゴの屋敷に連れて行かれてしまうんです。
ここからがスンニャンの人生の大きな転換点。彼女は男として生きることを決意し、「狼(イリ)」という偽名を名乗ります。母を殺された瞬間を胸に刻み、武士として生き抜くため、厳しい弓の稽古に明け暮れる日々。
そして、あっという間に18年の歳月が流れます。
スンニャンの弓の腕前は、もはや神業の域!そんな彼女に、瀋陽王ワン・ゴからある任務が下されます。それは、仁州(インジュ)の塩専売倉庫での取引。実はこのワン・ゴ、高麗の王位を狙っていて、そのための資金集めに塩の密売を行っていたんですね。部下たちは危険すぎると心配しますが、ワン・ゴは「無能な世子に国は任せられない」と聞く耳を持ちません。
その頃、当の世子ワン・ユはというと…なんと街のチンピラ、チョムバギと妓楼で素手ゴロの喧嘩!あげく気絶しちゃって、宦官のパン・シヌに慌てて連れ帰られる始末。毎日チンピラたちとつるんで遊んでばかりいるように見せかけていますが…。チョムバギから「仁州で一番有名なのはスンニャン一味で、頭のスンニャンの弓の腕は伝説的だ」という話を聞き、興味を持つワン・ユ。
一方、スンニャンは稼いだ貴重なお金を部下たちに分け与え、元にいる家族を捜すように言います。そこへ、あのチョムバギが手下を引き連れて因縁をつけてくるんです!でもスンニャンは全く怯まず、矢でチョムバギの手の甲を射抜く!かっこいい!この噂を聞きつけたワン・ユは、いよいよスンニャンに会ってみようと動き出します。
ついにワン・ユとスンニャンが対峙!ワン・ユは「俺と弓で勝負しろ。お前が負けたら俺の部下になれ」と無茶な提案をします。しかも、「酒を飲みながらやろう」とか言い出す始末。酒に弱いスンニャンは、的を盃の蓋にするというハンデを提案します。しかし、ワン・ユ側で的を持つ役の男はビビりまくり(笑)。スンニャンもワン・ユも、互いに見事な腕前を披露しますが、ついにスンニャンは酔いが回って目がかすみ、思わずワン・ユに矢を向けてしまいます!その瞬間、ワン・ユはスンニャンを抱きしめ、「俺の勝ちだー!」と高らかに勝利宣言。なんか、ちょっと強引だけど、二人の距離が縮まった瞬間でしたね。
翌朝、バツが悪そうに起き上がるスンニャン。そこには、とっくに朝食を用意して待っているワン・ユが。ワン・ユは「俺がお前にコムンゴ(韓国の伝統楽器)を教えてやるから、お前は俺に片箭(ピョンジョン:短い矢を射る技術)を教えてくれ」と持ちかけます。ワン・ユがスンニャンの手を取ってコムンゴを弾こうとすると、スンニャンは慣れない感触に彼を突き飛ばして去ろうとします。ワン・ユは「部下にならないなら兄弟になろう。この国の世子の友を兄貴分にするなんて、名誉なことだろ?」と言いますが、スンニャンは「国を顧みない世子なんて馬糞でも食ってろ!王室は根元から腐ってる!絶対に仲間になんかならない!」と激しく反発します。スンニャンの王室への不信感は相当根深いようです。
そんな中、パン・シヌが伝書鳩を見つけます。その手紙には、瀋陽王ワン・ゴの塩密売に関する情報提供の申し出が!ワン・ユは協力することにし、指定された赤い鉢巻きをして茶楼へ向かいます。しかし、まさに情報提供者(実は潜入捜査官だった!)が口を開こうとした瞬間、何者かに矢で射殺されてしまうんです!
瀋陽王は、自分たちの仲間の中に裏切り者がいるから情報が漏れたのだと考えます。そして、仮面の男から「検察史(情報提供者)は始末した」と報告を受けます。瀋陽王はスンニャンを最も信頼できる手駒だと考え、仮面の男に世子(ワン・ユ)の動向を常に監視するよう命じます。
ワン・ユは、自分の部下の中にスパイがいて、検察史が命を落としたのだと考えます。そして部下に命じ、市場の塩を全て買い占めさせ、元の商人が買いに来た時に「瀋陽王が塩の密売をしている」という噂を流そうと計画します。
このワン・ユの動きを読んでいた瀋陽王は、してやったりとばかりにスンニャンを呼び出し、ある秘密の任務を命じます。
ワン・ユは、瀋陽王が何か仕掛けてくると察していました。そこへスンニャンが片箭を教えに来ます。ワン・ユは、瀋陽王がスンニャンを送り込んできたことに内心がっかりします。
弓の練習中に手を怪我したワン・ユ。スンニャンが手当てをする際、「塩の商売は儲かるのか?」と尋ねます。スンニャンは「儲かるものは全て王室が独占している」と嘆きます。ワン・ユはスンニャンへの警戒心を少し解きますが、実はスンニャンこそが、ワン・ゴの命令で彼に近づいていたのです…。
ワン・ユは、自分が片箭を習得するまではスンニャンにそばにいてほしいと考えます。スンニャンはワン・ユを燃灯祭(提灯祭り)に連れ出します。ワン・ユが「お前の願い事はきっと綺麗な嫁をもらうことだろうな」とからかうと、スンニャンは「大金を稼ぐことだ」と答えます。その時、突然仮面の男がワン・ユに矢を放ちます!スンニャンは身を挺してワン・ユを庇い、足に矢を受けてしまいます。これもまた、瀋陽王の仕組んだ罠だったのです。
ワン・ユはスンニャンを抱きかかえて運びますが、幸い傷は深くありませんでした。ワン・ユがスンニャンのズボンの裾を破って傷を見ようとすると、スンニャンは思わずワン・ユを平手打ち!そして慌てて「服はこれ一枚しかないんだ!」と言い訳します。
スンニャンが入浴していると、ワン・ユが着替えの服を持ってやってきます。スンニャンは鍵をかけていたものの、緊張してワン・ユに早く出ていくように促します。ワン・ユは「男のくせに恥ずかしがり屋だな」と笑います。…そう、この時ワン・ユはまだスンニャンが女性だとは気づいていないんですね!
瀋陽王はスンニャンの働きを褒め、次の指示を出します。「出発当日に塩を持ち出し、取引場所で待機せよ」と。スンニャンは、どうやって情報を伝えるべきか尋ねます。
酒を酌み交わしながら、スンニャンはワン・ユに「なぜ瀋陽王の手の者に狙われているのですか?もしかして、瀋陽王の塩密売を秘密裏に調べているのでは?」と核心に迫る質問をします。ワン・ユは用心深く刀を握りしめ、スンニャンこそが瀋陽王の手先ではないかと疑います。するとスンニャンは「知り合いの塩専売所の店長から聞いた話ですが、四日後に碧瀾渡(ピョンナンド)の宿場で取引があるそうです」と情報を漏らします。スンニャンが去った後、ワン・ユは「スンニャンを殺すべきだったのに、なぜ急にためらったんだ…」と自分を責めます。
瀋陽王は、「世子(ワン・ユ)が海月場(ヘウォルチャン)に着いたら殺せ」と部下に命じます。
ワン・ユはパン・シヌたちに、「塩泥棒が取引場所に到着するまでは絶対に手を出すな」と厳命します。しかし、ワン・ユの計画通りには進みません。何者かが塩を運んでいる人足に矢を放ったのです!これを受けて、ワン・ユの部下たちはやむを得ず応戦。そして、仮面をつけたスンニャンと刃を交えることになってしまいます。激しい戦いの末、ついにスンニャンは捕らえられてしまいます!
ワン・ユは、「昨夜、矢文が届き、海月場は偽の取引場所だと知らされた」と言います。一体誰が自分を密かに助けてくれているのか、ワン・ユは焦りを隠せません。
縄で縛られたスンニャン。脳裏には、かつて瀋陽王が元に貢女を送るという話を盗み聞きしたこと、そして母が元の役人の手によって殺された記憶が蘇り、瀋陽王への憎しみをさらに募らせるのでした…。
【今回のネタバレポイント】
- スンニャンは実は女性!ワン・ユはまだそのことに気づいていません。
- スンニャンは瀋陽王の命令で、スパイとしてワン・ユに近づいています。でも、彼女の心は揺れている…?
- ワン・ユを密かに助ける謎の協力者がいるようです。一体誰なんでしょう?
- スンニャンの母親は、元の役人によって殺されましたが、その背景には瀋陽王が関わっていたことをスンニャンは知っています。これが彼女の行動の大きな原動力になりそうですね。
次回、捕らえられたスンニャンはどうなってしまうのか?そして、ワン・ユはスンニャンの正体に気づくことができるのか?早く続きが見たいです!
つづく