華やかな成功からの転落…そして謎の死

物語は2020年、超優良企業ビッグスネットワークの会長、ノ・サンチョンが顧客感謝デーで熱弁をふるうシーンから始まります。「夢を見ることができるのは、私が十分に裕福だからだ」なんて、自信満々に語っちゃって、聴衆を熱狂させるカリスマっぷり。この時はまだ、誰もが彼の言葉を信じて疑わなかったんですよね…。

しかし、その喜びも束の間。なんと、このサンチョン会長、史上最大級のポンジ・スキーム(ねずみ講みたいなもんですね)の首謀者で、顧客から莫大な投資金をだまし取っていたことが発覚!ニュースでは、逮捕を逃れるために逃亡した中国で、交通事故で死んだって報道されてました。彼の死によって、詐欺事件の捜査も打ち切り。被害者たちは、なすすべもなく多額の借金を抱え、絶望のどん底に突き落とされちゃったわけです。いやぁ、この時点でもう胸糞悪い展開ですよね。

8年後、新たな事件と過去の影

そして場面は2023年へ。主人公の刑事、ク・ドハンが登場します。彼はどうやら同僚刑事チャン・ジュンフィ絡みの報告書を捏造したとかで、懲戒聴聞会にかけられてる。でも、元々はやり手の弁護士だったらしく、法律知識を駆使してチームメイトを弁護し、結局は一時的な停職処分で済んじゃう。このドハン、ただ者じゃなさそうな雰囲気がプンプンします。

そんな中、ある夜、薄汚れた男が自宅で何者かに惨殺される事件が発生!犯人は被害者に無理やり緊急通報させ、「ノ・サンチョンに殺される」と言わせるという、なんとも不気味な手口。朝になって、配達員が遺体を発見します。

この殺人事件によって、停職中だったドハンが現場に呼び戻されることに。ドハンは、被害者の爪が剥がされていることから、拷問の末に殺害されたと推理。配達員への聞き込みで、犯人が「障害があってドアを開けられないから勝手に入ってくれ」と店に電話していたことも判明します。

現場の外で、ドハンは怪しい男が事件現場や自分の写真を撮っているのを発見。逃げようとした男を捕まえ、署に連行します。

容疑者は元被害者?「サンチョンは生きている」

署で取り調べを受ける男、イ・ビョンジュン。彼はなんと、自分もサンチョン詐欺事件の被害者だと主張!殺された男ソン・ヨンジンは、サンチョンの詐欺の共犯者だったと言うんです。ビョンジュンによれば、ヨンジンは被害者の自助グループに参加し、「サンチョンはまだ生きている。自分がお金を取り戻す手助けをする」と語っていたとか…。え、死んだはずのサンチョンが生きてるって!?ここで一気にミステリーが深まります。

そこへ、自称弁護士のチョン・ナヨンが現れ、ビョンジュンとの接見を要求。ドハンは彼女が弁護士でないことを見抜きつつも、何かを探るために接見を許可します。

ドハンは、ビョンジュンがわざと逮捕されたのではないかと疑い始めます。昼間なのにカメラのフラッシュを焚いたり、バイクのブレーキを握っていたり…不自然な点が多すぎる。一方、ナヨンはビョンジュンに「黒幕は殺人まで犯した。正直に話すべきだ」と説得しますが、ビョンジュンは「計画通りに進んでいる。最後の望みがある」と拒否。一体、何の計画なんでしょうか!?

ドハンは、ビョンジュンを連れて犯行現場で再現検証を行います。そこでビョンジュンは衝撃の事実を口にします。なんと、ドハンの上司であるカン・ジョンフン副本部長が、かつてサンチョン事件の担当刑事であり、彼もまたサンチョンの死を信じていないと言うのです!

過去の因縁:サンチョン逃亡劇の真相

ここで場面は2011年の回想シーンへ。サンチョンと側近たちが国外逃亡を準備しています。その中には、殺されたヨンジンも。しかし、サンチョンはヨンジンが裏切って新しい逃亡場所を誰かにメールしようとしていることに気づき、激怒。ヨンジンを殴りつけ、部下に命じて埠頭から突き落とさせます。ヨンジンは足を折られますが、一命は取り留めた様子。しかし、港に船は現れませんでした。

逃亡を続けるサンチョンたちの車を、若き日のカン・ジョンフン刑事が追い詰めます。しかし、謎の車が現れ、ジョンフンの元に謎の電話が…。ジョンフンは部下に「誤報だった。車に乗っているのはサンチョンではない」と告げ、彼らを行かせてしまいます。しかし、刑事たちは尾行を続けます。すると、先ほどの謎の車が刑事たちの車に接近し、体当たりして停車させます。しかし、その車に乗っていたのもサンチョンではありませんでした。サンチョンは既に別の車に乗り換え、謎の車に導かれて新たな場所へ逃亡していたのです。この逃亡劇、裏で糸を引いている黒幕がいるとしか思えませんね!

再び現在へ:深まる謎と新たな殺人

現在に戻り、ナヨンは被害者たちに、ビョンジュンが容疑者として拘留されることを報告します。ドハンはジョンフン副本部長に、サンチョンの死亡事件を再捜査する意向を伝えますが、ジョンフンは「深入りするな。今回の殺人事件だけを解決しろ」と釘を刺します。ドハンは「何か隠蔽することがあるなら、前もって教えてください」と意味深な言葉を返します。この二人の間にも何かありそうですね…。

そして、衝撃のラストシーン。鑑識の結果、なんと現場からノ・サンチョンの指紋が98.7%一致で発見されたという報告が!さらに、別の男から「サンチョンに殺される!」という緊急通報が入り、新たな殺人事件が発生したことを示唆して第1話は幕を閉じます。駐車場で呆然とするドハンを残して走り去るジョンフン副本部長の車…。いやー、これは続きが気になりすぎる!!

『餌【ミッキ】』第1話、見応えがありましたね。冒頭の華やかな成功譚から一転、巨額詐欺事件の衝撃的な結末、そして8年後に発生する連続殺人という導入は、視聴者の心を掴むのに十分な力強さでした。死んだはずの詐欺師ノ・サンチョンの名前が再び浮上し、過去の事件と現在の事件が複雑に絡み合っていく様は、非常に興味をそそられます。

主人公ク・ドハンの冷静沈着な推理と、元弁護士という異色の経歴も魅力的です。彼がどのようにしてこの難事件の真相に迫っていくのか、目が離せません。また、怪しげな動きを見せるイ・ビョンジュンや、謎の多いチョン・ナヨン、そして何かを隠していそうな上司カン・ジョンフンなど、脇を固めるキャラクターたちの動向も気になるところです。

ラストでノ・サンチョンの指紋が発見され、新たな殺人が示唆される展開は、今後の物語への期待を大きく膨らませてくれました。重厚な雰囲気と先の読めないミステリーが巧みに織り交ぜられており、じっくりと腰を据えて謎解きを楽しみたい作品だと感じました。

つづく