いやー、始まりましたね、新ドラマ『私たちの映画』!タイトルからしてもう、エモい香りがプンプンしてましたが、第1話、見ましたか!?これは…とんでもない名作の予感がしますよ…。映画のように美しく、でも現実はあまりにも残酷で。そんな対極にある二人の男女の物語が、静かに、でも確かに幕を開けました。

さっそく、胸が締め付けられっぱなしだった第1話のあらすじと感想を、ネタバレありで語っていきたいと思います!

■ スランプ中の天才監督と、謎のハンディカム少女

物語の主人公は、ジェハ。デビュー作が大ヒットしたものの、尊敬する映画監督だった父の死をきっかけに、5年もの間スランプに陥っている気難しい監督さんです。

もうね、このジェハがとにかく偏屈(笑)。周りからの評価は高いのに、本人は「俺はまだ何も成し遂げてない」って感じで、常に不機嫌オーラをまとってるんです。

そんな彼に、プロデューサーのスンウォンがしつこく持ちかけてくるのが、亡き父の代表作『白の中の愛』のリメイク。ジェハにしてみれば、家庭を顧みず、母が病で亡くなった瞬間に別の女優と映画を撮っていた父なんて、憎むべき対象でしかない。その代表作のリメイクなんて、冗談じゃない!ってわけです。

一方、もう一人の主人公が、太陽みたいに明るい女の子、イ・ダウン。彼女はいつもハンディカムを片手に、病院の周りで「美しいもの」を撮影して回っています。誰にでも人懐っこく話しかける、天真爛漫なキャラクター。でも、その明るさの裏には、何か秘密がありそうな雰囲気が漂うんですよね…。

この対照的な二人が、運命に導かれるように、何度も偶然の出会いを繰り返すんです。

■ 3度の偶然は、運命のサイン?

最初の出会いは、ジェハが業界のパーティーで嫌味な監督と一悶着起こした後。イライラしながら夜道を歩いていると、ダウンとぶつかりそうに。お詫びにと、彼女が差し出したのは一本のぶどうジュース。これが、なんとも言えない不思議な出会いの始まりでした。

2度目は、あの因縁の映画『白の中の愛』の上映会。父を憎みながらも、なぜか映画館に足を運んでしまうジェハ。彼の隣の席で、ボロボロと涙を流していたのが、ダウンでした。同じ映画を見て、一人は憎しみを、一人は感動を。この対比が、二人の置かれた状況の違いを物語っていて、もう切ない…。

そして3度目の出会いは、なんと葬儀場

末期患者のコンサルタントを探していたジェハは、主治医に紹介されて、ある患者さんのお葬式に足を運びます。そこで、亡くなった方のために号泣しているダウンと再会するんです。

「これで会うの、3回目ですね」

そう言って微笑むダウンに、ジェハは少し気味悪さを感じながらも、ティッシュを差し出します。

■ 第1話ラスト、衝撃の告白

そして、物語が大きく動き出すラストシーン。

ジェハが待っていたコンサルタントが、なかなか現れない。しびれを切らした彼に、主治医が紹介したのは…そう、目の前で涙を流していたダウンその人でした。

彼女は、涙の跡が残る顔で、まっすぐにジェハを見つめてこう言います。

「はじめまして。末期患者で、あなたの新しいコンサルタント、イ・ダウンです」

…えええええええ!?!?

マジか!あの天真爛漫な笑顔の裏に、そんな重い現実を隠していたなんて…。彼女がいつもハンディカムで「美しいもの」を撮っていたのは、「もう二度と見られなくなるかもしれないから」。彼女がタイマーをかけて食事をしていたのは、生きるためのルールだったのかもしれない。

父を憎み、その父が撮った「末期患者のラブストーリー」を偽物だと断じるジェハ。

そして、まさにその「末期患者」として日々を懸命に生きるダウン。

最低で、最高に運命的な出会いを果たしてしまった二人。

ジェハは、母が遺したオリジナルの脚本のため、父を超えるために、この映画を完成させることができるのか。そして、ダウンとの出会いは、彼の心を、映画を、どう変えていくのか…。

『私たちの映画』第1話の感想

静かで、しかし心を深く揺さぶる幕開けでした。成功の影で父への憎しみを抱え、時が止まったままの監督ジェハ。対照的に、日常の小さな輝きを懸命に集めるかのようなダウン。そんな二人が偶然を重ねる様子は、運命の残酷さと美しさを感じさせます。特にラストシーン、ダウンが自らの秘密を明かす場面には言葉を失いました。彼女のあの明るさが、実は計り知れない覚悟の裏返しだったと知った瞬間、物語の持つ意味が一変します。この重い真実を二人がどう受け止め、進んでいくのか。その過程を丁寧に見届けたいと思わせる、濃密な初回でした。

つづく