学校って、まさに社会の縮図だよね。制服は同じでも、そこにはハッキリとしたカーストが存在する。人気者グループ、はみ出し者、そして変わり者…。主人公のノ・セフンは、成績はトップクラスだけど、特にどのグループにも属さず、目立たないように静かに過ごしたいと願う高校生。
でも、彼の平穏な日常は、ある最悪な事件をきっかけに崩れ去るんだ。
まさかのアクシデントで「勃起くん」に…
ある朝、急いで父親のトランクスを借りて登校したセフン。これが悲劇の始まりだった。授業中、不運にもズボンがずり落ちてしまい、その姿をクラスメートに見られてしまう。弁解のチャンスもなく、彼は一瞬にして「勃起くん」という、あまりにも不名誉なあだ名をつけられてしまったんだ。
この一件で、セフンの評判は地に落ち、いじめっ子たちの格好の餌食に。親友のパク・ジフンは面白がってからかってくるし、まさに針のむしろ状態。もう学校生活は終わりだ…と落ち込むセフンに、一筋の光が差し込む。
君はダイヤの原石だ!人気者からのスカウト
声をかけてきたのは、合唱部の部長で、現生徒会副会長でもある人気者のヤン・ウォンデ。彼は、いじめられているセフンを気遣うどころか、「君には隠れた才能がある」と、とんでもない提案を持ちかけてくる。
「俺と組んで生徒会選挙に出ないか? 俺が会長で、君が副会長だ」
ウォンデは、セフンが小学校時代に生徒会長だったことや、真面目な性格を高く評価していると言う。「才能は錐(きり)のように、隠していてもいつか突き抜けて輝くものだ」なんて殺し文句まで飛び出して、すっかり心を掴まれたセフン。自分の価値を認めてくれたウォンデに感激し、副会長に立候補することを決意する。失った評判を取り戻し、憧れのハ・ユギョンにもアピールできるかもしれない!セフンの心は希望でいっぱいになった。
裏で渦巻く思惑と、残酷な真実
選挙に出馬するという噂はあっという間に広まり、セフンの周りにはこれまで接点のなかった生徒たちも集まり始める。特に、学校一の人気者でオシャレなクァク・サンヒョンは、やたらと親しげに接してきて、セフンを「弟分」と呼ぶように。
そんな中、セフンの母親が「父母会の会長の息子であるサンヒョンと組んだ方が有利なのでは?」と口出ししてくる。しかし、ウォンデへの恩義を感じるセフンは、その言葉を突っぱねる。
ところが、選挙の登録を翌日に控えた日、セフンは選挙管理委員会の先生から衝撃の事実を聞かされるんだ。
ウォンデは、セフンを最初からパートナーとして選んだわけではなかった。彼はただ、規定の成績を満たすために、成績上位者リストの上から順に声をかけ、11人もの生徒に断られた末に、12番目だったセフンに声をかけただけだったのだ。
「君が必要だ」という言葉も、「才能は錐のようだ」という言葉も、すべてはセフンを口説き落とすための嘘だった。自分はウォンデにとって、ただの「12番目の選択肢」に過ぎなかった…。
ウォンデからの着信を無視し、裏切られた怒りと悔しさに震えるセフン。しかし彼は、ウォンデが言った「才能は輝く」という言葉を思い出し、静かに決意を固める。
「ありがとう。俺が12番目の選択肢じゃなくて、本当に輝ける存在だってことに気づかせてくれて」
セフンは、自分を本当に必要としてくれる場所で輝くことを誓う。彼の逆襲が、ここから始まる!
『ランニングメイト』第1話の感想
高校の生徒会選挙という身近なテーマを扱いながら、大人の政治の世界さながらの権力争いや人間関係の裏側を巧みに描いている点が非常に興味深かった。主人公セフンが不名誉なあだ名をつけられながらも、自身の価値を見出そうともがく姿には、思わず感情移入してしまう。登場人物それぞれが持つ表と裏の顔が少しずつ明かされていき、誰を信じ、誰を疑うべきか、視聴者もセフンと一緒に考えさせられる構成が見事だ。甘酸っぱい青春ドラマかと思いきや、ヒリヒリするような心理戦が繰り広げられており、物語の深みを感じさせた。
つづく