ついに、すべての罪が白日の下に晒される時が来ました。長年、ミン家を影で操ってきたキム室長の悪事が暴かれ、物語は衝撃の展開を迎えます。今回は、信頼が裏切りに変わり、憎しみが屈辱へと変わる、息をのむような第44話の全貌をお届けします。
第44話:暴かれた真実と絶望の淵
家に帰ってきたミン会長の隣には、なんとあのチョ・ピルドゥの姿が。それを見たナ・ヘグム会長は激怒し、すぐに追い出すようキム室長に命じます。しかし、ピルドゥはその場でひざまずき、衝撃の事実を告白しました。スアを誘拐するよう指示したのは、他の誰でもない、ナ会長が最も信頼していたキム室長だったと。
信じられないナ会長でしたが、そこへ衰弱したパク・ヘランが現れ、キム室長が自分に20年間も幻覚剤を飲ませていたこと、そして今日も睡眠薬を無理やり飲ませようとしたことを涙ながらに暴露します。追い詰められたキム室長は、ついに本性を現し、すべてがバレたと悟ると家を飛び出していきました。
ちょうどその時、家の前にいたチェリンとウニョクは、逃げ出すキム室長に遭遇。チェリンは「罪を償って」と必死に捕まえますが、キム室長は「私の血筋に会社を継がせるんだ!」と狂気じみた言葉を吐き捨て、チェリンを振り払って逃走してしまいます。育ての親の変わり果てた姿に、チェリンはただ呆然と立ち尽くすしかありませんでした。
一方、ミン家ではナ会長が長年の信頼を裏切られたショックで我を失っていました。そんな中、スアが会社でとんでもない契約を結んでいたことが発覚。ナ会長が自分を責める言葉を偶然聞いてしまったスアは、自暴自棄になり、なんと自分の持ち株すべてを敵であるムン・ジェサンに譲渡するという暴挙に出てしまいます。
会社の危機、そして信頼していた人物の裏切り。すべてを失いかけたナ会長は、占い師の元へ駆け込みますが、「すべてはお前のせいだ。チェリンにひざまずいて許しを請え」と一喝されてしまいます。
そして、ついにその時が。会社を救うため、ナ会長はチェリンの家を訪れます。最初は「お前の母親の罪を償え」と高圧的な態度でしたが、チェリンに冷たく突き放されると、ムン・テサン会長と交わした「チェリンに土下座すれば会社を救う」という取引を思い出し…。
あれほど見下し、憎んでいたチェリンの前で、ナ会長はプライドを捨て、震える足でゆっくりとひざまずき、「会社を…助けてくれ」と懇願するのでした。その姿を見て、チェリンの心は大きく揺れ動きます。
『かくれんぼ』第44話の感想
今回のエピソードは、登場人物たちの感情が複雑に絡み合い、非常に見ごたえのある回でした。特に印象的だったのは、絶対的な権力者であったナ・ヘグム会長が、プライドを完全に打ち砕かれる場面です。長年信じてきた腹心に裏切られ、実の孫娘の無邪気な復讐によって会社を窮地に追いやられ、最終的には最も憎んでいたはずのチェリンに土下座をする。この一連の流れは、彼女がこれまで犯してきた罪の重さと、その代償の大きさを物語っているようでした。一方で、育ての親であるキム室長の罪を知り、その狂気に触れたチェリンの心の痛みも痛いほど伝わってきます。彼女がナ会長の土下座を前に何を思うのか、その選択が物語の行方を大きく左右することは間違いありません。登場人物それぞれの業が深く刻まれた、濃密な時間でした。
つづく