第46話は、これまで隠されてきた真実が次々と明かされ、登場人物たちの感情が激しくぶつかり合う、息もつかせぬ展開となりました。

衝撃の告白、母と娘の涙

物語は、家を飛び出したミン・スアが漢江の橋の上で、偶然にもキム室長と出会うところから始まります。どこか思い詰めた様子のキム室長は、スアを車に乗せると「一緒に死のうか」と衝撃的な言葉を口にし、車を暴走させます。なんとか車を止めさせたスアに対し、キム室長はついに、これまで胸の内に秘めてきたすべてを告白するのでした。

それは、自分とミン・チェリンが、ナ・ヘグムによって「厄災を避けるための身代わり」として養子にされたという事実。さらに、チェリンがテサングループに売られ、精神病院に送られたことなど、ヘグムの恐ろしい悪行の数々を暴露します。そして、キム室長は自分がチェリンの実の母親であることも、スアにほのめかすのです。

事の重大さに気づいたスアは、すぐにチェリンへ連絡。母が自ら命を絶とうとしていると知ったチェリンは、必死の捜索の末、川へ入っていくキム室長を発見します。ずぶ濡れになりながらも母を岸へ引き上げたチェリンは、「なぜ私をこんなに苦しめるの!」「復讐したいなら生きなさい!」と涙ながらに絶叫。自分は母を認めない、けれど運命に打ち勝って幸せに生きてみせると強く宣言するのでした。その場に泣き崩れるキム室長と、静かに見守るチャ・ウニョク。母と娘の魂のぶつかり合いは、あまりにも切なく、痛々しいものでした。

巧妙な罠、証拠をめぐる攻防

一方、会社ではムン・ジェサンが太平洋化粧品の買収と、テサングループの次期会長の座を確実なものにしようと画策を進めていました。チェリンとウニョクは、ジェサンの元妻が残したテサンの不正の決定的証拠を探し続けます。

ウニョクは、わざとジェサン側に「証拠は自分の家にある」という偽の情報を流し、ジェサンが家を捜索している隙に、チェリンがムン会長の家に忍び込むという作戦を実行します。チェリンは家政婦から、元妻が持っていたという録音機能付きのペンを手に入れますが、中には何も入っていませんでした。

しかし、チェリンは諦めません。元妻が会長と口論していたという話から、本当の証拠は会長が瞑想用に聞いているカセットテープの中に隠されていると確信します。

その時、チェリンの元にジェサンから電話が。これは明らかに罠だと予感しつつも、チェリンは証拠を手に入れるため、再びムン家へと向かいます。ジェサンは、わざとチェリンを一人にして秘密の書斎へ入る隙を与えます。チェリンは無数のカセットテープの中から「因果応報」と書かれたテープを発見!しかし、その瞬間、背後で鉄の扉が「ガチャン!」と音を立てて閉まり、そこには冷酷な笑みを浮かべるジェサンの姿が…。チェリンは、完全に罠にはまり、密室に閉じ込められてしまったのでした。

『かくれんぼ』第46話の感想

今回のエピソードは、登場人物たちの深い悲しみと複雑な感情が丁寧に描かれており、非常に見ごたえがありました。特に、キム室長がスアに真実を告白するシーンは圧巻でした。長年抱えてきた罪悪感とヘグムへの憎しみが爆発し、自暴自棄になる彼女の姿は痛々しく、同情を禁じ得ません。そして、そんな母を救い出し、憎しみと愛情の狭間で苦しみながらも「自分の力で運命を乗り越える」と宣言するチェリンの強さには胸を打たれました。母娘の絆が、最も歪んだ形で試される展開は、物語に一層の深みを与えています。後半のジェサンとの頭脳戦も、サスペンス要素を高めており、善と悪、愛情と憎悪が絡み合う人間ドラマの巧みさを改めて感じさせられる回でした。

つづく