ソウルの法曹タウン、瑞草洞(ソチョドン)。きらびやかなイメージとは裏腹に、弁護士たちのリアルで人間臭い物語が今、幕を開けます。

弁護士になって9年目、すっかり仕事に擦れてしまったアン・ジュヒョン。彼にとって弁護士は、正義の味方でも弱者の盾でもなく、ただの「職業」。嘘とごまかしにまみれた依頼人たちにうんざりし、「依頼人の友達になる必要はない」と割り切る毎日を送っています。

そんなジュヒョンの息抜きの時間は、同じビルで働く弁護士仲間、ハ・サンギ、チョ・チャンウォン、ペ・ムンジョン、そしてユ・ドンウクとのランチタイム。仕事の愚痴や給料の話で盛り上がる彼らの姿は、どこにでもいる普通の会社員のようです。

ある日、ジュヒョンの元に新しい依頼人が訪れます。彼の名はパク・ギョンホン。視覚に障がいを持つ会計士です。彼はかつて、クライアントだったキム・スングクから暴行で訴えられ、面倒を避けるために罪を認めてしまいました。しかし、彼は「真実のために戦いたい」とジュヒョンに訴えます。

ジュヒョンは、ギョンホンの言葉を100%は信じません。本当に目が見えないのか確かめるために彼のオフィスを訪れ、証拠となる音声データを入念にチェックします。すると、その録音データは、ギョンホンが暴行したかのように聞こえるよう、スングクによって巧みに編集されたものだと判明。さらにスングクは、自分で自分を殴ってアザまで作っていたのです。

調査を進めるうち、ジュヒョンはギョンホンとスングクがかつて同じ住所に住んでいたことを突き止めます。問いただされたギョンホンは、ついに重い口を開きました。二人は恋人同士だったのです。ギョンホンが最初に罪を認めたのは、スングクが同性愛者であることを世間に知られないようにするためでした。しかし、このままでは会計士の資格を失ってしまう。彼は自分の未来のために、真実を明らかにする決意をしたのでした。

法廷でジュヒョンは、二人の関係を「ルームメイトだった」と表現し、スングクのプライバシーを守りながら見事に弁護をやり遂げます。事件後、ギョンホンは「信じてくれてありがとう」と感謝しますが、ジュヒョンは「信じてはいない。ただ、最も説得力のある事実を提示しただけだ」とクールに言い放ちます。彼のプロフェッショナルな一面が垣間見える瞬間でした。

一方、物語は新たな局面へ。ジュヒョンたちの友人ドンウクが会社を辞め、その後釜として若手弁護士のカン・ヒジが入所してきます。彼女はドンウクの引継ぎファイルからジュヒョンたちの連絡先を見つけ、彼の写真を見て何かを思い出すような表情を浮かべます。

そして物語のラスト、ジュヒョンたちがいつもの店で飲んでいると、そこにヒジが現れます。彼女の姿を認めたジュヒョンの顔にも、驚きの色が浮かんでいました。二人の間には、一体どんな過去があるのでしょうか?

さらに、法律事務所のCEOたちが集まる部屋に謎の女性が現れるなど、不穏な動きも。ただの日常系リーガルドラマでは終わらない、複雑な人間模様とサスペンスの香りを漂わせて第1話は幕を閉じます。

『瑞草洞<ソチョドン>』第1話の感想

リアルな弁護士の日常と、一筋縄ではいかない事件の組み合わせが非常に巧みで、初回から物語にぐっと引き込まれました。主人公アン・ジュヒョンの、仕事に疲れきったシニカルな態度と、その裏にある鋭い洞察力やプロ意識のギャップが魅力的です。彼と仲間たちがランチを囲むシーンは、殺伐としがちな法廷ドラマの中で心地よい息抜きになっており、キャラクターたちの人間味を感じさせてくれます。今回扱われた事件も、単なる暴行事件ではなく、当事者たちの複雑な背景が絡み合っており、考えさせられる内容でした。新キャラクター、カン・ヒジの登場で人間関係の謎も深まり、今後の展開から目が離せそうにありません。

つづく