どうも! いつものように最新韓国ドラマのレビューをお届けします。今回取り上げるのは、かなり斬新でヤバい設定のドラマ『Sライン』です。
「もし、過去に性的関係を持った相手との間に、赤い線が見えるようになったら?」
そんな悪夢のような世界を描いたこのドラマ、第1話から強烈なインパクトを残してくれました。さっそく、あらすじとネタバレから見ていきましょう!
第1話「赤い糸、あるいは呪いの線」あらすじ・ネタバレ
物語は、Sラインと呼ばれる赤い線の説明から始まります。これは、さまざまな関係を持つ人同士の頭と頭を結ぶ、目に見える線。ある日突然、世界中の人々に見えるようになったのです。
主人公のヒョンフプは、窓を段ボールで覆った薄暗い部屋で暮らす引きこもりの女性。彼女は生まれつき、このSラインが見えるという特殊な能力を持っていました。物心ついた頃から他人には見えない「線」を描いては、母親を狂わせ、その狂気は父親の死にまで繋がってしまったという壮絶な過去を背負っています。以来、彼女は他人と関わることを避け、サングラスで視界を遮り、息を潜めるように生きてきました。
一方、もう一人の主人公は、敏腕刑事のハン。彼はめいのソナの面倒を見ていますが、学校でいじめに遭う彼女の悩みには気づけていません。それどころか、自身は婚約を控えた同僚と不倫関係にあり、彼の頭からも複数のSラインが伸びています。
そんな中、ヒョンフプの住むアパートの近所で殺人事件が発生。ニュースを見ていた彼女は、ある男に目を奪われます。その男には、この世界では極めて珍しい「1本」の線しかありませんでした。
後日、ヒョンフプは向かいの部屋に引っ越してきた新しい隣人に、例の「線が1本の男」が親しげに迎え入れられるのを目撃します。そして、彼女の目の前で、隣人とその男の間に新たなSラインが生まれる瞬間を見てしまうのです。
その頃、刑事のハンは、姪ソナの顔や腕にある痣に気づき、いじめを確信しますが、ソナは固く口を閉ざします。
ある夜、ヒョンフプが窓の外を見ていると、あの「線が1本の男」チョンミンが、彼女の隣人を襲っているではありませんか。恐怖に震えながらも、彼女はナイフを手に取り、生まれて初めて自らの意思で外の世界へ飛び出します。
しかし、チョンミンは強く、ヒョンフプはあっさりとナイフを奪われ、腹部を刺されてしまいます。絶体絶命のその時、向かいの部屋の異変に気づいたハンが駆けつけ、チョンミンを射殺。
息絶える間際、チョンミンは「線が消えていく…」と呟きます。ヒョンフプは、彼がかけていたメガネに、自分と同じようにSラインを見る能力があったのではないかと推測するのでした。
事件後、病院で目を覚ましたヒョンフプの元に、一件の奇妙なメッセージが届きます。
「あなたが見ているものが、私にも見える」
このメッセージは誰からなのか? そして、チョンミンは一体何者だったのか? 引きこもりだった彼女が、否応なく世界の謎の中心へと引きずり込まれていくところで、第1話は幕を閉じます。
『Sライン』第1話の感想
「性的関係の可視化」という、非常に挑戦的でセンセーショナルな設定にまず心を掴まれました。この赤い線は、単なるゴシップのタネに留まらず、個人の秘密や嘘、社会の欺瞞を白日の下に晒す残酷な装置として機能しています。生まれつきそれが見えることで心を閉ざした主人公の苦悩は察するに余りあります。サスペンスとしての緊張感もさることながら、登場人物たちが抱える孤独や人間関係の歪みが丁寧に描かれており、深みのある人間ドラマとしての側面も感じさせました。特殊な能力を持つ犯人の登場や、ラストに届いた謎のメッセージなど、物語の核心に迫る伏線が巧みに配置されており、今後の展開から目が離せません。
つづく