物語は土砂降りの雨の日、静かなカフェから始まります。

アルバイトとして働くパク・ユンジェの前に、スーツケースを持ったフードの男が一人。その男がフードを取ると、なんとユンジェの彼女、キム・ジウンだと名乗るのです!

「え、どういうこと?」ってなりますよね。時間は少し巻き戻ります。

天文学を専攻するユンジェと、恋人のジウンは、誰もがうらやむラブラブカップル。完璧主義者のユンジェは、ジウンとの順天への星空観測旅行のために、分刻みの完璧なスケジュールを組んでいました。夜9時には就寝、という徹底ぶりです。

一方のジウンも、タロット占い好きの姉ジヘや、友人のユリに旅行のことをからかわれながらも、幸せいっぱい。友人から「お守りよ」とコンドームを渡されたりしながら、心待ちにしていた旅行当日を迎えます。

ところが、ここで事件が発生!

旅行の朝、目を覚ましたジウンは、なんとたくましい腕と低い声を持つ、完璧なイケメンの姿に変わっていたのです!

鏡を見て絶叫、トイレで自分の変わり果てた(?)姿にさらにパニック!そこへ入ってきた姉のジヘは、見知らぬイケメンに一瞬ときめくも、妹と同じ場所にある遺伝性のタトゥーを見て、目の前のイケメンが妹のジウンだと気づき、二人で大混乱に陥ります。

当然、旅行どころではなくなったジウンは、心配して連絡してくるユンジェを無視し、部屋に引きこもってしまいます。食べ物や花を差し入れ、必死にコンタクトを取ろうとするユンジェですが、ジウンはただただベッドで現実から目を背けるばかり。

しかし、意を決したジウンは、男の姿のままユンジェの働くカフェへ向かいます。これが冒頭のシーンに繋がるわけですね。

当然、ユンジェは信じません。「僕の彼女に何をしたんだ!」と掴みかかり、思わず顔を殴ってしまうほど。二人の思い出を並べ立てても、ユンジェの疑いは晴れません。

信じさせる決め手となったのは、ジヘが証言した「遺伝性のタトゥー」。なんでも、彼女たちの母親も同じような経験をしたことがあるとか…(本当かどうかは怪しいですが)。

ようやく状況を理解した(せざるを得なくなった)ユンジェ。別れを切り出されるのではないかと不安になるジウン。二人の脳裏には、お互いの出会いから、星空の下での不器用なファーストキスまで、奇跡のようだった日々の思い出がよぎります。

戸惑いながらも、ユンジェはジウンを助けることを決意。生えてもいない髭の剃り方を教えるシーンでは、奇妙ながらも二人の間に流れる優しい空気に、今後の新しい関係性を予感させます。

そしてラスト、二人は「チートキーを使おう」と、ユンジェがジウンに顔を近づけたところで、第1話は幕を閉じます。

ちなみにエピローグでは、ユンジェが家の前で「別れないで」と泣きつかれた時点で、目の前の男が本物のジウンだと気づいていたことが明かされました。彼の愛、深すぎます…!

『僕の彼女がイケメンになりました』第1話の感想

「朝起きたら恋人がイケメンになっていた」という、漫画でもなかなかお目にかかれない突飛な設定に、まず心を掴まれました。ジウンが自分の体にパニックになる様子や、姉のコミカルな反応など、笑えるシーンが満載でテンポよく物語が進んでいきます。しかし、ただのコメディで終わらないのがこのドラマの魅力でしょう。完璧主義者で少し不器用なユンジェが、愛する彼女に起きた非現実的な出来事を、最終的には受け入れようと葛藤する姿には、彼の深い愛情が感じられました。設定は奇抜ですが、描かれているのは「姿形が変わっても、その人を愛し続けられるか」という普遍的なテーマ。笑いの中に、ふと真剣な愛の形が垣間見える、そのバランス感覚が絶妙でした。二人がこの困難をどう乗り越えていくのか、目が離せません。

つづく