第1話「エリートの洗礼」あらすじ・ネタバレ
第1話の幕開けは、国内トップクラスの法律事務所「ユルリム」。経営パートナーのコ・スンチョルを筆頭に、金融法のソ・ヨンス、独占禁止法のチョン・ジウン、会社法のホン・ドユン、そして訴訟部門を率いるユン・ソクフンといった、まさに事務所の柱となるスター弁護士たちが顔を揃えます。
このエリート集団に、新たな風を吹き込むべく新人弁護士の採用面接が行われるのですが、ここで早速やらかしてくれるのが、我らが主人公カン・ヒョミン。なんと、集団面接にまさかの遅刻!擦り切れた靴に、シャツにはシミ…。その姿を見たソクフンは「時間も守れない者に何ができる」と、彼女を問答無用で追い出してしまいます。
しかし、このヒョミン、ただ者ではありませんでした。実は、全国ロースクール模擬裁判で優勝したほどの逸材。さらに、父親は著名なカン・イルチャン裁判長、母親はソウル大学法学部のチェ・ウニ教授という、法曹界のサラブレッドだったのです。
なんとか面接に復帰したヒョミンは、その聡明さと、正義を信じつつも法と感情を切り離す冷静な分析力で面接官たちを唸らせ、見事、ユルリムへの切符を手にします。
翌日の新人研修。各部門のパートナーが甘い言葉で新人を歓迎する中、訴訟部門のソクフンだけは違いました。「ここで生き残れるのは半分だけだ」と、厳しい現実を突きつけます。他の新人が訴訟部門を避ける中、ヒョミンは臆することなく、その「いばらの道」へ自ら足を踏み入れます。もちろん、ソクフンは面白くない、という顔。
ヒョミンに与えられた最初の仕事は「カンドン都市ガス」の顧問案件。株主総会の資料に目を通していた彼女は、ある数字の違和感に気づきます。それは、管轄内の温浴施設「オンピョン温泉」のガス収益だけが、この7年で不自然に急落していることでした。
真相を突き止めるため、ヒョミンはなんと会社を無断欠勤し、現地調査へ。2日後、髪を濡らしたまま事務所に戻ってきた彼女に、ソクフンは激怒。「懲戒処分だ」と詰め寄ります。
しかし、ヒョミンは「現場で仕事をしていました」と堂々と反論。彼女は、24時間営業の温泉施設のガス使用量がごまかされ、長年にわたりガスが盗まれていた事実を突き止めていたのです。その量は、なんと2,486,839立方メートル!
完璧な証拠と共に、約38億ウォンもの損害賠償に繋がる大発見を報告したヒョミン。彼女の並外れた洞察力は、法廷でも火を噴き、見事な結果を叩き出します。
大手柄を立てたヒョミンですが、上司のソクフンは「結果が良くても無断欠勤の事実は変わらない」と冷たく言い放ちます。彼の信頼を勝ち取るには、まだまだ前途多難なようです。
『エスクワイア: 弁護士を夢見る弁護士たち』第1話の感想
新人弁護士の成長物語かと思いきや、第1話から非常に骨太なリーガルドラマの風格を感じさせました。主人公カン・ヒョミンのキャラクター造形が秀逸です。遅刻や服装のだらしなさといった欠点を持ちながら、一度事件に向き合えば天才的なひらめきと行動力を発揮するギャップが魅力的で、すぐに引き込まれました。特に、上司のソクフンに物怖じせず、自らの調査結果を突きつける場面は爽快でした。一方で、冷徹に見えるソクフンも、ただ厳しいだけでなく、彼の内に秘められた正義や信念が今後の展開でどう描かれていくのか、非常に興味深いです。対立から始まる二人の関係性が、このドラマの大きな推進力になっていくのだろうと感じさせます。派手な法廷バトルだけでなく、地道な調査の重要性や組織内の人間関係が丁寧に描かれており、見ごたえのある初回でした。
つづく