第2話は、ホソン不妊治療クリニックで一人の男性が「俺のものを返せ!」と大暴れする衝撃的なシーンから幕を開けます。彼の名はパク・ギボム。高価な医療機器を破壊し、警備員につまみ出される彼の姿は、防犯カメラ映像としてユルリム法律事務所に持ち込まれました。

機器の損害額は6億ウォン以上。事務所のエース弁護士ソクフンが事件を担当することになりますが、これには裏がありました。ホソンクリニックは、かつてユルリムの企業法務チームの顧客でしたが、汚い手を使ってユルリムから病院関連のクライアントをすべて奪っていった因縁の相手。事務所の上層部も、この事件には特別な関心を寄せています。

ソクフンと共に、弁護士のヒョミンとグクヒョンもこの案件に関わることに。一方で、事務所内には「給料泥棒」と揶揄されるナ・ドンスという厄介な存在がいました。彼はホン弁護士の息子という立場を笠に着てやりたい放題。チームの士気を下げる彼の存在も、今後の火種になりそうな予感です。

さて、場面は変わってヒョミンのプライベート。恋人のソンチャンとのランチ中、彼から突然プロポーズされます。しかし、ヒョミンの表情は晴れません。彼女は、ずっと隠してきた秘密を打ち明ける決意をしました。それは、遺伝性の聴覚障害を持つ双子の姉、ヒョジュの存在でした。「完璧な家族」の体面を保つため、姉は叔母の元へ預けられたというのです。

この告白は、「完璧な遺伝子」を求めていたソンチャンにとって衝撃的すぎました。彼はヒョミンが浮気を告白したかのような態度で、「その情報を処理する時間が必要だ」と彼女を突き放します。見た目やステータスが全てだった彼にとって、彼女の告白は受け入れがたいものだったのです。

その頃、ソクフンは依頼人ギボムのもとを訪れていました。ギボムは、どうせ高額な相談料を取られるだけで解決などしないと、すっかり諦めモード。ソクフンも「この裁判で勝つのは難しい」と正直に伝えますが、それでも彼を助け、腐敗したホソンクリニックに一矢報いたいと決意を固めます。

ギボムがクリニックに預けていたのは、彼の精子でした。実は彼は精巣がんの手術で不妊になっており、体外受精のために保存していた精子が、彼の唯一の希望だったのです。しかし、クリニックの怠慢でその大切な精子は破壊されてしまいました。彼は自分の精子には少なくとも100億ウォンの価値があると主張し、補償を求めていたのです。

ユルリム法律事務所は、ホソンクリニックの代理人であるライバル事務所「イ&ソ」と対峙します。交渉は決裂し、ソクフンは法廷闘争を決断。ヒョミンは決定的な証拠もなく無謀だと心配しますが、ソクフンは「法廷弁護士なら、深く掘り下げて何かを見つけ出せる」と自信を崩しません。

法廷で、ソクフンは5億ウォンという破格の反訴額を提示し、ギボムの精子にそれだけの価値があることを証明するため、当事者尋問を要求します。そして、法廷に現れたのは、ギボムの妻イェリムでした。彼女の顔の半分は火傷で覆われており、法廷は息をのみます。

ギボムの証言から、夫婦の壮絶な過去が明らかになります。3年前、結婚を控えていた二人は交通事故に遭い、イェリムは顔に大火傷を負いました。世間の目に晒されることを恐れ、彼女は心を閉ざし、自殺まで図ったのです。しかし、ギボムは決して諦めませんでした。どんな時も彼女のそばに寄り添い、彼女が美しいと感じられるよう、あらゆる努力をしました。姪と触れ合うことで少しずつ元気を取り戻した妻の姿を見て、二人は子供を持つことが関係を救う唯一の道だと信じるようになったのです。それはギボムだけでなく、イェリムを救うための最後の希望でもありました。

世界最高レベルの精子保存技術を持つとされたホソンクリニックに全てを託したのに、その希望は彼らの怠慢によって打ち砕かれました。謝罪もなく、金を提示し、さらにはイェリムを「化け物」と罵ったスタッフ。ギボムがこの全てを涙ながらに語る中、相手側のイ&ソ法律事務所は、傍聴席にハンサン日報のファン記者がいることに気づきます。

形勢不利を悟った相手側は休廷を要求。これこそがユルリムの狙いでした。イェリムの出廷とギボムの心からの証言、そしてマスコミの存在という「決定的な証拠」で相手の評判を地に落とし、交渉の主導権を握ったのです。

イ&ソの代理人として現れたのは、なんとヒョミンの恋人ソンチャンでした。彼はヒョミンに冷たい視線を送りながらも、和解案を受け入れます。メディアに公表しないことを条件に、刑事・民事の告訴を無償で取り下げるだけでなく、ソクフンが要求した1億ウォンの損害賠償金の支払いにも同意せざるを得ませんでした。

事件は解決しましたが、ギボムとイェリムが失ったものはお金で埋められるのでしょうか。夫婦の未来に一筋の光が差したことを願うばかりです。

一方、事務所では例のナ・ドンスが我が物顔で闊歩し、ソクフンと火花を散らします。そして、ヒョミンはソンチャンが自分を捨ててお見合いをしている現場を目撃し、深く傷つきます。その夜、彼女はソクフンとお茶を飲みながら、愛と忠誠心について語り合いました。ソクフンからの「よくやった」という優しい言葉が、彼女の心に温かく響くのでした。

『梦想成为律师的律师们』第2話の感想

今回のエピソードは、「価値」とは何かを深く問いかける内容でした。依頼人ギボムの「精子の価値」と、ヒョミンが抱える「完璧ではない遺伝子の価値」。世間的な評価や見た目といった表面的な価値観を体現するソンチャンの言動は、見ていて胸が苦しくなるほどです。それとは対照的に、ソクフンやギボムが守ろうとしたのは、目には見えない愛や絆といった人間的な価値でした。この対比が非常に鮮やかで、物語に強いメッセージ性を与えています。特に、法廷で語られたギボムとイェリム夫婦の愛情の深さには心を打たれました。

つづく