いやあ、始まりましたね、新ドラマ『初、恋のために』!シングルマザーとしてたくましく生きる母と、その期待を一身に背負う医学生の娘。どこにでもありそうな親子関係かと思いきや、第1話からとんでもない爆弾が投下されました。これはもう、目が離せません!
物語は、娘ヒョリの脳腫瘍が発覚するという衝撃的なシーンから幕を開けます。このたった一つの出来事が、母娘の人生観を根底から覆してしまうのですが、一体そこに至るまでに何があったのでしょうか。時間は少し遡ります。
母のイ・ジアンは、男だらけの建設現場を仕切るやり手の現場監督。そのリーダーシップは仕事だけでなく、家庭でも遺憾なく発揮されます。特に一人娘のヒョリに対しては、少々(いや、かなり?)過干渉気味。
ある夜、ジアンは仕事仲間との飲み会で泥酔。迎えに来たヒョリの前でうちの娘は優秀な医学生で、将来は安泰なのよ!と自慢話を繰り広げ、ヒョリを困らせてしまいます。家に着くと、ヒョリの不満が爆発。お母さんみたいに自分の人生を無駄にしたくない!と、家出を宣言するのです。
実はヒョリ、すでに大学病院で評判を落としていました。手術室で失神した過去があり、キム教授からの蔑みにも耐えかねていたのです。ついに教授に啖呵を切って、病院を飛び出してしまいます。
一方、ジアンも崖っぷち。ヒョリの学費をファンチーフから借りる予定でしたが、突然断りの電話が。職場では資材の不足を自分の責任にされ、監査が入る間、停職処分を言い渡されてしまいます。まさに八方塞がり。
追い打ちをかけるように、大学に電話したジアンは、ヒョリが退学したことを知ります。そもそも医大進学はヒョリの望みではなく、すべてはジアンの期待に応えるためだったのです。電話口で娘に思いの丈をぶつけようとしますが、一方的に切られてしまい、ジアンは怒りと混乱でパニック状態に。
その頃、ヒョリは親友のスックと一緒にキャンピングカーで旅に出ていました。母親からの執拗な電話を無視し、しばしの解放感を味わう二人。しかし、旅の途中でキャンピングカーが故障し、チョンヘという風変わりな村で足止めを食らってしまいます。
インスタグラムの投稿を頼りに、親友のキム・ソニョンと共にヒョリを追いかけてきたジアン。村でついに二人は再会しますが、そこは感動の場面にはなりませんでした。
ヒョリは、自分一人の時間が必要だと訴えます。そして、この旅に出た本当の理由を、母に告げるのです。
私、脳腫瘍なの
この一言が、物語の冒頭シーンへと繋がります。娘の衝撃的な告白に、ジアンはすぐには現実を受け止められません。ただひたすら家事に没頭することで、どうにか平静を保とうとします。しかし、親友ソニョンの胸で、ついにこらえていた涙があふれ出すのでした。もしこの現実を受け入れたら、最悪の事態が本当に起きてしまいそうで怖かったと。
『初、恋のために』第1話の感想
母と娘、それぞれの正義と愛情が複雑に絡み合い、初回から胸が締め付けられるような展開でした。娘の将来のためと信じて疑わない母ジアンの姿は、多くの親が共感する部分かもしれません。しかし、その期待が娘をどれほど追い詰めていたのか。ヒョリが母親に反発し、自らの人生を取り戻そうともがく姿には、切実な痛みを感じました。物語の終盤で明かされた脳腫瘍という事実は、この親子のすれ違いをあまりにも残酷な形で浮き彫りにします。これから二人は、この過酷な運命にどう向き合っていくのでしょうか。単なる親子喧嘩では済まされない、重く、そして深いテーマを突きつけられた第1話でした。
つづく