勉強漬けの毎日でストレスMAXのヒョリ。バスの中で鼻血を出してしまうシーンから物語は始まります。前回、手術室で倒れたのは、血が苦手だからじゃなかったんですね。彼女は誰にも告げず、たった一人で病院へ向かいます。そこで告げられたのは原発性脳腫瘍という重い現実でした。すぐにでも手術が必要な状況に、ヒョリの心は恐怖と悲しみでどんどん蝕まれていきます。
一方、そんなこととは露知らず、娘の将来のために奔走する母ジアン。しかし、会社の備品紛失の濡れ衣を着せられ、なんと解雇されてしまうのです!納得できる退職金が出なければ法廷で!と啖呵を切る姿はさすがですが、娘の手術費用を考えると、あまりにも厳しい状況ですよね。
そんな中、舞台は清渓村へ。心を落ち着かせたいヒョリは、畑でユン・テオという青年に出会います。厚着で熱中症になった彼を、医学生の知識で介抱するヒョリ。少しだけ日常を取り戻したかのように見えましたが、そこに母ジアンがやってきます。
実はジアン、村へ向かうバスの中で、かつて一目惚れした相手ジョンソクと運命的な再会を果たしていました。急ブレーキでよろけたジアンをジョンソクが支える…なんて、まるで昔の恋が再燃しそうな展開!学生時代、ジアンが友達と歌って踊って、ジョンソクに猛アピールしていた甘酸っぱい過去も描かれましたね。
しかし、親子の再会は穏やかではありませんでした。一人になりたいって言ったでしょ!と母に反発するヒョリ。夕食の席で、ジアンが自慢げにシングルマザーとして頑張ってきたと語る姿に、ヒョリの怒りは頂点に達します。ジアンにとっては、世間の偏見から身を守るための鎧だったその言葉が、ヒョリにとっては訳アリの家の娘というレッテルを貼られる、苦痛の源だったのです。母が良かれと思ってしてきたことが、知らず知らずのうちに娘を深く傷つけていたなんて…あまりにも皮肉です。
さらに、ジアンが元同僚のファンチーフにお金を貸していたことが発覚。お人好しな母に腹を立てたヒョリは、お金を取り返しに行こうと母を車に乗せます。しかし、ファンチーフの家で彼が病気の母親を懸命に介護する姿を目の当たりにしたジアンは、何も言わずにその場を去るのでした。
後日、ファンチーフはジアンの優しさに報いるため、お金の代わりに一軒の家の権利書を渡します。それは、ヒョリがこの土地に残りたいと願っていた、まさにその場所にある家でした。車でその家を見に行ったジアンは、これが娘を救う希望の光になるかもしれないと感じるのでした。
『初、恋のために』第2話の感想
親が子を想う気持ちと、子が親を想う気持ち。どちらも本物なのに、ボタンを掛け違うようにすれ違っていく様子が、とてもリアルで胸に迫りました。ジアンが世間の風当たりから娘を守るために身につけたたくましいシングルマザーという鎧が、当の娘であるヒョリを苦しめる棘になっていたという構図は、本当に皮肉でなりません。良かれと思っての行動が裏目に出てしまうのは、現実の親子関係でもよくあることかもしれません。だからこそ、ヒョリが抱える孤独や、ジアンの不器用な愛情に深く感情移入してしまいました。ファンチーフが最後に渡した家の権利書が、この断絶しかけた親子関係を修復するきっかけになるのでしょうか。二人の未来に、わずかな光が見えたような気がします。
つづく