第3話は、これまで謎に包まれていたジアンの過去と、娘ヒョリとの関係が大きく動く、まさに神回でしたね。それでは早速、あらすじとネタバレから見ていきましょう!
物語は1998年、まだ幼いジアンの回想シーンから始まります。彼女の母親が、恋人とベトナムで事業を始めるという大きなチャンスを手にしたのです。母親はジアンにソウルで勉強を続けながら待っていてほしい、後で必ず迎えに来ると約束します。しかし、ジアンにとってそれは裏切りでしかありませんでした。母親なんていらないと強い言葉を吐き捨て、母の元を去ってしまうジアン。この過去の出来事が、現在の彼女の行動に深く影を落としているのがわかります。
現代に戻り、ジアンは娘ヒョリのために家をプレゼントするという計画を推し進めようと決意。そのために、建築スタジオで働くリュ・ジョンソクに協力を仰ぎます。彼の息子ボヒョンのためにも、まずは父親の胃袋を掴もうと、心のこもった手料理を振る舞うジアン。
村の住民たちは、何かと一緒に行動するジアンとジョンソクを見てはいい仲だとからかいます。ジョンソクは面倒なことには巻き込まれるなと自分に言い聞かせながらも、家の状態をチェック。そのあまりの荒れ果てっぷりに言葉を失いますが、頑固なまでに諦めないジアンの姿に、ついに協力を約束します。しかし、その瞬間も村人たちに目撃され、二人がついに“そういうこと”に合意したという盛大な勘違いが生まれてしまい、笑いを誘います。
一方、若者たちの間にも甘酸っぱい空気が流れます。ボヒョンはヒョリを農作業に誘い、少し良い雰囲気に。そこへユン・テオも合流し、みんなで海へ向かいます。ヒョリはサーフィンに挑戦しますが、ボヒョンの友人であるキム・ソヨンが慣れた様子でボヒョンと波に乗る姿を見て、対抗心を燃やします。何度も失敗しながらも、ヒョリはついにボードの上に立つことに成功。その瞬間は、彼女の強さと純粋さが光る美しいシーンでした。
その夜、ジョンソクの家で開かれた夕食会で、またもや誤解が。ジアンがジョンソクの顔についたまつ毛を取ってあげようとしたところ、彼は僕たちの間には何もない!と大声で宣言してしまい、気まずい空気が流れます。
そして、物語はクライマックスへ。トレーラーハウスに戻ったヒョリは、ジアンが仕事を辞めたと思い込み、ママと一緒にいるのは嫌いと辛辣な言葉をぶつけてしまいます。その言葉はジアンの胸に深く突き刺さりました。見かねたキム・ソニョンが、ジアンが職場で不当な扱いを受けて解雇されたという真実をヒョリに告げます。
翌朝、ヒョリは急性扁桃炎で倒れてしまい、病院に運ばれます。意識を取り戻したヒョリに対し、ジアンはついに自分の過去を打ち明けました。高校時代、母親が次々と恋人を作り、最後は自分を置いて去ってしまったこと。その日から心にぽっかり穴が空いてしまったこと。ヒョリには完璧な母親の物語だけを聞かせて、辛い真実を隠してきたことを涙ながらに告白します。
するとヒョリは、そんな風に完璧なふりをする母親を見るのが辛かった、自分も同じように振る舞わなければいけない気がして疲れた、と本音を漏らします。ついに仮面を脱いだジアンは怖い。ただあなたのそばにいたいだけなのと涙を流し、ヒョリも私も怖かったと応え、二人は固く抱きしめ合うのでした。
『初、恋のために』第3話の感想
これまで強気でどこか破天荒な印象だったジアン。彼女がなぜそこまでして娘との生活に執着するのか、その根源にある深い孤独と過去の傷が明かされた第3話は、非常に見ごたえがありました。母親に捨てられた経験から、完璧な母親を演じることでしか娘と繋がれなかったジアンの不器用な愛情表現には、胸が締め付けられる思いです。特に病院での告白シーンは圧巻でした。ジアンが初めて見せた弱さと、それを受け止めるヒョリの大人びた優しさが交錯し、二人の心がようやく一つになった瞬間は、本作屈指の名場面と言えるでしょう。母と娘が本当の意味で向き合い始めたことで、物語は新しいステージへと進んだように感じます。二人がこれからどんな関係を築いていくのか、目が離せません。
つづく