悪夢から始まる一日

主人公はソ・ムンジュ。彼女は自分が撃たれるっていう、なんとも後味の悪い夢から目を覚ます。彼女の夫はチャン・ジュニク。次期大統領の最有力候補と目される大物政治家だ。ムンジュ自身も元国連大使っていう、とんでもないキャリアの持ち主。でも今は夫を支えるために、そのキャリアを中断してる。

この夫婦、なんだかちょっと距離がある感じなんだ。ムンジュは毎朝のランニングを祈りの時間だと言って、一人になりたがる。でも夫のジュニクは心配性で、彼女に警護をつけようとして口論になる。このやり取りだけで、二人の間の微妙な緊張感が伝わってくるよな。

悲劇の始まり

ある日、ジュニクはムンジュに十字架のネックレスをプレゼントする。そして今夜、大事な話があるって言うんだ。これが、まさか最後の会話になるなんて、この時の二人は知る由もなかった。

二人は南北統一を願うミサに出席する。教会の外では統一に反対するデモ隊が騒いでいて、すでに不穏な空気が漂ってる。ジュニクは平和を訴えるためにスピーチをする。その、まさに最中だった。

教会での暗殺

一人の軍服姿の男が突然立ち上がった。男は裏切り者!と叫び、ジュニクに向けて発砲する。一瞬の出来事だった。ムンジュは悲鳴を上げて夫に駆け寄る。現場は大混乱に陥る。

その混乱の中、バルコニーで撮影していた一人のカメラマンが、犯人の兵士を突き飛ばす。でも、時すでに遅く、ジュニクはその場に崩れ落ちる。犯人の兵士は、捕まる前に隠し持っていた薬を飲んで自殺した。すべてが計画的だったってことだ。ジュニクは病院に運ばれたけど、息を引き取った。

夫の死後、嵐が吹き荒れる

夫の突然の死。悲しみに暮れる暇もムンジュには与えられなかった。葬儀の後、待っていたのはジュニクの家族からの冷たい視線だ。特に姑のイム・オクソンと祖母は、ムンジュのことを全く良く思っていない。

夫の弟、チャン・ジュンサンは、兄が死んだことで空いた政治的なポストを自分が継ごうと画策している。野心が隠しきれていない。そんな中、姑のオクソンがとんでもないことを言い出すんだ。あなたが、夫の代わりに大統領選に出なさいって。正気かよ、って思うよな。

追い打ちをかけるように、ジュニクの遺言が公開される。彼の莫大な遺産、そのすべてが妻であるムンジュに残されることになっていた。これで、ムンジュと夫の家族との対立は避けられないものになった。

謎の男、ペク・サンホ

ここで、もう一人の重要人物が登場する。あの教会にいたカメラマン、彼の名前はペク・サンホ。彼は事件の混乱の中でムンジュが落としたネックレスを拾っていた。

サンホのもとに、イーサンと名乗るアメリカ人から電話が入る。依頼内容はソ・ムンジュを陰から守れ。でもサンホはその依頼を断る。彼はすでに、自分の意志でムンジュを見守っていたからだ。

真実への序章

ムンジュは警察から、事件の目撃者としてサンホの存在を知らされる。彼女は自らサンホを探し出し、接触を試みる。そして、いつものランニングコースで、ついに二人は出会う。

サンホがネックレスを返した、その直後だった。一台の怪しい車が二人を襲う。サンホは信じられないほどの戦闘能力で追手を片付け、ムンジュを連れて山の中へ逃げ込む。

追手をまき、ようやく話す時間ができた。そこでサンホは、ムンジュに衝撃的な事実を告げる。犯人が死ぬ間際に言った言葉はスパイを殺しただった。夫のジュニクはスパイだったのか?

サンホは決定的な証拠を見せる。それは、教会で撮影した映像だった。そこには、犯人の兵士がジュニクの弟、ジュンサンと密会している姿がはっきりと映っていた。一番近くにいた弟が、この暗殺事件の黒幕なのかもしれない。物語は、とてつもない謎を提示して幕を開けた。

感想

いや、もう第1話から情報量が多すぎて、お腹いっぱいだ。夫の暗殺っていう衝撃的な事件から始まって、息つく暇もなく、遺産相続をめぐる家族とのドロドロした争い、そして夫の死の裏に隠された巨大な陰謀へと、一気に引きずり込まれた。

主人公のムンジュが、ただのか弱い政治家の妻で終わらないのが最高にいい。悲しみに打ちひしがれながらも、すぐに顔を上げて、自分で真実を突き止めようと動き出す。その強さに惹かれる。

そして、なんと言っても謎の男、ペク・サンホの存在がたまらない。彼は一体何者で、なぜムンジュを守るのか。敵か味方かも分からないミステリアスな雰囲気が、このドラマのサスペンスを加速させている。

夫はスパイだったという最大の謎。そして、弟の裏切りを匂わせるラスト。でも、これもきっと単純な話じゃないはずだ。誰を信じて、誰を疑えばいいのか。この先、ムンジュがどうやってこの嵐の中を突き進んでいくのか、見届けるしかない。

つづく