ネタバレ感想

ついに最終回だね。今回はバンコクから物語が始まる。でも、ちょっとややこしい。現在のコ・ヨンと、過去のコ・ヨンが交錯するんだ。

バンコクでの二つの旅

今のコ・ヨンは、ウィリアムと一緒にバンコクにいる。例の金持ちの彼氏だね。でもウィリアムは会議で忙しい。コ・ヨンは結局、また一人ぼっち。どこの街にいても孤独を感じてる。切ないよな。

そんな一人の時間に、コ・ヨンは思い出す。昔、ギュホと一緒に来たバンコク旅行のことを。あの旅は最高に楽しかった。安い部屋のはずが、カーテンの故障でスイートルームにアップグレードされたりして。ツイてたんだよな。

ギュホとの思い出、甘くて苦い雨

過去の回想シーンが、今回のメインディッシュだ。

コ・ヨンは一人で観光しながら、ギュホとの旅を思い出してる。コ・ヨンが自分のHIVの薬を買っているとき、ギュホはコンドームをじっと見てる。でも、結局買わないんだ。この一瞬に、二人の間の見えない壁みたいなものが凝縮されてる。

楽しい時間は続く。でも、コ・ヨンはずっと心のどこかで苦しんでる。自分はHIV陽性だっていう事実にまだ慣れていない。ギュホはそんな心配をしなくていい。その差が、コ・ヨンをチクチクさせる。

そこに、土砂降りの雨。この雨が、二人の雰囲気を一気に悪くするんだ。ギュホはだから航空券が安かったのかなんて気づく。雨の中を走ろうとするけど、コ・ヨンはイライラが爆発して喧嘩をふっかける。するとギュホは、いきなり道路の真ん中に寝転がる。わけがわからないだろ。でもコ・ヨンも、嫌々ながら隣に寝転ぶ。そんな状況で、ギュホが幸せだって言うんだ。この男、本当に読めない。

その夜は、雨宿りで入った怪しいホテルに泊まる。もちろん、ぼったくられる。そこでコ・ヨンは、二人のセックスライフがめちゃくちゃだってことを打ち明けるんだ。コ・ヨンはコンドームなしじゃできない。でもギュホは、コンドームを着けるとダメになる。気まずい真実だよな。でもその夜、二人はコンドームなしでセックスをする。それが、最初で最後だった。

ホテルに戻る道も、二人の関係は熱くなったり冷たくなったり。その夜に行ったクラブでは、情熱的にキスをする。でもコ・ヨンは怖いんだ。ソウルに帰ったら、また喧嘩する日常に戻るってことが。ギュホは全然気にしてない。喧嘩したって、そのたびに仲直りすればいいって言う。強いよな、ギュホは。

ウィリアムとの別れ、そして本当の気持ち

場面は現在に戻る。

仕事終わりのウィリアムが、コ・ヨンをディナーに連れ出す。コ・ヨンはバーにある酒を片っ端から注文する。ちょっと子供っぽいけど、ウィリアムはそれを全部許してくれる。金で買えるものってすごいな、とコ・ヨンは感心する。ウィリアムはそんなコ・ヨンを見て面白がってる。二人は酒を飲んで、イチャイチャして、花火を待つ。一見、幸せそうに見える。

でも、ウィリアムもまた、孤独を抱えてる男だった。彼は昔、一時的に目が見えなくなったことがあると話す。ホテルの一室に2週間も閉じ込められたらしい。最後に見たのが部屋の天井だったから、それ以来、自分の視力を確かめるみたいに、泊まるホテルの部屋の写真を必ず撮るようになったんだって。

その話をした後、ウィリアムはシャワー室でぐったりしている。スマホには家族からの着信が溜まってる。コ・ヨンはそれを見てしまう。結局、二人は疲れて眠りこけて、楽しみにしていた花火を見逃す。

そしてコ・ヨンは、ウィリアムのもとを去る決心をする。

彼に手紙を残すんだ。君を慰めてあげられたらいいのにと書きながらも、はっきりと伝える。君への気持ちは、愛じゃなくて親近感なんだって。そして、自分にとっての愛が誰だったのか、ようやく気づく。僕の愛はギュホだった。あの頃は気づかなかったけど。コ・ヨンは自分らしく生きることを決める。そしてウィリアムにも、幸せになる権利がある、と書き残して。

ソウルへ、新しい始まり

ソウルに帰ってきたコ・ヨン。ウンスが引っ越しを手伝ってくれる。ギュホと喧嘩ばかりしていたあのアパートを出る前に、コ・ヨンは香水をまき、窓辺に一輪のバラを置く。昔、部屋がジメジメしてるってギュホと揉めたことへの、彼なりの別れの儀式なんだろうな。

新しい家には、ほとんど物がない。全部捨ててきたんだ。過去の自分と決別するように。

そこに友人たちが集まってくる。屋上でみんなで酒を飲む。ジンテがうっかりここにいるの、全員シングルじゃんって言っちゃう。みんなでウンスの失恋を心配するけど、本人は案外ケロッとしてる。男たちのくだらない言い合いが始まって、その時、夜空に花火が打ち上がる。

コ・ヨンは思う。自分は小説の中で、失敗した恋愛を完璧な愛として保存してきただけだった、と。書くことで、恋愛がうまくなると思っていた。でも、自分はまだ愛について何もわかっていないんだ、と悟る。

燃え落ちたランタンと消えない願い

ここで、最後の回想シーンが入る。

旧正月の夜。コ・ヨンとギュホは、スカイランタンに願い事を書いている人たちを見つける。二人も真似してやってみる。期待に胸を膨らませる二人。でも、彼らのランタンは、空の途中で燃えて川に落ちてしまう。

コ・ヨンは自分のせいだって思う。願い事を何度も書き直したから、紙が破れたのかもしれない、って。

彼が最後に書いた願い事。それは、たった一言。ギュホ。コ・ヨンの唯一の願いは、愛だったんだ。

ランタンが落ちても、ギュホは怒らない。ただ、コ・ヨンの手をそっと握る。

そして物語は、現在の屋上に戻る。コ・ヨンは友人たちと一緒に、静かに花火を見上げている。

このエピソードの感想

結局、コ・ヨンはずっと愛を探してたんだな。金持ちで優しいウィリアムと一緒にいても、心の穴は埋まらなかった。それは、ギュホとの不器用で、喧嘩ばかりで、でもどうしようもなく惹かれ合った日々の記憶が、本物の愛だったからなんだ。過去のバンコク旅行と現在のバンコク旅行の対比が、それを残酷なくらいハッキリさせてた。

ウィリアムは可哀想だったけど、コ・ヨンが自分の気持ちに正直になれたのは良かったと思う。誰かを傷つけずに自分を貫くなんて無理なんだよ。彼が最後に手紙で伝えた誠実さが、唯一の救いだった。

一番グッときたのは、最後の友人たちとのシーン。全部捨てて空っぽになったコ・ヨンだけど、彼には仲間がいる。一人じゃない。花火を見上げる彼の横顔は、孤独だった今までとは全然違って見えた。ここからまた、彼の人生が始まるんだなっていう、静かな希望を感じたよ。完璧な恋愛なんてない。不完全なまま、それでも誰かと一緒にいたいと思う。それが愛なのかもしれないな。