あらすじ:偽りの顔と危険な仕事

物語は、キム・ヨンランという女が田舎町の高校で面接を受けているシーンから始まる。彼女は自分をプ・セミと名乗る。どうやら、何かから隠れるために正体を偽っているらしい。

そこから時間は3ヶ月前にさかのぼる。

ヨンランはガソングループっていう大企業のボディガードの面接を受けていた。彼女はとにかくこの仕事が欲しかった。金にめちゃくちゃ困っているからだ。面接官のイ・ドンに必死に食らいつく。その様子を、会長のガ・スンホが隠しカメラでじっと見ていた。

スンホ会長はヨンランを気に入る。イ・ドンは一度彼女を雇うことにした。でも、ヨンランに前科があることを知って、すぐにクビを言い渡す。中学生の時に生理用品を万引きしたっていう、まあ、同情の余地はある前科だ。

落ち込むヨンラン。その夜、母親のソヨンとばったり会う。母親はヨンランのお金を盗んだことがある。ヨンランは母親のせいで人生がめちゃくちゃになったと責める。すると母親は彼女をひっぱたいて去っていった。最悪だ。

翌日、イ・ドンはスンホ会長にヨンランの前科を報告する。母親が彼女名義で借金をしていることも伝えた。それを聞いたスンホ会長は、逆にヨンランを呼び戻すよう命じる。金に困っている人間は、金のためなら何でもする。会長はそう考えたんだ。こうしてヨンランは、いわくつきの会長宅で働くことになった。

ネタバレ:大富豪の屋敷に渦巻く陰謀

怪しい同僚と監視の目

スンホ会長の屋敷はデカかった。いちご農家のドンミンっていう男が配達に来ていて、ヨンランは彼とちょっとした出会い方をする。

屋敷ではチェ執事が出迎えた。彼女はヨンランを使用人が住む別館に案内する。ルームメイトはペク・ヘジという女だ。ヨンランが会長に呼ばれている隙に、チェ執事は彼女の荷物をこっそり物色する。初日からもう怪しい。

イ・ドンはヨンランに仕事内容を説明する。会長の仕事はキツい。だからスタッフがどんどん辞めていく、と。脅しみたいなもんだ。

部屋に戻ると、ルームメイトのヘジが友達になろうと話しかけてくる。でもヨンランは断る。カフェに行ったりする金銭的な余裕がないからだ。彼女の置かれた状況がよくわかる。

その夜、ヨンランはチェ執事が作った豪華なステーキに手を出せなかった。そして気づく。この別館、至る所に監視カメラが仕掛けられている。気味が悪い。

相続を巡る義理の子供たち

スンホ会長には、財産を狙う義理の子供たちがいた。息子のソヌと娘のソニョンだ。会長は仕事のことでソヌを厳しく叱責する。家族の情なんてなさそうだ。

ヨンランは会長のことをこっそり調べる。彼は結婚して1年で奥さんを亡くしていた。

義理の娘ソニョンは、チェ執事に電話して父の動向を探らせる。新しいボディガードがいると知って、明らかにイラついている。翌日、ソニョンは亡き妻の墓の前で会長と鉢合わせする。ヨンランの姿を見るなり、父さんが母の好きだった花も知らない、と騒ぎ立てて嫌がらせをする。性格が悪い。

運転手のチョルスがヨンランに教えてくれた。ソヌとソニョンは、自分たちの相続分を守るために、義理の父であるスンホが再婚するのを何としても阻止したいんだと。なるほど、そういうことか。

まさかのプロポーズ

屋敷のスタッフが全員休みになった日。行くあてのないヨンランは一人で残った。するとスンホ会長が、彼女のためにラーメンを作ってくれた。

二人はそこで話をする。会長は衝撃の事実を口にした。彼にはイェリムという実の娘がいた。その娘は、相続の邪魔になるからと、あの義理の娘ソニョンに殺されたという。

その頃、チェ執事はソニョンに会長とヨンランが二人きりだと密告していた。ソニョンは家に乗り込んでくる。でも二人を見つけられず、帰っていく。

その夜、スンホ会長はヨンランを自分の私室に呼んだ。その部屋は、屋敷中の監視カメラの映像が映し出されるモニタールームだった。会長は全スタッフの行動を監視していたんだ。

彼は自分の計画を打ち明ける。殺された娘イェリムの復讐をしてくれる人間を探していた。そのために、契約結婚の相手を見つけたかった、と。

そして会長はヨンランに言った。私と結婚してくれ。

第1話の感想

いや、初回から情報量が多すぎる。でも、それがいい。主人公のヨンランが、母親との関係も最悪だし金もないしで、どん底からスタートするのがリアルだ。同情するけど、彼女はただのかわいそうな子じゃない。タフさがちゃんとある。

そして舞台となる大富豪の屋敷。もうドロドロの気配しかしない。案の定、相続を狙う意地悪な義理の子供たちが出てきた。特に娘のソニョン、初登場から性格の悪さが全開で最高だ。こういうキャラがいると物語は面白くなる。

屋敷の使用人たちも一癖ありそう。チェ執事なんて、初対面の相手の荷物を漁るんだから信用できるわけがない。監視カメラだらけの家っていう設定も不気味でいい。プライバシーゼロの職場で、ヨンランがどう立ち回るのか。

一番驚いたのは、やっぱり最後のプロポーズ。ただのボディガードの仕事だと思ってたら、まさかの契約結婚からの復讐劇。会長、とんでもないことを考えていた。これはもう、ただのアクションサスペンスじゃない。複雑な人間ドラマが始まりそうだ。

つづく