あらすじ(ネタバレあり)
悪女の誕生
物語はペク・アジンの子供時代の回想から始まる。彼女の母親はアルコール依存症だった。アジンはいつも殴られていた。父親は見て見ぬふり。でもある日、父は母を家の外に引きずり出した。そのまま階段から突き落とした。父はアジンに言う。お母さんは酔って自分で落ちたんだ。そうみんなに言え。金持ちの新しいお母さんを約束する、と。
血を流す母親がアジンに助けを求める。救急車を呼んで、と。でも、アジンは母親に背を向けて、ただ歩き去った。
そして現在。大人のアジンが車から降りてくる。まばゆいばかりのトップ女優だ。レッドカーペットを歩く彼女に、テロップが重なる。反社会性パーソナリティ障害。彼女は自分の利益のために人を利用する。すでに二人の死に関わっていて、未来では三人目を殺すことになる。
高校での最初の標的
場面は2016年の高校に移る。アジンはまだ高校生だ。クラスメイトがクァク先生の誕生日パーティーの準備をしている。お祝いの真っ最中に、学校の掲示板が大騒ぎになる。誰かがクァク先生の不倫写真を投稿したんだ。
学校を去ろうとする先生に、アジンが声をかける。誕生日プレゼント、気に入りましたか。これは復讐だった。以前、クァク先生はアジンのことを孤児と呼んだ。その仕返しだった。
ライバル、ソンヒとの戦い
ここでアジンのライバル、シム・ソンヒが登場する。ソンヒは学年2位。1位のアジンが気に食わない。最近、アジンが美術教師と話しているのを見かけた。ソンヒがそのことを問い詰めると、アジンの態度は一変する。詮索好きな子はろくなことにならないよ。そう冷たく警告した。
クラスにはジュンソという男子生徒もいる。彼はいつもアジンをうっとりと見つめている。討論チームの自分の席を、あっさりアジンに譲ってしまうほどだ。そのせいで、アジンはソンヒと同じチームで活動することになった。
ソンヒは母親に不満をぶちまける。母親はなんとかしてあげると約束した。その結果、ソンヒの母親が学校に抗議した。アジンは討論チームから外された。それだけじゃない。ソンヒは学校中にアジンが孤児だと吹聴して回った。
アジンはソンヒに一通の手紙を渡す。ソンヒがジュンソに送ったラブレターへの返事だという。そこには、ソンヒを侮辱する言葉が並んでいた。それは明らかにアジンの筆跡だった。
アジンの裏の顔と完璧な罠
しばらくして、討論大会自体が中止になった。審査員が買収されていたというニュースが流れたからだ。ソンヒはアジンの仕業だと確信する。復讐のために、トイレでアジンにバケツの水を浴びせた。
実は、アジンには裏の顔があった。キム・ジェオという生徒と組んで、高利貸しをしていたんだ。ジェオが他の生徒のイヤホンを盗む現場をアジンが目撃した。それがきっかけで、二人は手を組むようになった。
びしょ濡れのアジンを見たジュンソは、彼女を保健室へ連れて行く。そこでアジンは、ソンヒが怖いと嘘をついた。ジュンソに助けを求めた。
一方、ジェオは高利貸しの帳簿を先生に見つかってしまう。でも、彼はアジンの名前は出さなかった。アジンは感謝してジェオを抱きしめる。その瞬間を、ソンヒが目撃してしまった。アジンが黒幕だと、彼女はついに気づいた。
全てを失うソンヒ
次の日、ソンヒは食堂でアジンの昼食にジュースをこぼす。キム・ジェオのボスさん。そう言って、アジンを追い詰める。そこにジュンソが割って入った。彼はソンヒを連れ出し、君のことが好きだと告白するフリをした。そしてアジンは良い友達だから、ケンカしないでと頼む。
その頃、アジンはジェオと電話で次の計画を練っていた。体育の授業中、ジュンソはソンヒを授業から連れ出す。その隙に、アジンはソンヒのロッカーの暗証番号を盗み見る。ソンヒはジュンソからのメモだと思い込み、美術室へ向かう。そこで彼女が見たのは、アジンが美術教師と手をつないでいる姿だった。
その間に、ジェオはソンヒのロッカーを開ける。中に入れたのは、クラスで集めた担任への結婚祝いの現金が入った封筒。授業後、教室では現金がなくなったと大騒ぎになる。疑いはソンヒに向けられ、彼女のロッカーから現金とジェオのスマホが見つかった。
追い詰められたソンヒは叫ぶ。アジンは美術の先生と付き合ってる!。でも、その一言が命取りになった。その美術教師は、なんと担任の婚約者だったんだ。アジンは動じない。True Loveっていうカウンセリングセンターの話をしてただけですよ。そう言って、あっさり言い逃れた。
とどめはジェオが刺す。この騒動の一部始終を撮った動画をネットに投稿した。ソンヒの両親までトラブルに巻き込まれる。それでもソンヒは、金持ちの親の力で勝てると信じていた。そんな彼女に、アジンは最後の事実を告げる。一番最初に登場したクァク先生。彼女の不倫相手は、ソンヒの父親だった。このニュースが世に出れば、ソンヒの父親は失職する。彼女の力は、もうどこにも残らない。
第1話の感想
いやー、第1話からとんでもないのが来たね。主人公のアジン、ただの悪女じゃない。頭がキレすぎる。彼女の計画は本当に見事。一つ一つの行動に無駄がない。ジュンソを操ってソンヒを油断させ、その隙にジェオと罠を仕掛ける。この連携プレー、完璧すぎて鳥肌が立ったよ。特に、ソンヒを犯人に仕立て上げる手口は鮮やかだった。まさか担任の結婚祝い金を使うなんて、悪魔的だ。
一番ゾクっとしたのは、最後の暴露シーン。クァク先生の不倫相手がソンヒの父親だったという伏線。これを最終兵器として取っておくあたり、アジンの計算高さがうかがえる。彼女に逆らうとどうなるか、徹底的に見せつけられた感じ。同情の余地が一切ない主人公って、逆に清々しくて目が離せなくなる。ジュンソやジェオみたいに、彼女の魅力に絡め取られて利用される男たちの姿も、このドラマの面白いところだと思う。テンポも良くて、あっという間の1時間だった。
つづく


