あらすじ

シー・イエンとの間に気まずさを感じていたジョン・シューイーは、彼が謎の美女と親しげにしているのを目撃し、さらに落ち込んでしまう。一方、シー・イエンの会社・銘豫雲創は株主撤退の危機に瀕していた。シューイーは会社の命令で、再びシー・イエンの取材を担当することになるが、私情と仕事の間で心は揺れ動く。気まずい雰囲気のまま再会した二人の溝は、決定的に深まってしまうのだった。そんな中、チン・シーユエとユー・ヨウの関係には、大きな進展が訪れる。

ネタバレ

誤解が誤解を呼ぶ、嵐の幕開け

物語は、ヒロイン・ジョン・シューイーが、酔っぱらった夜に何があったのかを知るところから始まります。なんと、あの時大嫌いなはずのシー・イエンの悪口を散々ぶちまけた挙句、彼本人に家まで送り届けてもらっていたという衝撃の事実が発覚!これを知ったシューイーは、気まずさでいっぱいです。

何とかシー・イエンと直接会って話をしなきゃ…!と決心して彼の会社「銘豫雲創」へ向かったシューイー。しかし、そこで彼女が目にしたのは、シー・イエンが見知らぬ美女と親しげに話している姿でした。この女性こそ、シー・イエンの幼馴染で、海外から帰国したばかりのフィオナ。そんな事情を知らないシューイーは、「もう新しい人がいるんだ…」と完全に戦意喪失。話すことさえできずに、すごすごと引き返してしまうのでした。

明かされた本心と、届かない声

一方、シー・イエンも決して穏やかではありません。親友のビー・ルオシャンは、馬場で偶然会ったシー・イエンに「どうしてシューイーをブロックしたりするのよ!」と詰め寄ります。しかし、シー・イエンはそれをキッパリと否定。「ブロックなんてしていない。それに、俺の心にいるのは最初からジョン・シューイーだけだ」と、固い決意を口にするのです。

そう、シー・イエンはシューイーを突き放したように見えて、心の中では彼女のことばかり。しかし、そんな彼の本心は、肝心のシューイーには全く届きません。

記者魂と、引き裂かれる心

そんな中、シー・イエンがCEOを務める銘豫雲創に激震が走ります。株主二人が撤退するという噂が業界に広まり、会社の危機がささやかれ始めたのです。シューイーが勤める雑誌社もこのネタを深掘りしようとしますが、後任の記者の取材が浅く、編集長のタン・イーはしびれを切らします。

「この取材、あなたがやりなさい」。タン・イーは、シューイーに銘豫雲創の担当に戻るよう命じます。私情と仕事の間で揺れるシューイーでしたが、シー・イエンの置かれた苦しい状況を心配する気持ちが勝り、最終的にこの仕事を引き受けることを決意しました。

決定的だった再会、そして削除

銘豫雲創のオフィスで、ついに再会した二人。しかし、シューイーは「仕事ですから」という壁を作り、事務的な会話に終始してしまいます。自分に会いに来た理由がただの仕事だったと知り、シー・イエンは深く失望。「仕事の話なら他を当たれ」と、冷たく彼女を追い返してしまうのでした。

このシー・イエンの態度に、シューイーの心はポッキリと折れてしまいます。「もう、私たちの関係は元には戻れないんだ…」。そう悟った彼女は、未練を断ち切るように、スマホからシー・イエンの連絡先を削除してしまいました。

皮肉なことに、その頃、シー・イエンは仕事を終えて一人、シューイーが好きだった海鮮麺の店を訪れていました。二人で過ごした日々を思い出し、彼女への想いを募らせたシー・イエンは、意を決してシューイーに連絡を取ろうとします。しかし、画面に表示されたのは、非情な「削除されました」の通知。シー・イエンが真実に気づいた時には、もう遅すぎたのです。

もう一つの恋はハッピーエンドへ!

メインカップルがどん底にいる一方で、もう一つの恋は最高潮を迎えていました!

大学の講義に出ていたチン・シーユエは、同級生の男子から告白されますが、きっぱりと断ります。その様子を物陰から見ていたのは、なんと大学教授のユー・ヨウ! シーユエが断ったことにホッと胸をなでおろす姿は、もう恋する男そのもの。

その後、ユー・ヨウはシーユエを山の頂上に連れ出し、「僕たちは釣り合わないかもしれない。でも、君のことが好きになってしまった」と、不器用ながらもストレートに告白! これにはシーユエも大喜びで、「好きなら細かいことは乗り越えられる!」と彼の想いを受け入れ、二人はついに正式な恋人同士になったのです。

ハッピーな新米カップルは、早速ショッピングデートへ。そこで偶然、シューイーが例のスケートボーダー・イー・ヤンと仲良くスーツケースを選んでいる場面に遭遇! 叔父であるシー・イエンの恋路を心配するシーユエは、「これは一大事!」とばかりにスパイ活動を開始。偶然を装ってシューイーたちと同じテーブルで食事をし、叔父に「イー・ヤンは強敵よ!もっと積極的にいかないと!」と実況中継のメッセージを送りまくるのでした。

『始まりは君の嘘』第30話の感想

今回は、シー・イエンとジョン・シューイーのすれ違いが切なすぎて、胸が苦しくなるような回でした。お互いに想い合っていることは視聴者には分かっているのに、ほんの少しの誤解とタイミングの悪さが重なって、どんどん溝が深まっていく展開は見事としか言いようがありません。特に、シューイーが連絡先を削除した直後に、シー・イエンが彼女に連絡しようとするシーンは、運命のいたずらの残酷さを感じさせました。

その一方で、チン・シーユエとユー・ヨウのカップルがついに結ばれたのは、今回のエピソードにおける最大の癒やしでした。不器用な大学教授と天真爛漫な女の子という組み合わせが、とにかく可愛らしい。シリアスなメインストーリーの良い清涼剤となっており、二人の初々しいやり取りには思わず頬が緩んでしまいます。この対照的な二つの恋模様が、物語に深い奥行きを与えていると感じました。

つづく