あらすじ
すれ違いが続いていた記者・ジョン・シューイーと社長・シー・イエン。二人はある慈善晩餐会で気まずい再会を果たします。しかし、そこにはシューイーに想いを寄せる若手起業家・イー・ヤンや、シー・イエンの過去を知る人物も現れ、会場は複雑な想いが交錯する舞台となります。一方、シューイーが書いた記事が、シー・イエンの姪・シーユエの心に火をつけ、彼女は自らの人生の目標を見つけようと新たな一歩を踏み出します。それぞれの恋と仕事が、少しずつ動き始めるエピソードです。
ネタバレ
すれ違い続けていたシー・イエンとジョン・シューイーの物語が、ついに大きく動き出す第29話!もどかしい二人の距離が、思わぬ出来事をきっかけに急接近します。
男女の思考回路と、それぞれの恋の行方
物語は、シー・イエンと姪のチン・シーユエ(ハタ・トキズキ)の会話から始まります。シーユエは「男と女の考え方は全然違う」と力説。叔父であるシー・イエンとシューイーの間にもきっと誤解がある、女の子は好きだからこそ本音を隠してしまう時があるのだと、鋭い指摘をします。
シー・イエンは、恋愛関係は正直さの上に成り立つべきで、どちらか一方の我慢や妥協で続くものではないと持論を語ります。彼は、まず自分の人生の目標を定め、それに合う相手と歩むべきだと諭しますが、その言葉はシーユエ自身の心にも響きます。彼女は、想いを寄せるユー・ヨウ教授と自分は同じ未来を見ているのだろうかと、少し不安になるのでした。
一方、シューイーは仕事に邁進していました。帰国した起業家たちへの取材を元に書き上げた新しい記事は、ユー・ヨウ教授から絶賛され、それを読んだシーユエも自分の人生の目標を見つけるきっかけを得るなど、彼女の仕事は多くの人に良い影響を与えていました。
そのシーユエは、再び大学でユー・ヨウの講義を聴講。授業中に隣の男子学生と親しげに話すシーユエの姿を見たユー・ヨウは、心の中で静かに嫉妬の炎を燃やします。授業後、彼はシーユエの質問に答えるだけでなく、一緒に食堂へ行こうと誘い、道中で学生に恋人同士だと勘違いされても、あえて否定しないのでした。
嫉妬と誤解が渦巻く慈善晩餐会
このエピソードのハイライトは、EM社が主催する慈善晩餐会。シューイーは、彼女に好意を寄せる若手起業家のイー・ヤンに誘われて出席します。会場にシー・イエンも来ると知り、複雑な気持ちを抱えながらも招待を受けるシューイー。
会場で再会した二人でしたが、お互いに声をかけられず、視線だけが交差します。そんな気まずい空気の中、シー・イエンの元カノである女優のベイリンが現れ、シー・イエンに親しげに話しかけるのを見てしまったシューイー。二人が復縁するのではないかという誤解から、彼女は嫉妬と切なさで、やけ酒をあおってしまいます。
ベイリンはシー・イエンとの別れを後悔し、復縁を迫りますが、シー・イエンは「終わった恋だ。それに、今は心に決めた人がいる」ときっぱりと断ります。
同じ頃、イー・ヤンはシューイーに「なぜチャンスをくれないのか」と問い詰めますが、シューイーは「本当に好きな人がいるんです。一緒になれないのは、私自身の問題だから」と、心に秘めた想いを打ち明けます。
酔っぱらいは木に登る?シー・イエンのレスキュー作戦!
ベイリンに別れを告げたシー・イエンが急いでシューイーを探すと、なんと、泥酔した彼女がイー・ヤンと木に登ろうとしているではありませんか!慌てて駆け寄ったシー・イエンは、危ないから下りてくるよう説得しますが、酔ったシューイーは「私を呼んでくれたら下りてあげる」と甘えてむずがります。シー・イエンは仕方なく、優しい声で「小仙女(お姫様)」と呼びかけ、ようやく彼女を木から下ろすことに成功しました。
シー・イエンの腕の中に倒れ込んだシューイーは、「どうして私をブロックしたの!」と泣きながら訴え、彼の腕にガブリと噛みつきます。その様子を見ていたイー・ヤンに対し、シー・イエンは「彼女が何を望んでも、俺が与える。そして、彼女が欲しがるのは俺からだけだ」と、力強く宣言するのでした。
車でシューイーを家まで送る途中、彼女はシー・イエンへの募る想いを涙ながらに語ります。彼女が本当に自分を好きなのか、まだ確信が持てないシー・イエンでしたが、それでもそっと彼女のWeChatを再追加するのでした。
しかし翌朝、目覚めたシューイーは昨夜の出来事をほとんど覚えていません。諦めきれないイー・ヤンからのアプローチは続き、彼女の悩みは尽きないのでした。
すれ違う心と、友人のアシスト
職場では、シュー・ユーリンの原稿が上司のタン・イーに却下され、彼女はその腹いせに「特別な手を使った」とシューイーを非難します。
一方、シー・イエンはイー・ヤンがシューイーを猛烈にアタックしていると聞き、親友のグァン・ジー(グアン・ジー)とバーで飲んでいました。グァン・ジー(グアン・ジー)は直接シューイーに気持ちを確かめるよう勧めますが、シー・イエンは「彼女から連絡がないのが答えだ」と意固地になります。そこへ、グァン・ジーの恋人でありシューイーの親友でもあるビー・ルオシャンから電話が。彼女は、シューイーがイー・ヤンには全く興味がなく、今は仕事に集中したいだけだと伝え、二人の間の誤解を解くきっかけを作るのでした。
『始まりは君の嘘』第29話の感想
今回は、登場人物たちの感情が豊かに描かれ、物語の深まりを強く感じさせる回でした。特に、シー・イエンとシューイーの関係性には、非常にもどかしいながらも、だからこそ引き込まれる魅力があります。普段はクールなシー・イエンが、酔ったシューイーを「お姫様」と呼んでなだめるシーンは、彼の不器用な優しさと深い愛情が表れていて、見ているこちらの頬が緩みました。
シューイーも、素直になれない気持ちと、お酒の力を借りてあふれ出す本音のギャップが非常に愛らしいです。彼女がシー・イエンの腕を噛む場面は、子供のような独占欲の表れで、二人の関係が単なる大人の恋愛ではない、もっと根源的な部分で繋がり始めていることを感じさせました。
また、シーユエとユー・ヨウ教授の初々しい恋の駆け引きも、物語の良いアクセントになっています。それぞれのキャラクターが抱える想いが交差し、少しずつ真実へと近づいていく展開は、今後の物語への期待を抱かせてくれます。
つづく