あらすじ

記憶の一部を失った裴溯(ペイ・スー)は、定期的に心理カウンセラーの白先生を訪ね、過去の断片を探していた。一方、刑事の駱為昭(ルオ・ウェイジャオ)は、西区で起きた連続殺人事件の捜査を進めていた。最初の犠牲者の弟、陳震(チェン・ジェン)から匿名の手紙を受け取った駱為昭は、事件の裏に潜む大きな闇を感じ始める。そんな中、陳震から助けを求める連絡が入る。発信源を辿った駱為昭は、危険な場所へと足を踏み入れることになる。同時に、裴溯もまた、過去の記憶に繋がる手がかりを求めて、新たな一歩を踏み出そうとしていた。二人の運命は、複雑に絡み合いながら、事件の真相へと近づいていく。

ネタバレ

記憶の淵を探る裴溯(ペイ・スー)と、危険な光に照らされる駱為昭(ルオ・ウェイジャオ)。交錯する二人の運命は、新たな犠牲者を出しながら、物語を加速させていく――。

裴溯(ペイ・スー)はいつものように白先生のオフィスを訪れていた。催眠療法の回数は減ったものの、失われた記憶の断片を求めて、彼は今も彷徨っていた。白先生は裴溯の心の中にある闇を感じながらも、その正体には触れられない。まるで厚いベールに包まれたように、彼の真意は掴めないままだ。一体、彼は何を探しているのか?白先生は、裴溯が口にする“友人”こそが鍵を握っているのではないかと推測する。

一方、駱為昭(ルオ・ウェイジャオ)は事件の再検証を進めていた。張東瀾(ジャン・ドンラン)という男に疑いの目を向ける駱為昭は、陶澤(タオ・ゼ)に再尋問を指示する。同時に、最初の犠牲者の弟、陳震(チェン・ジェン)が匿名で送ってきた手紙の内容も気にかかっていた。陳震は姉の死の真相を闇に葬ろうとする“黒幕”の存在を訴えていたが、決定的な証拠は何もない。西区の腐敗した現状に絶望した陳震は、特調組にすら不信感を抱き、匿名で情報を提供したのだった。

証拠不十分で釈放された張東瀾(ジャン・ドンラン)だが、彼の影は依然として事件に付きまとう。そんな中、何宗一(ホー・ゾンイー)の母親が警察署に押しかけ、息子の死の真相を泣き叫びながら問い詰める。裴溯は優しく彼女をなだめ、事態の収拾に尽力する。程なくして、張瑩(ジャン・イン)が恋人・周鴻川(ジョウ・ホンチュアン)と共に駱為昭に感謝を伝えに訪れる。そこで駱為昭は、周鴻川も承光公館に出入りしていたという事実を知る。

陶澤(タオ・ゼ)は何宗一(ホー・ゾンイー)の母親に、息子が権力者との繋がりや大金について話していなかったか尋ねるが、収穫はなかった。その後、陶澤の相親の話に、裴溯はどこか寂しそうな表情を浮かべる。結局、裴溯は駱為昭と共に警察署の食堂で食事をすることになる。好き嫌いの多い裴溯に手を焼きながらも、駱為昭は彼のためにエビの殻を剥いてやる。変わりゆく世界の中で、変わらないものはない。裴溯は、変化と別れを受け入れるべき時が来ているのかもしれない、と静かに思うのだった。

突然、陳震から助けを求める電話が入る。発信源を特定した駱為昭は、それが胡雪春(フー・シュエチュン)という女につながることを知る。鴻福無限城へと向かった駱為昭は、胡雪春が“琳達”という名で働いていることを知る。受付嬢から密かに渡されたメモには、彼を待ち受ける罠が示唆されていた。部屋に入った駱為昭は、隠しカメラの存在に気付く。情報を引き出すため、駱為昭は琳達に近づき、陳震のことをそれとなく探り始める。陳震が無限城にいることが分かると、事態は急展開を迎える。駱為昭の正体を知った店のオーナーは彼を追い出そうとするが、その矢先、陳震の死が伝えられる。オーナーは駱為昭を厄介払いしようと躍起になる。

無限城で襲撃を受けた駱為昭は、屋上へと逃げ延びるが、そこには更なる敵が待ち構えていた。倉庫に逃げ込んだ駱為昭は、既に息絶えた陳震を発見し、自身も負傷してしまう。一度は逃げ出した琳達だったが、駱為昭が地理に不案内なことを思い出し、彼を助けに戻る。絶体絶命のその時、裴溯が駆けつけ、二人は窮地を脱する。

深まる謎、そして新たな犠牲者。光と闇の狭間で、裴溯と駱為昭の物語は、ますます混迷を極めていく。

『光・淵』第3話の感想

第3話は、息つく暇もない展開で、まさに緊迫感の連続でした。裴溯の記憶をめぐる謎は深まるばかりで、彼の過去に一体何があったのか、ますます気になって仕方がありません。白先生との静かな対話シーンは、彼の内面の葛藤を繊細に描き出しており、見ているこちらも胸が締め付けられるようでした。

一方、駱為昭は危険な捜査に身を投じ、まさに命懸けの展開に手に汗握りました。無限城でのアクションシーンは迫力満点で、彼の機転と戦闘能力の高さが際立っていました。琳達という謎の女性との出会いも、今後の物語にどう関わってくるのか、非常に興味深いです。

そして、何よりも衝撃的だったのは陳震の死。匿名で情報を提供した矢先に命を落とすとは、あまりにも残酷な結末です。西区を覆う闇の深さを改めて感じさせられ、真相究明への期待と不安が入り混じった複雑な気持ちになりました。

つづく