あらすじ

天啓城に到着した司空長風(しくうちょうふう)は、親友・百里東君(ひゃくりとうくん)のために銘酒「秋露白」を求め酒楼「雕楼小筑」を訪れる。しかし、酒を得るには醸造家・謝師との勝負に勝たねばならず、長風は敗北し槍を奪われてしまう。偶然通りかかった東君は、長風のために自ら謝師に「醸造対決」を申し込む。

その後、雷夢殺(らい・むさつ)に連れられ百花楼を訪れた東君と長風。長風はそこで琴の音をきっかけに風秋雨(ふう しゅうう)と出会い、音楽を通じて心を通わせる。風秋雨は行方不明の兄・魏洛礼を探しており、彼の過去の話は長風の出自の謎を示唆するものだった。

一方、百花楼の香りを纏って帰った東君は尹落霞(いん らっか)に誤解され平手打ちされ、長風も風秋雨との仲を誤解され慌てて百花楼を後にする。

その頃、宮廷では李長生(り・ちょうせい)が太安帝(たいあんてい)と対峙していた。皇帝は葉羽(よう う)の冤罪を認めつつも名誉回復を拒み、百里東君に会うことを望むが、李長生は東君を朝廷に関わらせないと断固拒否。皇帝が放った刺客を退け、東君に手を出さぬよう警告を残して宮廷を去るのだった。

ネタバレ

親友のために! 幻の酒「秋露白」を求めて

ついに我らが司空長風(しくうちょうふう)が、大都会・天啓城に到着! 目的はただ一つ、親友の百里東君(ひゃくりとうくん)が別れ際に「飲みたーい!」と駄々をこねていた(笑)幻の銘酒『秋露白(しゅうろはく)』を手に入れること。

意気揚々と酒楼「雕楼小筑(ちょうろうしょうちく)」を訪れた長風ですが、そこで出会った書生の陳儒(ちん じゅ)から衝撃の事実が! なんと『秋露白』は月に一度、たった二時間しか売られない超レア物! しかも、店に飾ってある12年物の『秋露白』を手に入れるには、店の醸造家・謝師(しゃし)を倒さなきゃいけないっていうじゃないですか! しかも、今まで成功者はゼロ、負けたら自分の持ち物を置いていかなきゃいけないという厳しいルール付き…。

友達思いの長風、無謀にも挑戦しますが…案の定(?)、謝師の一撃で店の外まで吹っ飛ばされちゃいます(笑)。しかも大事な槍まで取られちゃう始末…。

百里東君(ひゃくりとうくん)、参上! 勝負はまさかの「醸造対決」!?

そこに偶然通りかかったのが、百里東君(ひゃくりとうくん)! 親友が自分のために無茶をして、槍まで失ったと知った東君、黙ってはいません! 「よし、俺が取り返してやる!」と、今度は二人で謝師に挑むことに。

でも、ここからが東君らしい! 武術で勝負するんじゃなくて、「醸造の腕で勝負しようぜ!」と提案するんです! もし勝ったら、『秋露白』と長風の槍をいただく、と。謝師も「面白い若造だ」と思ったのか、呆れつつ(?)もこの勝負を受けることに。いやー、まさかの展開! 醸造対決、どうなるんでしょうね!?

百花楼での出会いとすれ違い

一方、暇を持て余した東君と長風は、雷夢殺(らい・むさつ)に連れられて有名な妓楼「百花楼(ひゃっかろう)」へ。昔、顧剣門(こ・けんもん)がここの風姑娘(ふう クーニャン)に一目惚れしてフラれた、なんて昔話を雷夢殺がしていたら…なんと奥さんの李心月(り しんげつ)が登場! 雷夢殺、あっさり耳を引っ張られて連行されちゃいました(笑)。夫婦の力関係が垣間見えますね!

ここで、長風に運命的な出会いが訪れます。楼閣から聞こえてくる風姑娘の琴の音に、なぜか懐かしさを覚えた長風。おもむずろに葉っぱを取り出して、その音色に合わせて吹き始めると…なんと、風姑娘本人からお呼び出しが!

彼女の名は風秋雨(ふう しゅうう)。実は、彼女はずっと行方不明の兄・魏洛礼(ぎ らくれい)を探していたのです。家族のいない長風は、彼女の境遇に共感し、「妹のように思っていいか?」と申し出るのですが、最初はちょっと引かれちゃいます。でも、長風の真っ直ぐで誠実なところに心打たれた秋雨と、音楽を通じて意気投合。同郷じゃなくても、心通じる「知己」になれたんですねぇ。なんだか、いい雰囲気…?

でも、この出会いが新たな波乱を呼ぶことに!

稽古を終えた尹落霞(いん らくか)が東君を探しに来ますが、彼は百花楼へ行った後で留守。帰ってきた東君から、ほのかに百花楼のお香の匂いが…! これに嫉妬した落霞、「恥知らず!」と東君にまさかの平手打ち! いやいや、東君は何もしてないのに! 完全にとばっちりで可哀想(笑)。

さらに、長風も風秋雨の部屋から髪を乱して出てきたところを他の客に見られ、「お盛んだったな!」なんて誤解される始末。慌てて弁解するも、聞いてもらえず逃げ出す羽目に。うーん、青春してますねぇ!(笑)

風秋雨の過去と、長風の秘密…?

その後、風秋雨が侍女に語った過去が、めちゃくちゃ重要なんです! 幼い頃に家が滅ぼされ、師匠に命を救われたこと。その師匠が、途中で魏洛礼という男の子を拾ったこと。そして、その魏洛礼が、故郷を懐かしむように葉っぱで『江南月』という曲を吹いていたこと…。

…ん? 葉っぱで曲を吹く? それって、さっき長風がやってたことじゃ…!? しかも、魏洛礼は師匠と出かけたきり、戻ってこなかったと…。

これって、もしかして…司空長風(しくうちょうふう) = 魏洛礼 なのでは!? うわー!鳥肌立ちました! 長風の出自の謎に、大きなヒントが出てきましたね!

宮廷の闇:李長生 vs 太安帝

そしてラストは、李長生(り・ちょうせい)先生と太安帝(たいあんてい)の、息詰まる対峙シーン!

皇帝は、かつて李長生が葉鼎之(ようていし)を救ったことに感謝はしつつも、冤罪で死んだ葉羽(よう う)の名誉回復は「帝の面子に関わる」と拒否。さらに、百里東君(ひゃくりとうくん)に会いたがりますが、李長生先生は「あの子を朝廷の争いには巻き込ませない!」と断固拒否! カッコよすぎます!

皇帝の態度に不満を持った李長生先生は、「祭酒の座は、もっと相応しい者が継ぐだろう」と言い放ち、天啓城を離れて東君と旅に出ることを宣言。

これに怒った皇帝、なんと裏で腹心の濁清(だくせい)大監(だくせい だいかん)や国師・斉天塵(せいてんじん)に李長生暗殺を命じますが…相手が悪すぎましたね(笑)。先生、いとも簡単に刺客を退けます。

そして宮門を出る際、皇帝がいるであろう方向に向かって、警告ともとれる強烈な一撃を放つ李長生先生…! 「東君に手を出すな」という、静かな、しかし絶対的な意志を感じました。東君を守る師匠の覚悟、シビれました!

つづく