あらすじ
竇世英(ドウ・シーイン)が王映雪(ワン・インシュエ)を娶ろうとすることから、正妻・趙谷秋(チョウ・コクキュウ)との間に亀裂が生じる。王映雪の策略により追い詰められた趙谷秋は、思い出の木蘭の花が切り倒されるのを見て絶望し、自ら命を絶ってしまう。悲しみに暮れる娘の竇昭(ドウ・ジャオ)は、王映雪のさらなる企みを阻止するため、祖母・崔氏(ツイし)の助けを得て母の権利を守り、3年間の喪に服すことを宣言。その後、崔氏と共に暮らし始めた竇昭は、母の仇を討ち、強く生きることを誓い、学問と武芸、そして商才を磨いていく。一方、定国公の軍営では、若き宋墨(ソン・モー)が軍人としての道を歩み始めていた。
ネタバレ
悪女・王映雪(ワン・インシュエ)の策略と、母娘の絆
部屋に戻った趙谷秋(チョウ・コクキュウ)は、夫の竇世英(ドウ・シーイン)から王映雪(ワン・インシュエ)を娶ることを強引に同意させられそうになるんです。趙谷秋(チョウ・コクキュウ)の兄・趙思(チョウ・シ)と竇世英(ドウ・シーイン)の兄が口論になるんだけど、竇世英の兄は「趙谷秋には娘一人しかいないし、王映雪は家柄も良いからピッタリだろ?」なんて言い出す始末。当の王映雪はというと、「私が死んでお詫びしますぅ~」なんて殊勝なフリして、趙谷秋が投げたかんざしを手に取り、死ぬ死ぬ詐欺!竇世英はまんまと騙されて、王映雪をギュッと抱きしめるんですよ。キーッ、腹立つ!
この一部始終を知った聡明な娘・竇昭(ドウ・ジャオ)は、母のもとへ駆けつけます。竇世英は「王映雪はただの一般人だ」なんて嘘をつくんですが、竇昭(ドウ・ジャオ)は「じゃあ追い出しましょう!」とナイスアシスト!ところが王映雪、今度は体調不良を装って倒れ込み、竇世英の同情を引くんです。「彼女は病気の私を看病して喘息になったんだ、見捨てられない!」とか言って、王映雪を抱えて去っていく竇世英。残された竇昭は、ただ母を抱きしめることしかできませんでした…。
竇昭は母に「お母様が同意しなければ、あの人はただの外妾(がいしょう)です。王映雪の父親の性格なら、娘がそんな立場になることを許すはずがありません」と進言。さらに「いっそ離縁して、私と一緒に行きましょう。叔父様は法律に詳しいから、きっと力になってくれます」と、大人顔負けの提案をするんです。趙谷秋も、娘の早熟ぶりに驚きを隠せません。
思い出の花、無残に散る…母の絶望
王映雪の悪女っぷりは止まりません。今度は自分の喘息を、趙谷秋が最も愛し、竇世英との思い出の花でもある木蘭(もくれん)のせいにし始めるんです。木蘭の花を見るたびに、竇世英との甘い日々を思い出していた趙谷秋。しかし、王映雪の喘息を理由に、竇世英はなんとその木蘭を切り倒せと命じるんです!趙谷秋は必死に抵抗しますが、竇世英は土下座までして懇願。涙ながらに同意するしかなかった趙谷秋…。花が打ち落とされるのを見ながら、彼女の心も、かつての愛情も、打ち砕かれていくようでした。かつてこの花の下で「君だけを愛す」と誓った夫は、もうどこにもいないのです。部屋に戻った趙谷秋は、激しく咳き込むのでした。
父への怒り、そして母との永遠の別れ
竇昭は、叔父の娘とブランコで遊んでいました。このブランコは、かつて竇世英が趙谷秋のために作ったもの。そこへやってきた竇世英に、竇昭は「お父様の心は二つに分かれてしまったのね!どちらが大切なのか、もう分からないのね!」と怒りをぶつけます。娘を愛し、趙谷秋のことも気にかけていた竇世英は、二人を傷つけたくないと、王映雪を家から出すことを決意します。しかし、ここでまた竇世英の兄が登場。「跡継ぎのためだ」と説得し、さらに王映雪が妊娠していることが発覚!もう、どうしようもない状況に追い込まれた竇世英。そんな時、下男が駆け込んできて告げたのは…「奥様が…趙谷秋様がお亡くなりに…」。
竇世英が駆けつけると、そこには趙谷秋の亡骸を抱いて泣き叫ぶ竇昭の姿が。趙谷秋は、かつて竇世英の科挙合格を願って埋めた状元紅(高級な酒)の甕を踏み台にして、首を吊っていたのです。竇世英は自責の念に駆られます。趙谷秋が唯一心残りだったのは、娘の竇昭のこと。遺書には、竇昭を頼むとだけ書かれていました。
葬儀での屈辱、そして祖母の登場
霊前で、王映雪が弔問に訪れますが、竇昭は彼女を突き飛ばさんばかりの勢い。竇世英は酒に溺れ、世事を顧みません。そんな中、王映雪の父・王行宜(ワン・シンイー)と竇世英の兄は、王映雪を竇世英の正妻にするための画策を始めるのです。
趙思は、王映雪が趙谷秋の嫁入り道具を勝手に使っていることに激怒し、二人は口論に。そんな中、竇昭だけが王映雪の用意した菓子を黙々と食べていました。趙思は「なんて無神経な…」と思ったのですが、突然竇昭が毒に当たって倒れてしまうのです!(これは竇昭の策略だったのかも…?)この騒動で、長年屋敷を離れていた祖母の崔(さい)氏が戻ってきます。崔氏(ツイし)は二人の息子とは疎遠でしたが、人命に関わる事態と聞いて駆けつけ、公正な裁きを下します。趙谷秋の嫁入り道具は全て竇昭のものとし、王映雪には三千両の賠償を命じるのです。王映雪は「子供に財産管理は無理だ」と抵抗しますが、崔氏(ツイし)は「竇昭に決めさせる」と一蹴。
少女の決意、そして新たな道へ
竇昭は「母は苦しみ抜いて死んだのに、あの人を母とは認められません」と、母のために三年間喪に服すことを宣言。竇世英もこれに同意し、三年間は王映雪と床を共にせず、趙谷秋の部屋で喪に服すと言い出します。これには王映雪も真っ青!慌てて土下座し、許しを請いますが、もう遅い。庭に立ち、木蘭の木を見上げながら、竇昭は心の中で母を想い、ようやく母の無念を少し晴らせたと感じます。しかし、ここはもう自分の家ではない、母の家でもないと…。
その後、竇昭は崔氏と共に屋敷を離れ、荘園で暮らすことになります。崔氏は竇昭を溺愛しました。
竇昭は崔氏に「王映雪はいつも私を陥れようとしていました。今は自分を守るのが精一杯ですが、いつか必ず仇を討ちます」と涙ながらに語ります。崔氏は竇昭を抱きしめ、「後宮の争いのような女になるな。もっと大きな世界で輝きなさい」と励まし、割れた趙谷秋の腕輪を修復して竇昭に渡します。崔氏の深い愛情を理解した竇昭は、風雨に負けない九重紫(クジャクソウ)の花のように、か弱い存在ではなく、強く生きることを決意。名高い師・陳曲水(チェン・チュイシュイ)に師事し、天下の情勢を学び、武術の心得がある侍女・素蘭(スーラン)と素心(スーシン)を傍に置き、やがて商才を発揮して成功を収めていくのです。
もう一人の主人公?宋墨(ソン・モー)の登場
場面は変わって、定国公の軍営。一人の少年が軍への参加を志願してきます。それは蒋梅荪(ジャン・メイスン)の甥・宋墨(ソン・モー)でした。蒋梅荪は反対しますが、宋墨(ソン・モー)はあっという間に大将軍・厳朝卿(イェン・チャオチン)を捕まえてしまうほどの腕前(笑)。宋墨が父・宋宜春(ソン・ギシュン)に打たれて家を飛び出してきたことを知った蒋梅荪は、彼を軍に置くことを許可。宋墨も「一番下の兵卒から成り上がってみせる!」と誓います。
数年の時が流れ、宋墨は若き将軍へと成長。一方、竇昭も抜け目のない商家の娘として、世の中の動きを読み、自分が買い占めた品物が金よりも高くなると確信していました。ある日、竇昭はかつて出会った老人との会話を思い出します。老人は石を水に投げるよう促し、「石ころ一つでは川の流れは止められない。いつか海を傾けるほどの力を持った時、全てを覆すことができる」と語ったのです。竇昭は心に誓います。「必ず、その力を手に入れてみせる」と…。
つづく