人気作家の鹿南一(ろくなんいつ)は、3年前に謎の訣別書によって破局した元婚約者・林清秋(りんせいしゅう)と最悪の再会を果たす。なんと彼は、赴任してきたばかりの知府様だった。そんな中、南一の小説の内容とそっくりな殺人事件が発生し、彼女は容疑者として捕らえられてしまう。林清秋は、表向きは厳しく彼女を追及するが、その裏では彼女を保護し、事件の真相と3年前の謎を追い始める。二人のすれ違った恋と、”物語”が現実になる連続殺人事件の行方は――?
「鹿苑記~僕の生意気な彼女~」あらすじネタバレ1話
物語の始まりは、活気あふれる金州の街角。
我らがヒロイン、鹿南一(ろくなんいつ)が、なんと男装して辻講釈師として登場!しかも、彼女が熱弁しているのは、自作の大人気小説(話本)の内容…と見せかけて、元婚約者である林清秋(りんせいしゅう)への恨み節(笑)。
「この薄情者!人でなし!」とばかりに、恋愛の神様である月老の像が“血の涙”を流すという派手なパフォーマンスで、自作の本を売りさばきます。この商魂たくましい感じ、嫌いじゃないです(笑)。
人々が本に殺到する中、一人の男性が本で顔を隠しながら近づいてきます。彼こそが、南一がさんざんこき下ろしていた元婚約者、林清秋(りんせいしゅう)その人!しかも、なんとこの金州に新しく赴任してきた知府様(今でいう市長さんみたいな偉い人)だったのです!
清秋は、南一のインチキ(血の涙は赤いロウが溶けただけ)を冷静に暴き、大衆の面前で彼女に恥をかかせます。プライドを傷つけられた南一は、怒りのあまり清秋の頬をバチーン!と平手打ち!いやー、再会の挨拶がビンタって、激しすぎません!?
実はこの二人、3年前に引き裂かれた悲しい過去が。
お互いに、相手から「婚約は考え直したい」という一方的な“訣別書”を受け取り、破局していたのです。でも、視聴者の皆さんにはお見通しですよね?これ、絶対何者かの陰謀だって!
清秋は3年間ずっと南一を探し続けていたのですが、当の南一は男装までして身を隠し、侍女の小桃(しょうとう)に「綺麗な男なんて薄情なものよ!」と毒づく始末。完全にこじらせちゃってます。
そんな二人が街中で気まずい再会を果たしたその時、事件は起こります。
お祭りの舞で宙を舞った赤い綢(ちゅう/絹布)を、南一がひょいと掴むと…なんとその先には、地元の富商・姫方海(きほうかい)の死体が!ドサッと落ちてきた死体に、街は大パニック!
そして、ここからがこのドラマの恐ろしいところ。
この「赤い綢に吊るされた死体」という状況、なんと南一が書いたばかりの新作小説の筋書きと全く同じだったのです!
当然、南一は殺人事件の重要参考人としてお役所に連行されます。そして、彼女を取り調べる審判官こそ…そう、知府様である林清秋(りんせいしゅう)!
運命のいたずらが過ぎますって!
公堂で、清秋は「なぜ小説の通りに人が死んだ?」と南一を問い詰めます。そして、証拠として彼女の書いた本をすべて押収するよう命令。
「なんて卑劣なやり方なの!」と怒る南一に、清秋はそっと近づき、こう囁くのです。
「お前は、俺のそばにいるしかないんだ」
キャーーー!出ました、ツンデレ知府様の独占欲!
これは罰を与えているように見せかけて、実は彼女を誰かから守ろうとしているんですね!?もう、不器用なんだから!
屋敷に軟禁され、3年前の訣別書を思い出しては「私に恥をかかせたいのね!」と怒りに震える南一。そんな彼女を、さらなる悪夢が襲います。
その夜、うなされて目を覚ました南一は、まだ誰にも見せていない未発表の原稿が、何者かに改ざんされていることに気づきます。そこには「子の刻(真夜中)、城外れの荒れ寺で棺桶が現れる」という、身に覚えのない一文が。
嫌な予感を覚えつつも、侍女の小桃と荒れ寺へ向かうと…そこには悪夢で見たのと同じ棺桶が!恐る恐る蓋を開けると、中には血まみれの男性の死体が!
パニックになった南一が棺に触れて手に血がついた、まさにその瞬間!林清秋が役人たちを連れて登場。「現行犯逮捕」とばかりに、南一は牢屋に入れられてしまうのでした。完全に罠じゃん!
絶体絶命の南一のもとに、今度は謎の商人・付聞淵(ふぶんえん)が現れ、「彼女は私の妻だ」と宣言!大金を積んで南一を解放させようとしますが、清秋は激怒し、彼を追い返します。新たな恋のライバル登場でしょうか!?
一方、清秋は南一の無実を信じていました。自ら検視を行い、死亡推定時刻が南一の到着より前であることを見抜き、真犯人が他にいると確信します。
事件の真相を解明するため、清秋は新たな検視官(仵作)を募集。そこに颯爽と現れたのが、紅い衣装が印象的な美女、宮北音(きゅうほくおん)。彼女の鋭い検視スキルに、部下の雷羽(らいう)も驚きを隠せません。
そして、この北音、実は清秋のいとこ!彼女の登場が、この複雑な事件にどう関わってくるのか…!?
書いた物語が現実になる呪い。
3年前にすれ違った二人の恋。
そして、ヒロインを巡る男たちの火花と、事件の裏に隠された大きな陰謀。
『鹿苑記~僕の生意気な彼女~』第1話の感想
ラブコメ調の軽快な幕開けから一転、自作の物語が現実の殺人事件となる展開に強く引き込まれました。快活なヒロイン鹿南一(ろくなんいつ)と、彼女を突き放すようでいて実は守ろうとする知府・林清秋。3年越しの再会は火花が散るようで見応えがあります。なぜ物語が現実になるのか、誰が彼女を陥れているのか、そして二人の過去の誤解の真相は何か。多くの謎が提示され、今後の展開への興味をかき立てられます。コメディとサスペンスの緩急が見事な初回でした。
つづく