蘭陵王(らんりょうおう)府に突然、役人の祖テイ(そてい)が兵を率いて捜索に現れる。彼の策略により、蘭陵王は謀反という身に覚えのない罪を着せられ、投獄されてしまうという絶体絶命の危機に陥る。一方、王府を去っていた雪舞(せつぶ)は、偶然にも祖母と再会し、共に故郷の村へ帰ることを決意する。しかし、出発の直前、街で蘭陵王の罪状と、自分自身が指名手配されているという衝撃の事実を知ってしまう。愛する人を救うか、自らの身の安全を選ぶか、雪舞は過酷な選択を迫られることになる。
「蘭陵王」あらすじネタバレ14話
物語は、祖テイ(そてい)が兵を率いて蘭陵王(らんりょうおう)府に乗り込んでくるところから始まります。もう、その時点で嫌な予感しかしないわけですが、案の定、彼の狙いはただ一つ。蘭陵王を陥れることでした。
祖テイはまっすぐに雪舞(せつぶ)の部屋へ向かうと、なんと彼女の寝台の下から皇帝を呪うための呪物を見つけ出します。もちろん、これは全て祖テイが仕組んだ罠。しかし、激怒した皇帝の耳には、蘭陵王の弁明など届きません。「謀反を企てた」という濡れ衣を着せられた蘭陵王は、弁解の余地もなく死罪を言い渡され、大牢へと投獄されてしまうのです。
さらに悪質なことに、祖テイは屋敷を去った雪舞のことを「蘭陵王が囲っていた妖女で、妖術で帝位簒奪を助けていた」とまで言いふらします。この卑劣な策略の唯一の目撃者であった鄭児(ていじ)は、祖テイに抗議しようとしますが、逆に口封じのために囚われてしまうのでした。
その頃、何も知らない雪舞は街で偶然にも祖母と再会を果たします。自分のせいで心労が絶えず、すっかりやつれてしまった祖母の姿に、雪舞は胸を痛め、今度こそ一緒に白山(はくさん)村へ帰ろうと決意するのでした。
しかし、運命は彼女に安息の時間を与えてはくれません。故郷へ発つ直前、宿の窓から外を見た雪舞は、壁一面に貼られたお触れ書きに目を奪われます。そこには、「蘭陵王、通敵の罪で死罪」という衝撃的な内容と、なんと自分自身を指名手配する似顔絵が…!
愛する人のもとへ戻れば、自分も捕らえられる。かといって、このまま去れば、蘭陵王は無実の罪で殺されてしまう。究極の選択を迫られた雪舞。彼女は涙をこらえ、祖母に別れを告げると、自らの危険を顧みず、蘭陵王が囚われているであろう大牢へと向かうことを決意するのでした。
『蘭陵王』第14話の感想
今回は、権力者の悪意がどれほど無力な者を追い詰めるのかを、まざまざと見せつけられた回でした。祖テイの策略はあまりに用意周到かつ卑劣で、見ているこちらの胸も締め付けられるようです。蘭陵王がどれだけ潔白を訴えても、皇帝の猜疑心の前では無力だという現実に、深い絶望を感じずにはいられません。一方で、何も知らずに祖母との再会を喜び、ようやく平穏な暮らしに戻れると安堵した雪舞の姿が、その後の過酷な運命との対比でより一層切なく映りました。彼女が自らの指名手配書を破り捨て、愛する人のために再び危険な渦中へ飛び込むと決意した場面は、彼女の愛情の深さと、決して折れない芯の強さを示しています。物語全体が重苦しい空気に包まれていましたが、その中で見せた雪舞の決断に、かすかな光を感じました。
つづく