周の国では、皇帝・宇文ヨウ(うぶんよう)の楊雪舞(せつぶ) への寵愛が日増しに深まり、皇后の激しい嫉妬を招いていた。宇文ヨウの誕生日に起きたある事故をきっかけに、宮廷内の人間関係はさらに複雑にこじれていく。一方、斉の国では、牢に囚われた蘭陵王(らんりょうおう)が脱出のための策を巡らせていた。自分に歪んだ愛情を向ける鄭児(ていじ)の心理を巧みに利用し、絶体絶命の状況から活路を見出そうとするが…。二つの国を舞台に、愛と策略が激しく交錯する。
「蘭陵王」あらすじネタバレ40話
いやあ、今回の『蘭陵王』第40話は、周と斉、二つの国で物語が大きく動きましたね!それぞれの場所で繰り広げられる愛と策略のドラマに、思わず画面に釘付けになってしまいました。早速、手に汗握る展開を振り返っていきましょう!
周国に渦巻く嫉妬の炎
まずは周の国から。宇文ヨウ(うぶんよう)の雪舞(せつぶ)への寵愛は、もう誰の目にも明らか。国政の相談相手として朝廷にまで彼女を同席させる始末で、これには正室である阿史那(あしな)皇后も黙っていられません。夫の心が他の女性に向いている…皇后のプライドはズタズタで、雪舞への憎しみを静かに募らせていく様子が、なんとも恐ろしい空気を醸し出していました。
そんな中、宇文ヨウの誕生日がやってきます。雪舞は彼を喜ばせようと、村人たちと協力して「火樹銀花」という花火のような仕掛けを準備するのですが、これがまさかの大事故に!燃え盛る炎が宇文ヨウに襲い掛かった瞬間、彼は迷わず雪舞をかばい、背中に大火傷を負ってしまいます。
治療を受ける最中、ついに宇文ヨウは雪舞への愛を告白。「お前が欲しい」と、一国の皇帝がすべてをさらけ出す姿は胸に迫るものがありました。しかし、雪舞の心にあるのはただ一人、蘭陵王だけ。彼女はきっぱりと、しかし心を痛めながらその愛を拒絶します。
一方、何も知らずに豪華な宴を用意して夫の帰りを待っていた阿史那皇后。やっと帰ってきたと思ったら、雪舞をかばって負ったという火傷を見て、ついに堪忍袋の緒が切れます。怒りに燃える皇后は、雪舞の頬を激しく平手打ち!これに激怒した宇文ヨウは皇后を厳しく叱責し、二人の夫婦関係は完全に冷え切ってしまうのでした。皇帝の愛が、後宮に大きな亀裂を生んでしまったわけですね。
斉国・囚われの蘭陵王、逆襲の狼煙
さて、場面は変わって斉の国。こちらでは、囚われの蘭陵王(らんりょうおう)が虎視眈々と逆襲の機会を狙っていました。
表向きは仮死状態から目覚め、鄭児(ていじ)の「二人で宮殿を出て暮らしたい」という願いを聞き入れるふりをします。すっかり蘭陵王が自分に心を許したと信じ込む鄭児(ていじ)。彼女は、かつて蘭陵王が拾ってくれたという思い出のかんざしを見せびらかし、彼への愛の深さをアピールします。
しかし、これこそが蘭陵王の狙いでした。鄭児(ていじ)が去った後、蘭陵王がおもむろに取り出したのは、なんと彼女からまんまと騙し取ったそのかんざし!彼は隠し持っていたかんざしの先を使い、自分を繋いでいた手錠の鍵を見事にこじ開けるのです。いやー、さすがは智将・蘭陵王!どんな状況でも冷静に活路を見出す姿には、惚れ惚れしますね。
自由になった蘭陵王は、一直線に鄭児の寝殿へ。何が起きたか分からず呆然とする鄭児の喉元に、今度はかんざしを刃として突きつけます。「宮殿から出す手助けをしろ」と。
ここで初めて自分が利用されただけだと気づいた鄭児は、「あなたの心は石でできているの!?」と泣き叫びますが、もう後の祭り。蘭陵王は彼女の怨嗟の声など気にも留めず、鄭児を人質にして禁軍の包囲を突破。闇夜の中へと消えていきました。鄭児の歪んだ愛が、皮肉にも蘭陵王に自由をもたらす結果となったのです。
『蘭陵王』第40話の感想
今回は、登場人物それぞれの「執着」が物語を大きく動かした回でした。宇文ヨウの雪舞への執着は、彼を一途で情熱的な皇帝に見せる一方で、皇后との決定的な対立を生み、国の安定に影を落とす危うさをはらんでいます。彼の純粋な想いが、結果的に雪舞を苦しめることになるのかと思うと、非常に切ない気持ちになります。
対照的に、鄭児の蘭陵王への執着は、もはや狂気そのものです。しかし、その盲目的な愛さえも、蘭陵王は冷静に利用し尽くします。彼の知略は見事ですが、愛を踏みにじってでも生き延びようとする非情さも感じさせました。誰が正しく、誰が間違っているとは一概に言えない、それぞれの正義と欲望がぶつかり合う重厚な人間ドラマが描かれており、物語の深みを改めて感じさせられました。登場人物たちの選択が、今後どのような運命をたぐり寄せるのか、目が離せません。
つづく