蘭陵王(らんりょうおう)を失った悲しみの中、周の皇帝・宇文ヨウ(うぶんよう)から妃になるよう求められる雪舞(せつぶ)。彼女は蘭陵王への想いから一度は断るものの、宇文ヨウが示した、蘭陵王が生前に残した一通の手紙を見て、心を大きく揺さぶられます。雪舞を想う宇文ヨウは、彼女のために国を動かすほどの驚くべき行動に出ます。

一方、斉の国では、皇帝・高緯(こうい)の寵愛を受ける后・鄭児(ていじ)が、夜な夜な宮殿で不審な動きを見せていました。彼女が抱えるその重大な秘密とは?そして、毒酒を賜り死んだはずの蘭陵王を巡る、誰もが予想しなかった衝撃の真実が、ついに明らかになります。

「蘭陵王」あらすじネタバレ39話

今回の『蘭陵王』第39話は、言葉を失うほどの衝撃展開でしたね! まさか、まさかあの人が…!と、テレビの前で声を上げてしまった方も多いのではないでしょうか。それでは早速、怒涛の展開が繰り広げられた第39話を、興奮冷めやらぬうちに振り返っていきましょう!

周の皇帝・宇文ヨウの深き愛、そして雪舞の決意

物語は周の国から始まります。蘭陵王を失い、悲しみに暮れる雪舞(せつぶ)に対し、周の皇帝・宇文ヨウ(うぶんよう)は、なんと妃として迎え入れると宣言します。もちろん雪舞は、蘭陵王への想いからその申し出を断固として断ります。

しかし、宇文ヨウの想いは本物でした。彼は、蘭陵王が生前に雪舞を託した手紙を見せます。そこには、万が一のことがあれば雪舞を頼む、という蘭陵王の想いが綴られていました。愛する人の最後の願いと、これまで自分を命がけで守ってくれた宇文ヨウの深い愛情を前に、雪舞の心は大きく揺れ動きます。彼女は涙ながらに感謝し、宇文ヨウの申し出を受け入れることを決意するのでした。

この決断は、周の皇后・阿史那(あしな)との間に新たな火種を生むことになりますが、雪舞は自ら皇后のもとを訪れ、後位を狙うつもりはないと誠意をもって伝え、ひとまずはその場を収めます。

宇文ヨウの雪舞への配慮はそれだけにとどまりません。故郷を恋しがる雪舞のために、なんと彼女がかつて暮らしていた斉の国の村人たちを丸ごと周の国へ移住させ、土地と周の民としての身分を与えるという、とてつもないスケールの愛情を見せつけます。国を動かしてまで、ただ一人を想う宇文ヨウの姿には、胸を打たれずにはいられません。

斉の宮殿に渦巻く陰謀と、衝撃の生存劇!

一方、舞台は斉の国へ。皇帝・高緯(こうい)の寵愛を一身に受ける妖妃・鄭児(ていじ)は、夜な夜な高緯(こうい)が眠りにつくと、宮殿の奥深くにある秘密の地下牢へと通っていました。

そして、そこで明かされる衝撃の事実…! なんと、地下牢に鎖で繋がれていたのは、毒酒を飲んで死んだはずの蘭陵王(らんりょうおう)その人だったのです!

そう、すべては鄭児(ていじ)が仕組んだ狂気の計画でした。彼女は蘭陵王に渡された毒酒を、飲むと数時間だけ仮死状態になる薬にすり替えていたのです。愛する人をその手で殺すことだけはできなかった鄭児(ていじ)は、彼を自分のものとして独占するために、生きながらにして監禁するという恐ろしい手段に出たのでした。

蘭陵王が意識を取り戻すと、目の前には甲斐甲斐しく世話を焼く鄭児の姿が。彼女は「雪舞は死んだ」と嘘をつき、雪舞の銀の櫛を見せつけますが、蘭陵王はその言葉の端々にある嘘を鋭く見抜きます。

雪舞が生きていると確信した蘭陵王は、激情を抑え、今は鄭児を信じたふりをして油断させるのが得策だと判断。彼女が去った後、必死で鎖を断ち切ろうとしますが、びくともしません。しかし、彼の瞳には絶望の色はなく、必ずここから脱出し、愛する雪舞のもとへ帰るという固い決意の光が宿っているのでした。

『蘭陵王』第39話の感想

今回のエピソードは、まさに息をのむ展開の連続でした。前半で雪舞が蘭陵王の死を受け入れ、宇文ヨウの愛に応えようと大きな決断をした直後に、後半で蘭陵王の生存が発覚するという構成には、運命の残酷さと皮肉を強く感じさせられました。視聴者としては「生きててよかった!」という安堵と同時に、「なんてことだ、雪舞が決意したばかりなのに…」という、もどかしい気持ちでいっぱいになります。

特に印象的だったのは、やはり鄭児の歪んだ愛情の深さです。蘭陵王を愛するが故に殺せず、しかし自分のものにならないのならと社会的に抹殺し、秘密の場所で永遠に囲おうとする。その執念はもはや狂気の域に達していますが、蘭陵王が生きていたことに涙して喜ぶ姿を見ると、彼女の根底にあるのが純粋な(しかし歪みきった)愛情なのだと分かり、憎しみと共に一種の哀れみすら感じてしまいます。

対照的に描かれる宇文ヨウの愛は、どこまでも誠実で壮大です。愛する女性のために、国境を越えて村一つを引っ越しさせてしまうという発想は、まさに皇帝ならでは。彼の行動は、雪舞個人の幸せだけでなく、結果的に民を救う善政にも繋がっており、その器の大きさに改めて感服させられました。

つづく