1996年、福城。主人公の路小路(ルー・シャオルー)は、人生で最も重要な日である大学統一入学試験(高考)の朝を迎えます。しかし、親友の恋の手伝いのために向かった食品工場で、予期せぬ大騒動に巻き込まれてしまうのです。そこで出会ったのは、工場に新しく赴任してきた謎めいた美しき女医・白藍(バイ・ラン)。この最悪な出会いが、小路の運命を大きく狂わせることに。古き良き時代の空気が漂う中、甘酸っぱくてほろ苦い青春の歯車が、今、ゆっくりと、そして激しく回り始めます。

「青い恋 1996~少年バビロン~」あらすじネタバレ1話

1996年、福城。主人公の路小路(ルー・シャオルー)は、女優のジョイ・ウォンと見つめ合う甘い夢から覚めます。現実では、お母さんの「早く起きなさい!」という声。そう、この日は彼の人生を左右する大学統一入学試験、通称「高考」の日なのです。

朝食の席で、母親は「最近物騒だから、試験が終わったらまっすぐ帰ってきなさい。あんたは髪が長いから女の子に間違われる」と心配しきり。父親が「俺に似て秀麗なんだ」と茶化せば、夫婦喧嘩が勃発。小路はその隙にラジカセを持って家を飛び出します。

しかし、小路が向かったのは試験会場…ではなく、食品工場。親友の李光南(リー・グアンナン)が想いを寄せる秦娟(チン・ジュエン)の誕生日を祝うため、ラジカセで愛の告白を手伝うという、なんとも青春な計画のためでした。

ところが、この計画がとんでもない事態を引き起こします。秦娟(チン・ジュエン)は二人のことを「チンピラ」と呼び、工場の職員たちが集まってきて大騒ぎに。小路は「高考に行かないと!」と叫びますが、誰も信じてくれません。乱闘騒ぎになる中、ちょうど工場に赴任してきた新米の美人女医・白藍(バイ・ラン)と最悪の出会いを果たします。小路はなんと、彼女のスーツケースを武器代わりに振り回し、中身をぶちまけてしまうのです!

騒ぎは警備員に鎮められますが、誰が先に手を出したかという話になった時、白藍(バイ・ラン)はあっさりと「彼(小路)が先に手を出しました」と証言。これにより小路は警察に連行され、人生で最も重要なはずの高考を受けられなくなってしまいました。

結局、試験に遅刻した小路は、同じく騒ぎに加わった李光南(リー・グアンナン)と試験場の外でサトウキビをかじりながら、「とりあえず今夜を生き延びないと」と、途方に暮れるのでした。

話を聞きつけた小路の兄・路大江(ルー・ダージアン)が弟の仇を討つべく工場に乗り込みますが、なんと白藍に警棒のようなもので一撃KOされる始末。この女医、ただ者ではありません…。

一ヶ月後、高考に落ちた小路と李光南は、因縁の食品工場で働くことになります。そこで小路は、またしても大失態を演じます。放送室でマイクのスイッチを切り忘れ、秦娟と「白藍は昔、人を殺したらしい」という衝撃的な噂話をしてしまい、その内容が工場全体に響き渡ってしまったのです!

物語のラスト、雨の中を一人自転車で帰る白藍の後ろを、レインコートを着た怪しい人影が静かにつけていくところで、第1話は幕を閉じます。

『青い恋 1996~少年バビロン~』第1話の感想

1996年という時代の空気感が、ラジカセや工場の風景からリアルに伝わってきて、一気に物語の世界に引き込まれました。主人公の路小路(ルー・シャオルー)は、お調子者で次々とトラブルを巻き起こしますが、どこか憎めない愛すべきキャラクターですね。そして、ミステリアスなヒロイン白藍との出会いも、スーツケースを武器にするなんて衝撃的で、忘れられないシーンになりました。コメディタッチで進む青春物語かと思いきや、放送されてしまった不穏な噂や、ラストのサスペンスフルな展開など、一筋縄ではいかない雰囲気が漂っています。甘酸っぱいだけの青春ドラマでは終わらなそうな、独特の魅力と危うさを秘めた物語の始まりに、すっかり心を掴まれました。

つづく