島に現れた怪獣との死闘の末、褚思鏡(ちょ・しきょう)は仲間と共に辛くもこれを退ける。しかし、その裏で島の少女・沈淙(しん・そう)が何者かに操られているという衝撃の事実を知ることに。一方、この島で蔓延する奇病の兆候が、ついに褚思鏡自身の体にも現れ始める。行方不明の弟の謎、そして自らの体の異変に焦る褚思鏡に対し、島の秘密を知る沈譲(しん・じょう)は固く口を閉ざしていた。しかし、ある出来事をきっかけに、彼はついに2年前に起きた悲劇について重い口を開き始める。島の深き闇へと、物語はさらに加速していく。

「天啓異聞録」あらすじネタバレ8話

いやあ、『天啓(てんけい)異聞録』第8話、とんでもない展開でしたね…。息つく暇もないとは、まさにこのこと。謎が少し解けたかと思えば、さらに深い闇が顔をのぞかせる。この島、一体どうなってるんでしょうか。さっそく、怒涛の第8話を振り返っていきましょう!

怪獣との死闘、そして操られる沈淙(しん・そう)

物語は、突如現れた怪獣との激しい戦闘シーンから幕を開けます。アンジェリカ隊長の号令で一斉に銃弾が浴びせられますが、まるで効果なし。この怪獣、硬すぎです!

ここで我らが褚思鏡(ちょ・しきょう)が、伯顔(バヤン)、そして沈譲(しん・じょう)と連携プレイを見せます。三人がかりで怪獣の両腕を地面に釘付けにし、火铳(火縄銃)を起爆! さすがに堪えたのか、怪獣は手負いのまま森の奥へと逃げていきました。

しかし、安堵したのも束の間。褚思鏡(ちょ・しきょう)が目にしたのは、信じがたい光景でした。なんと、あの賀子礁(が・ししょう)が沈淙(しん・そう)を操り、「あの怪物を殺せ」と囁いているのです。褚思鏡(ちょ・しきょう)が必死に呼びかけますが、沈淙(しん・そう)の瞳は赤く燃え、まるで彼のことが分からないかのよう。彼女は完全に賀子礁(が・ししょう)の傀儡と化してしまったのでした。

褚思鏡を蝕む病と、沈譲(しん・じょう)の沈黙

沈譲(しん・じょう)と合流した褚思鏡は、沈淙が賀子礁(が・ししょう)に操られていること、そして今回の怪獣が沈淙の命令に従っていたかのように見えたことを伝えます。沈譲は、この島で蔓延する奇病について語り始めました。初期症状は風邪のようだが、やがて傷口にかさぶたができ、理性を失い、最後には怪物になってしまうのだと。

その言葉に、褚思鏡は自分の首筋にできたかさぶたに触れます。まさか自分も…? 彼は、この島で何が起きているのか、そして行方不明の弟に何があったのか、すべてを教えてくれと沈譲に詰め寄ります。しかし、沈譲は「君のためだ」と、固く口を閉ざしてしまうのでした。

真実を教えられない焦りと絶望から、褚思鏡の顔には青筋が浮かび、灰色の鱗のようなものが現れ始めます。怪物化の兆候です。沈譲は「怒りを抑えろ。さもないと、二度と人には戻れなくなるぞ」と冷たく警告するのでした。

伯顔(バヤン)との衝突、そして残酷な真実

怒りに任せて島を出ようとする褚思鏡の前に、伯顔(バヤン)が立ちはだかります。「大明の役人として、島の民を見捨てるのか」と。弟の手がかりすら掴めず、自分も怪物になりかけているというのに、何も教えてくれない沈譲への不信感。褚思鏡の心は限界でした。伯顔が彼を試すように「お前の弟はもう死んだ」と挑発した瞬間、褚思鏡の拳が伯顔を殴り飛ばしていました。

その夜、褚思鏡は一人、海辺で絶望に打ちひしがれていました。ふと腕を見ると、そこは灰色の痂皮でびっしりと覆われています。死ぬのは怖くない。だが、こんな訳も分からないまま死ぬのはごめんだ…。静かに涙を流す彼の元に、伯顔と沈譲が現れます。

沈譲は褚思鏡をある場所へ連れて行きました。そこにいたのは、苦しそうに横たわる一匹の弱々しい怪獣。沈譲は褚思鏡の目の前で、その怪獣を刃で一突きにして殺します。そして、こう告げたのです。

「こいつが、芊児(せんじ)だ」

芊児…沈淙から聞いた名でした。風邪をひいた者の一部は、彼女が処方した薬草で治ったという…。沈譲はさらに、褚思鏡の弟の名が刻まれた令牌(身分証)を取り出し、ついに2年前に起きた出来事を語り始めるのでした。

2年前の回想…「横公血祭」の謎

2年前、島に戻った沈譲は、人とも獣ともつかぬ異様なものと遭遇します。島の住民たちの様子もどこかおかしい。そして、久しぶりに再会した妻・蘇牧冉(そ・ぼくぜん)も、何かを隠しているようでした。

その夜、沈譲は偶然にも石窟で行われていた不気味な儀式を目撃してしまいます。黒装束に血のような赤い笠をかぶった人々が集う「横公血祭」。その中に、彼は信じられない人物の姿を見つけてしまうのです。それは、彼の妻、蘇牧冉(そ・ぼくぜん)でした…。

ここで第8話は幕を閉じます。いやー、最後の衝撃がすごい!

『天啓(てんけい)異聞録』第8話の感想

第8話は、これまで散りばめられてきた多くの謎が、より具体的で残酷な輪郭を帯びてきた回でした。特に、主人公である褚思鏡自身が怪物化の危機に直面するという展開は、物語に一層の緊迫感と悲壮感を与えています。彼の焦りや絶望が画面越しにひしひしと伝わってきて、見ているこちらの胸も締め付けられるようでした。

また、頑なに口を閉ざしていた沈譲が、ついに過去を語り始めた点も大きな転換点です。彼が芊児を殺すシーンは非常にショッキングでしたが、それだけ彼が背負ってきたものの重さを物語っています。そして、彼の口から語られる2年前の出来事と、妻が関わる謎の儀式「横公血祭」。この新たな謎が、物語をさらに深い次元へと引き込んでいきます。アクション、サスペンス、そして人間ドラマが濃密に絡み合い、非常に見ごたえのある一話だったと感じます。

つづく