ナノマテリアル研究者・汪淼(ワン・ミャオ)の周りで、奇妙な出来事が起こり始める。世界中の著名な科学者たちが、「物理学は存在しない」という謎の言葉を残して次々と自殺していたのだ。ある日、彼の元に軍と警察が現れ、一連の事件の調査協力を依頼される。それは、事件の鍵を握るとされる謎の学術組織「科学境界」への潜入捜査だった。常識が通用しない巨大な謎を前に、汪淼(ワン・ミャオ)は自身の信じる科学と世界の真実の狭間で揺れ動く。これは、未知の脅威との静かなる戦争の始まりだった。
「三体」あらすじネタバレ1話
どうも!長年ドラマを追いかけている僕が、今回はとんでもない作品に出会ってしまいました。そう、ドラマ『三体』です。壮大なスケールと深い謎に、初回から完全に心を掴まれました。さっそく第1話の世界に皆さんをご案内しましょう!
物語は2007年の北京から始まります。オリンピックを翌年に控え、街が活気に満ち溢れる中、一人の天才女性物理学者、楊冬(ヤン・ドン)が自ら命を絶つという衝撃的な事件が発生します。彼女が残した遺書には、ただ一言、「物理学は存在しない」とだけ。
この不可解な事件は、実は氷山の一角でした。ここ数年、世界中でトップクラスの科学者たちが次々と自殺しており、その誰もが楊冬(ヤン・ドン)と同じように「物理学は存在しない」という考えに取り憑かれていたのです。科学界全体が、静かでありながら致命的なパニックに陥っていました。
そんな中、ナノマテリアル研究の第一人者である汪淼(ワン・ミャオ)の日常に、無骨で少々ガサツな刑事、史強(シー・チアン)が土足で踏み込んできます。彼は軍と行動を共にしており、汪淼(ワン・ミャオ)が「科学境界(かがくきょうかい)」という国際的な学術組織と接触したことについて探りを入れてきました。汪淼は合法的な学術団体なのになぜ、と不快感を露わにしますが、半ば強引に軍の作戦センターへ同行させられることになります。
古びた博物館を改装したという作戦センターで汪淼を待っていたのは、常偉思(チャン・ウェイスー)と名乗る司令官でした。彼は、一連の科学者の自殺が、正体不明の「敵」による攻撃であると告げます。敵の狙いは、人類の科学の進歩そのものを止めること。そして、そのための手段が、科学者たちの信念を根底から破壊することだったのです。
汪淼は、自殺した楊冬の恋人であった物理学者、丁儀(ディン・イー)から彼女の遺書を見せてもらい、改めて「物理学は存在しない」という言葉の重みに打ちのめされます。
常司令官は、汪淼に驚くべき任務を依頼します。それは、事件の鍵を握るとされる「科学境界」に潜入し、内部情報を探ること。あまりに非現実的な話に、科学者としての矜持から汪淼は頑なに拒否します。しかし、常司令官は彼にこう告げるのです。「これは戦争だ。人類が偶然手にしてきた幸運な時代は、もうすぐ終わる」と。
自分の信じてきた科学、そして世界の常識が根底から覆されていく感覚に、汪死はただ立ち尽くすしかありませんでした。
なぜ「科学境界」は汪淼に接触してきたのか?そして、人類の「敵」とは一体何者なのか?壮大な謎の幕が、静かに上がったのです。
『三体』第1話の感想
第1話は、静かながらも重厚な世界観で、じわじわと日常が侵食されていく不気味さを見事に描き出していました。派手なアクションがあるわけではないのに、登場人物たちの会話や表情の一つ一つから、とてつもなく大きな何かが動き出している緊張感が伝わってきます。「物理学は存在しない」という中心的な謎は、知的な恐怖を掻き立てられ、物語の深淵を覗き込んでいるような感覚に陥りました。主人公である実直な科学者・汪淼と、粗野だが本質を見抜く力を持っていそうな刑事・史強(シー・チアン)という、対照的な二人の今後の関係性も非常に楽しみです。これから明かされていくであろう壮大な物語の序章として、完璧なスタートだったと感じています。
つづく