科学者・申玉菲の突然の死に、汪淼は大きな衝撃を受ける。彼女の死の真相を探るため、そしてVRゲーム「三体」に隠された謎を解明するため、彼はゲームのオフラインミーティングへの参加を決意する。そこで汪淼を待っていたのは、ゲームの枠を遥かに超えた、想像を絶する真実だった。一方、史強ら警察も捜査を進めるが、見えない巨大な力に阻まれてしまう。これまで散りばめられてきた謎が一つに繋がり、物語が新たな局面を迎える、転換点の重要エピソード。
「三体」あらすじネタバレ21話
いやあ、今回の第21話は、これまでの謎が一気に解き明かされる、とんでもない回でしたね。申玉菲(シェン・ユーフェイ)の死から始まったエピソードは、思いもよらない方向へと突き進んでいきました。
申玉菲(シェン・ユーフェイ)の死、そして残された謎
物語は、潘寒(パン・ハン)が警察で尋問を受けるシーンから始まります。彼は申玉菲(シェン・ユーフェイ)が亡くなる直前に会っていた最後の人物。ですが、監視カメラには彼が去った後に申玉菲が一人で長く座り込み、自ら命を絶つ姿が映っており、検死報告も自殺と断定。彼の不敵な態度に、史強(シー・チアン)も悔しさをにじませます。
一方、意識を取り戻した夫の魏成(ウェイ・チョン)は、妻の死を知り、現実を受け入れられずに泣き崩れ、そしてまた狂ったように三体問題の計算に没頭し始めます。
汪淼(ワン・ミャオ)にとっても、申玉菲の死は大きな衝撃でした。ついさっきまで言葉を交わした相手が、冷たい亡骸になってしまうなんて…。彼女は敵ではなかったはず。なぜ自殺しなければならなかったのか?全てはあのVRゲーム「三体」の中に答えがあるはずだと、彼は決意を新たにします。そんな彼のもとに、三体ゲームのオフラインミーティングへの招待メールが届くのでした。
オフラインミーティング、それは地球三体組織(ETO)への入り口
史強(シー・チアン)に「行ってこい。我々には感傷に浸っている時間はない」と背中を押され、汪淼(ワン・ミャオ)は指定された場所へ向かいます。そこにいたのは、潘寒を主催者とする、ごく少数の人々。しかし、ここまでゲームを進めてこられただけあって、誰もがただ者ではない雰囲気を漂わせています。
汪淼(ワン・ミャオ)は史強(シー・チアン)とスマホで連絡を取りつつ、核心に迫る質問を投げかけます。「三体は、本当にただのゲームなのでしょうか?もし、三体世界が実在するとしたら…?」
潘寒は、その問いを肯定します。そして、三体文明が新たな故郷を探しているとしたら、皆はどうするかと態度を問うのです。参加者の多くが、腐敗したこの世界を変えるために三体文明の到来を熱望する中、汪淼は壇上に上がることを選択。これを機に、彼は地球三体組織(通称ETO)に足を踏み入れることになります。
敵は異星人―作戦指揮センターの激震
汪淼はついに確信します。宇宙の瞬きも、目の前に現れたカウントダウンも、すべては申玉菲が「主」と呼んだ存在、つまり三体文明の仕業だったのだと。彼らの超絶的な科学力の前では、警察がどんなに捜査しても証拠一つ掴めないのも当然でした。
汪淼からの報告を受けた史強は、すぐさま常偉思(チャン・ウェイスー)司令官に報告。敵の正体が「外星人(宇宙人)」であるという事実に、作戦指揮センターは震撼します。常偉思(チャン・ウェイスー)は直ちに緊急会議を招集し、三体文明の情報を握るであろう地球三体組織の解明と、全世界が団結してこの危機に立ち向かう必要性を訴えました。
同じ頃、ジャーナリストの慕星(ムー・シン)は、潘寒から「主」の情報を得て独自に調査を進めていました。史強は彼女に協力を要請し、潘寒のPCにハッキングを仕掛けるよう依頼しますが、なんと彼女は既にトロイの木馬を仕掛けていたのです。しかし、強力な暗号化によって中身を見ることはできない状態でした。
物語は、作戦指揮センターが必死の暗号解読を進める裏で、潘寒が黒幕であるエヴァンズ(伊文斯(エヴァンズ))に三体ゲームサーバーの停止を進言する、不気味な電話で幕を閉じます。ついに、人類の敵がその姿を現したのです。
『三体』第21話の感想
これまで散りばめられてきた数々の謎が、ついに「異星文明」という一つの壮大な真実に収束していく様に、ただただ圧倒されました。申玉菲の死という個人的な悲劇から、一気に人類全体の存亡をかけた物語へとスケールが拡大していく展開は見事です。特に、汪淼がオフラインミーティングで地球三体組織(ETO)の存在を目の当たりにする場面は、緊張感に満ちていました。人類に絶望し、異星の「主」による救済を待望する人々。その思想は、ある意味で非常に現実的で、深く考えさせられるものがあります。汪淼が潜入を決意し、危険な道へと足を踏み入れたことで、物語は新たな段階に入りました。ここから人類がどう反撃していくのか、その壮大な戦略の序章が始まったのだと感じさせる、非常に重厚な一話でした。
つづく