ある殺人事件の捜査線上に、意外な人物が浮かび上がる。その人物と主人公・汪淼(ワン・ミャオ)との関係が、物語に新たな謎を投げかける。一方、史強(シー・チアン)に背中を押され、汪淼(ワン・ミャオ)はついに地球三体組織(ETO)の集会へ潜入することを決意する。そこで彼を待ち受けていたのは、組織を二分する激しい内部対立と、想像を絶する「統帥」の正体だった。これまで散りばめられてきた伏線が一つに繋がり、物語は核心へと大きく動き出す。

「三体」あらすじネタバレ23話

いやあ、今回の第23話は、これまで積み重ねてきた謎が一気に動き出す、まさに神回でしたね!息を呑むとはこのこと。さっそく、衝撃の展開を振り返っていきましょう!

すべての道は彼女に通ず

物語は、ジャーナリスト・慕星(ムー・シン)の死の謎から核心に迫っていきます。彼女が死の直前に調べていたのは、なんと清華大学。そう、あの葉文潔(イエ・ウェンジエ)(青年期)の母校です。

さらに、葉文潔(イエ・ウェンジエ)(青年期)の護衛役として影のように付き従う謎の女性、陳雪(チェン・シュエ)の過去も明らかに。彼女もかつて清華大学に合格していましたが、何者かが大金と引き換えにその合格を取り消させたというのです。その結果、母娘は断絶。そして、失意の彼女に手を差し伸べたのが、葉文潔(イエ・ウェンジエ)(青年期)でした。

すべての線が葉文潔(イエ・ウェンジエ)(青年期)へと繋がっていく状況に、汪淼(ワン・ミャオ)は混乱を隠せません。だって、彼女は自殺した愛娘・楊冬(ヤン・ドン)の母親なのですから。そんな彼に、史強(シー・チアン)は「敵に情けをかけるな!」と一喝。これから地球三体組織(ETO)の集会に潜入する汪淼(ワン・ミャオ)にとって、その非情なまでの言葉は、厳しい現実を突きつけるものでした。

地球三体組織(ETO)集会、戦慄の幕開け

そして、運命の集会当日。汪淼(ワン・ミャオ)が指定された場所に足を踏み入れると、そこは熱狂と怒号が渦巻く異様な空間でした。メンバーたちは激しく何かを議論しています。

壇上では、過激な思想を持つ潘寒(パン・ハン)が、なんと自ら申玉菲(シェン・ユーフェイ)殺害を告白!これに救済派のメンバーは激怒しますが、潘寒は「統帥は我々、降臨派の味方だ!」と豪語します。組織内の対立は、もはや一触即発の状態です。

会場が混乱に包まれたその時、ついに「統帥」が姿を現します。ゆっくりと壇上へ向かうその人物を見て、汪淼は自分の目を疑いました。

そこに立っていたのは、葉文潔(イエ・ウェンジエ)(青年期)、その人だったのです。

粛清、そして紅岸の追憶へ

驚愕する汪淼をよそに、葉文潔は冷徹に場を支配します。彼女は、潘寒と伊文斯(エヴァンズ)率いる「降臨派」が、全人類の絶滅という本来の目的とは異なる過激な思想に走り、組織を欺いていたことを暴露します。彼らは「主」からのメッセージを独占し、偽りの情報を流していたのです。そして、その裏切りの証拠を提供したのは、かつて降臨派の中心にいながらも、心では人類の救済を願っていた申玉菲(シェン・ユーフェイ)でした。

「降臨派の問題を解決する」

葉文潔がそう宣言した瞬間、陳雪が潘寒の首を素早くへし折ります。悲鳴もなく崩れ落ちる潘寒の体は、無情にも引きずられていきました。

目の前で起きた容赦ない粛清に、汪淼は恐怖で凍りつきます。そんな彼に視線を向けた葉文潔は、集まったメンバーたちに彼を紹介します。「彼、汪淼のナノ研究こそ、『主』が地球で最初に破壊しようとしている技術です」と。

冷静さを取り戻した汪淼は問いかけます。「なぜ、ナノテクノロジーを?」

葉文潔は直接答えず、静かに語り始めました。すべての始まりとなった、「紅岸基地」での過去の出来事を…。物語は、ついにその原点へと遡っていくのです。

『三体』第23話の感想

今回のエピソードは、物語の構図を根底から覆すような、強烈な一撃でした。葉文潔がただの悲劇の人物ではなく、地球三体組織という巨大なムーブメントを率いる「統帥」であったという事実は、これまでの彼女に対する見方を180度変えさせます。人類に絶望しながらも、その未来を憂う彼女の瞳の奥には、計り知れないほどの複雑な感情が渦巻いているのでしょう。彼女が下した潘寒への冷徹な粛清は、理想を実現するためには非情な決断も厭わないという、彼女の強い意志の表れでした。派閥間の生々しい対立と、一瞬で人の命が奪われる緊張感は、このドラマが単なるSFではなく、人間の業を描く重厚な物語であることを改めて示しています。静かな語り口の中に秘められた彼女の狂気とカリスマ性に、ただただ圧倒されるばかりでした。

つづく