大晦日の夜、荘潔(ジュアン・ジエ)は母親と激しく口論し、家を飛び出してしまう。陳麦冬(チェン・マイドン)と合流し、二人きりの時間を過ごす中で、親密な雰囲気が流れるが、ある出来事をきっかけに二人の心は大きくすれ違ってしまう。荘潔の抱える心の傷と、陳麦冬の深い愛情が、予期せぬ形で衝突し、二人の関係に決定的な亀裂を生むことに。聖なる夜に起きた悲しい事件は、彼らの恋の行方に暗い影を落とす。
「春色の恋人」あらすじネタバレ15話
いやあ、『春色の恋人』第15話、来ましたね…。大晦日の華やかな雰囲気とは裏腹に、胸が締め付けられるような展開でした。早速、波乱の第15話を振り返っていきましょう!
輝かしい新年を祝う灯りが街を照らす大晦日の夜。しかし、荘潔(ジュアン・ジエ)の家は重苦しい空気に包まれていました。食卓にはご馳走が並んでいるのに、一番大切な笑顔がありません。亡き父たちの遺影が並び、母・廖濤(リャオ・タオ) の心は沈んでいます。
そんな中、荘潔(ジュアン・ジエ)が友人と年越しを過ごすために外出しようとすると、母はそれが陳麦冬(チェン・マイドン)との約束だと察し、不満を爆発させます。「まともな家の娘が、こんな時間に遊び歩くものじゃない」と。
荘潔(ジュアン・ジエ)は、この足のせいで多くのことを諦めてきたと感情的に反論し、家を飛び出してしまいます。追いかけてきた妹・荘研(ジュアン・イェン)から、工場の事故で母の機嫌が悪かったことを聞かされますが、荘潔の心は晴れません。困難に立ち向かう強い気質が母親とそっくりだからこそ、二人は激しくぶつかってしまうのですね。
一方、陳麦冬(チェン・マイドン)は祖母の世話を済ませ、荘潔とバーで合流します。少しお酒が入って良い雰囲気になった二人。荘潔が甘えるように陳麦冬(チェン・マイドン)の首に腕を回し、親密な言葉を囁いていたその時…!見知らぬ男に体を触られるという許しがたい出来事が起こります。心の奥底で燃え上がった怒りを抑えきれなくなった荘潔は、椅子を掴んで男に殴りかかろうとしました。
幸いにも大事には至らず、陳麦冬は興奮する荘潔を連れて、自身が購入した新居へと向かいます。初めて訪れる彼の家で、荘潔は心からの安らぎを感じていました。そして、部屋の片隅に、二人がかつて演じた「木」を模した泥人形が飾られているのを見つけます。それは、陳麦冬が彼女のために特注したものでした。
最高の雰囲気の中、荘潔は自ら陳麦冬の膝の上に乗り、キスをしながら彼を誘います。母親への反発心も手伝って、彼女の行動はどんどん大胆になっていきました。
荘潔の本気を感じ取った陳麦冬も、その想いに応えようとします。そして、彼が彼女の義足を外そうとそっと手を伸ばした、その瞬間でした。
その行為によって、荘潔は現実に引き戻されます。彼女は陳麦冬を突き飛ばし、「無理やりしないで!」と激しく非難しました。信じられないという顔で立ち尽くす陳麦冬を背に、荘潔は怒りにまかせてあの泥人形を床に叩きつけ、部屋を飛び出してしまいます。
帰り道、バイクの後ろに乗る荘潔と、運転する陳麦冬の間には、重い沈黙が流れるだけ。家の前で、ついに陳麦冬が口を開きます。
「自分には、君のように軽やかな気持ちで感情を扱うことはできない。この中途半端な関係は、もう終わりにしよう」
それは、あまりにも悲しい別れの言葉でした。
このエピソードは、荘潔と陳麦冬だけでなく、友人たちの関係にも変化をもたらします。荘潔から電話で愚痴を聞かされた親友の王西夏(ワン・シーシア)は、意外にも彼女を叱咤。「大人の恋愛でしょう。先に誘ったのはあなたなのに、被害者ぶるのはおかしい」と、手厳しいながらも的確な言葉で友人を諭すのでした。
『春色の恋人』第15話の感想
今回のエピソードは、登場人物たちの心の奥深くにある傷やコンプレックスが、最も脆い形で現れた回だったと感じます。特に荘潔の行動は、母親への反発心と、陳麦冬への愛情、そして自身の障害に対する複雑な感情が絡み合い、観ていて胸が苦しくなりました。彼女が陳麦冬を求めたのは本心でありながら、彼が彼女の最もデリケートな部分である義足に触れようとした瞬間、拒絶してしまったのは、彼女が心の鎧を脱ぐことへの恐怖の表れでしょう。一方で、陳麦冬の行動は、彼女を全て受け入れようとする優しさから来たもの。この致命的なすれ違いが、あまりにも切ないです。また、親友・王西夏の「自信過剰は自惚れになる」という言葉は、物語に厳しい現実を突きつけ、深みを与えていました。友人だからこそ言える、愛のある叱咤だったと思います。
つづく