高校の同級生だったことが判明した麦冬と荘潔(ジュアン・ジエ)。麦冬の祖母は荘潔をすっかり気に入り、二人の仲を取り持とうと張り切る。しかし、親友との会話から、荘潔は麦冬が高校時代に起こした事件という暗い過去を知ってしまう。一方、麦冬も荘潔が抱える大きな秘密を祖母に打ち明けるが、彼の心にはまだ忘れられない元カノの影があった。そんな中、それぞれの家族が抱える問題も浮き彫りになり、二人の距離は近づいたかと思うと、また離れていく。
「春色の恋人」あらすじネタバレ2話
いやあ、第2話もグッとくる展開でしたね!ただの再会ラブストーリーじゃない、『春色の恋人』の奥深さがひしひしと伝わってきました。運命に引き寄せられたかのように再会した麦冬(マイドン)と荘潔(ジュアン・ジエ)ですが、そう簡単にはいきませんよね。今回は、二人の間に横たわる過去の影と、一筋縄ではいかない家族の物語が描かれました。
おばあちゃんの猛プッシュと、麦冬の重い過去
前回、偶然にも屋台で再会した麦冬と荘潔(ジュアン・ジエ)。しかも、麦冬のおばあちゃんが元卓球コーチだった荘潔(ジュアン・ジエ)をいたく気に入り、孫の嫁に!と猛烈アピールを開始します。おばあちゃん、なかなかのやり手です(笑)。麦冬はそんな祖母の勢いを察して、荘潔にこっそり合図を送り、その場を切り抜けさせます。このあたりの二人のあうんの呼吸、高校の同級生だったという事実がじわじわ効いてきますね。
しかし、物語は甘いだけじゃないんです。荘潔が親友の王西夏(ワン・シーシア)に麦冬のことを話すと、衝撃の事実が。なんと麦冬は高校3年の時、傷害事件を起こして、もう少しで相手の命を奪うところだったというのです。彼の父親が事業で成功した後に愛人を作り、母親と泥沼の離婚劇を繰り広げたこと、そのせいで12歳の頃から祖父母に預けられていたという複雑な家庭環境も明らかに。今は遺体修復師という公務員の職に就き、真面目に生きている麦冬ですが、心には深い傷と影を抱えているようです。
荘潔の秘密と、元カノの存在
一方、麦冬も祖母に荘潔の秘密を打ち明けます。彼女が交通事故で右足の膝から下を失い、義足であることを。それを聞いたおばあちゃん、一瞬は言葉を失いますが、「それでもうちの孫にはもったいないくらいだ!」と一喝。孫がいつまでも独り身なのは、元カノの宋怡(ソン・イー)を引きずっているからだと考えているようです。その言葉通り、麦冬は部屋で宋怡からの結婚式の招待状を手に、複雑な表情を浮かべていました。過去の事件、そして忘れられない恋人…麦冬の心の中は、まだ春には遠いようです。
一癖も二癖もある荘潔の家族
場面は変わって荘潔の家。こちらもなかなかにぎやか…というか、一触即発の雰囲気です。芸術家志望で、ガチョウを抱いて帰ってくるような個性的な弟の荘研(ジュアン・イェン)。母親の廖濤(リャオ・タオ) はそんな息子が理解できず、安定した職業に就かせようと必死で、二人はいつも衝突ばかり。この母と弟のバトルも、今後の物語に大きく関わってきそうですね。
屋台での再会と、残酷なすれ違い
物語のクライマックスは、再びの屋台シーン。弟の荘研(ジュアン・イェン)がやけ酒を飲んでいるのを、荘潔が探しにきます。すると、隣のテーブルには、職場の同僚たちと話す麦冬の姿が。
結婚で好きな仕事を辞めざるを得なくなった同僚を、麦冬は彼らしい言葉で慰めます。遺体修復師として死と向き合う彼の口から語られるのは、肉体の腐敗は死のもう一つの真実に過ぎないこと、仏教には腐っていく死体を見て生命への警鐘とする「九相図」という考え方があること…。
その専門的で、あまりにも生々しい話に、隣で聞いていた弟の荘研(ジュアン・イェン)が耐えきれず、その場で嘔吐してしまいます。その異変に気づいた麦冬は話を止め、静かに席を立つと、何も言わずに荘潔の真横を通り過ぎて帰っていくのでした。まるで、高校時代に何も言わずにすれ違った、あの時のように…。
近づいたかと思えば、見えない壁に阻まれてすれ違う二人。それぞれの過去と家族の問題が、重くのしかかります。
『春色の恋人』第2話の感想
第2話は、単なる恋愛模様だけでなく、登場人物一人ひとりが抱える人生の痛みや複雑さが丁寧に描かれていて、より一層物語に引き込まれました。特に印象的だったのは、麦冬が自身の職業について語るシーンです。彼の言葉は、死という重いテーマを扱いながらも、そこには確固たる哲学と優しさが感じられました。それは彼が過去の過ちと向き合い、多くの死に触れる中で築き上げてきたものなのでしょう。一方で、その言葉が意図せず荘潔の弟を傷つけ、結果的に荘潔との間に気まずい空気を作ってしまう皮肉な展開は、人と人が本当に理解し合うことの難しさを象徴しているようでした。それぞれが抱える「普通」ではない現実。このどうしようもないもどかしさが、このドラマの大きな魅力だと感じます。二人の心が本当の意味で触れ合う日は来るのでしょうか。
つづく