宝の地図の鍵を握る卓不凡(ジュオ・ブーファン)一行を追う、朝廷の密命を受けた穆青(ムー・チン)と、正義を信じる県衙(けんが)の王家洛(ワン・ジアルオ)。しかし、彼らの追跡は、融天嶺側が仕掛けた巧妙な陽動作戦によって翻弄される。卓不凡(ジュオ・ブーファン)を逃がすため、ある人物が犠牲となって穆青(ムー・チン)たちの前に立ちはだかる。それぞれの信念がぶつかり合う中、事態は新たな局面を迎え、物語の舞台は福建へと移っていく。

「天行健~革命前夜、風立ちぬ~」あらすじネタバレ16話

いやはや、今回の『天行健』第16話は、胸が締め付けられるような展開の連続でしたね。それぞれの正義と信念が激しくぶつかり合い、その結果として多くの血が流れることになりました。まさに、タイトルの通り「革命前夜」の嵐が吹き荒れる、そんなエピソードだったと言えるでしょう。

卓不凡(ジュオ・ブーファン)の恐るべき策謀!仲間を犠牲にする非情の選択

前回、穆青(ムー・チン)と王家洛(ワン・ジアルオ)は、ついに卓不凡(ジュオ・ブーファン)一行の尻尾を掴んだかに見えました。しかし、それは全て卓不凡(ジュオ・ブーファン)が仕掛けた巧妙な罠だったのです。

なんと卓不凡は、師伯である莫堃(モー・クン)を「おとり」として使い、自分たちが山東の安慧寺に向かっていると見せかけていました。これは、穆青(ムー・チン)率いる内務府と王家洛(ワン・ジアルオ)の北洋軍の目を欺き、本当の目的地である「福建の安慧寺」へ向かう時間を稼ぐための非情な策だったのです。

この事実を知らされた于煥傑(ユー・ホアンジエ)は激怒しますが、師伯の莫堃は「これは融天嶺を再興するための最善の策だ」と彼を諭し、卓不凡を恨むことを固く禁じます。そして、于煥傑たちを南へ逃がすため、たった一人で穆青(ムー・チン)の前に立ちはだかるのでした。師伯の覚悟、そして融天嶺への深い愛情に、思わず胸が熱くなります。

二つの悲しき決闘、散りゆく命

穆青と莫堃の対決は、まさに信念と信念のぶつかり合いでした。莫堃は、かつて穆青と同じく変法維新を志し、そのために12年も投獄されていた過去を明かします。そんな彼から見れば、今や朝廷の犬となってしまった穆青は、かつての信仰を裏切った存在に他なりません。しかし穆青は、「皇命に従うことこそが我が使命」と一歩も引きません。

壮絶な戦いの末、莫堃は穆青の刃に倒れます。死の間際、彼は「お前の剣では卓不凡には勝てん」という言葉を残し、静かに息を引き取りました。穆青が師父について尋ねる間もなく、また一つ、大きな星が散ってしまいました。

時を同じくして、王家洛(ワン・ジアルオ)もまた、悲しい決断を迫られていました。彼は融天嶺の秦沱(チン・トゥオ)を追い詰めますが、秦沱は仲間を逃がすために自ら犠牲となる道を選びます。王家洛は彼を殺したくはなかったものの、職務を全うするために対峙します。しかし、捕縛されることを潔しとしない秦沱は、自ら命を絶ってしまうのでした。この結末は、あまりにも悲しすぎます。

福建へ!新たな舞台で渦巻く陰謀

融天嶺の5人もの命を犠牲にして、卓不凡はまんまと追手から逃れることに成功しました。その非情なやり口に、穆青も「奴は本当に心が狠(どく)い」と呟きます。

穆青はすぐさま駅に戻ると、柳琳(リウ・リン)の命を盾に林浩瀚(リン・ハオハン)(リン・ハオハン)(リン・ハオハン)を脅し、ついに瓷器(しき)が「福建安慧寺」の法器であることを突き止めます。そして、林浩瀚(リン・ハオハン)(リン・ハオハン)(リン・ハオハン)を伴い、一路福建へと向かうのでした。

一方、宮廷では淇親王(きしんのう)がこの一連の動きを把握。北洋軍までが宝探しに介入してきたことを知り、腹心の鐘海潮(ジョン・ハイチャオ)に対して警戒心を強めます。どうやら、宮廷内部でも新たな火種が生まれつつあるようです。物語の舞台は福建へ。一体どんな展開が待ち受けているのでしょうか。

『天行健~革命前夜、風立ちぬ~』第16話の感想

今回のエピソードは、登場人物それぞれの「覚悟」が深く描かれた、非常に重厚な回でした。特に、自らの命を犠牲にして未来を託した融天嶺の莫堃と秦沱の姿には、心を揺さぶられました。彼らの死は、単なる敗北ではなく、組織を存続させるための崇高な自己犠牲であり、その信念の強さに胸を打たれます。一方で、その犠牲の上に成り立つ卓不凡の非情な一手は、彼の目的達成への執念の深さを改めて感じさせました。穆青や王家洛もまた、自らの職務と個人の感情との間で葛藤しており、それぞれの正義が交錯する様は、この時代の複雑さを象徴しているようでした。物語が大きく動いたことで、各キャラクターの立場や想いがより鮮明になり、今後の展開から目が離せません。

つづく