連続殺人事件の重要参考人が自決し、宮廷護衛の穆青(ムー・チン)と若き警官・王家洛(ワン・ジアルオ)の捜査は新たな局面を迎える。穆青は犯人像から江湖の剣客に疑いの目を向ける一方、王家洛も独自の捜査で天津へと向かう。その裏では、伝説の宝の地図を巡り、皇帝派と謀反を企む淇王爺(きおうや)派の情報戦が激化。それぞれの思惑を抱えた者たちが天津に集結し、互いを探り合う。そんな中、穆青は捜査の先で、忘れることのできない過去の人物と思いがけない再会を果たす。

「天行健~革命前夜、風立ちぬ~」あらすじネタバレ3話

重要参考人がまさかの自決!捜査線上に浮かぶ意外な人物

前回、穆青(ムー・チン)に追い詰められた陳五(チェン・ウー)。内衙に連行されると知った瞬間、彼は観念したかのように自ら命を絶ってしまいました。内衙での尋問がどれほど過酷かを知っていたからこその、悲しい結末でしたね…。

これには、若き警官・王家洛(ワン・ジアルオ)が激怒!「俺の事件の参考人を殺した!」と穆青(ムー・チン)に詰め寄りますが、穆青(ムー・チン)は「大清の法律など、お前のような小物のためにあるものだ」と一蹴。うーん、この二人の正義、まったく相容れないですね。王家洛(ワン・ジアルオ)は諦めず、なぜか彼についてきた林安靜(リン・アンジン)とともに、独自の捜査のため天津へと向かいます。

一方、穆青は殺された9人の遺体を検分。その卓越した観察眼で、犯人像をあぶり出します。犯人は武術の達人で、毒を使いこなし、服装には西域の様式が見られる…。穆青の脳裏に浮かんだのは、江湖で「義侠」として名高い融天剣派の卓不凡(ジュオ・ブーファン)。しかし、世俗の争いに関わるはずのない彼の名がなぜ?穆青の中に、新たな謎が生まれます。

水面下で激化する「宝の地図」争奪戦

その頃、宮廷では皇帝派の存清(ツン・チン)と、謀反を企む淇王爺(きおうや)派の動きが活発になっていました。

存清は、潜入させていたスパイから「宝の地図は不完全である」という重大な情報を得ます。そして腹心の格泰(グータイ)に、天津にいる穆青と合流し、淇王爺より先に宝の手がかりを掴むよう厳命。しかし、そこには「穆青に裏切りの心あれば、即刻誅殺せよ」という非情な命令も含まれていました。味方すら信用できない、宮廷の闇の深さがうかがえます。

対する淇王爺は、謎の男・姜恨(ジャン・ヘン)と密会。そもそも、この宝の存在を王爺に吹き込んだのが、この姜恨だったんですね。王爺は卓不凡(ジュオ・ブーファン)を「天下第一剣派」の称号で釣り、駒として利用する気満々。卓不凡(ジュオ・ブーファン)も、その誘いに乗り、弟子たちを4組に分けて上海へ送り込み、宝の手がかりを持つ譚先(タン・シエン)との接触を図ります。

天津での邂逅、そして運命の再会

それぞれの思惑を乗せた者たちが、天津に集結します。

王家洛(ワン・ジアルオ)は質屋で、事件の遺留品である古い皮の帽子が、西域風の服装の女性に持ち去られたという情報を掴みます。

そして穆青の前には、あの姜恨が突如として姿を現します。二人は一瞬だけ剣を交えますが、実力は互角。姜恨は穆青の正体を知っていることを匂わせ、煙のように姿を消してしまいました。不気味な存在ですね…。

そこへ格泰が合流し、宝の地図の秘密と存清の命令を伝えます。点と点が繋がり、事件の全体像を掴んだ穆青は、上海へ向かうことを決意。

その矢先、穆青はふと、給仕の少年から漂う特殊な香りに気づきます。それは、楼上の女性客からもらった銀貨から移った香りでした。胸騒ぎを覚えた穆青がその部屋へ向かうと、そこにいたのは…なんと、かつての恋人であり、宿敵・淇王爺の娘である烏蘭珊(ウランシャン)でした。

穆青が投獄され、彼女は人妻となった今、二人は敵という立場で再会してしまったのです。驚きと、かつての想い、そして現在の立場…。様々な感情が交錯する中、二人はただ静かに見つめ合うしかありませんでした。

『天行健~革命前夜、風立ちぬ~』第3話の感想

今回は、これまで少しずつ見えていた各陣営の対立構造が一気に表面化し、物語が大きく動き出した印象です。皇帝派の存清、謀反を企む淇王爺派、そして独自の正義を追う王家洛。三者三様の目的が「宝の地図」という一点をめぐって絡み合い、重厚なサスペンスの幕開けを感じさせました。特に、存清が腹心の穆青にすら監視役をつける冷徹さと、淇王爺が江湖の剣客を手玉に取ろうとする老獪さの対比が見事です。こうした権力者たちの陰謀に、若く理想に燃える王家洛がどう立ち向かっていくのか、その対比構造が物語に深みを与えています。そして、ラストで投下された穆青と烏蘭珊(ウランシャン)の過去の恋という爆弾。クールで任務に忠実な護衛として描かれてきた穆青の人間的な側面が垣間見え、彼のキャラクターがより一層魅力的になりました。政治的な陰謀劇に、切ないラブストーリーの要素が加わり、今後の展開からますます目が離せなくなりました。

つづく