秘宝の手がかりを求め、三人の男たちがそれぞれの目的を胸に上海を目指す。宮廷の密命を帯びた穆青(ムー・チン)、一門の復興を願う卓不凡(ジュオ・ブーファン)は、道中で日本の刺客の影に気づき、これを退ける。一方、天津で起きた殺人事件の犯人を追う役人の王家洛(ワン・ジアルオ)は、執念の追跡の末、ついに犯人を追い詰めるが、そこで思わぬ人物と対峙することに。それぞれの思惑が交錯する中、物語の舞台は上海へ。しかし、王家洛には絶体絶命の危機が迫っていた。
「天行健~革命前夜、風立ちぬ~」あらすじネタバレ4話
いやはや、第4話は物語が大きく動きましたね!秘宝の謎を追う穆青(ムー・チン)、卓不凡(ジュオ・ブーファン)、そして正義感だけで突っ走る王家洛(ワン・ジアルオ)。三者三様の思惑が上海を目指す道中で激しくぶつかり合いました。
それぞれの上海への道、忍び寄る影
物語は、秘宝の手がかりを追って上海へ急ぐ穆青(ムー・チン)一行のシーンから始まります。しかし、さすがは元・御前侍衛の穆青(ムー・チン)、ただ真っ直ぐ進むなんてことはしません。途中で船を降りて一休み…なんて見せかけて、実はしつこく後をつけてくる日本の刺客をおびき出すための罠でした。あっという間に尾行を片付け、再び上海へと向かう姿は、彼の用意周到さと実力の高さを改めて見せつけます。
一方、同じく上海を目指す融天剣派の卓不凡(ジュオ・ブーファン)一行も、道中で日本からの追手に気づきます。卓不凡(ジュオ・ブーファン)もまた、襲い来る覆面の男たちを軽くいなし、彼らが天津からずっと自分たちを監視していたことを看破。日本の勢力が、いかにこの秘宝を狙っているかが浮き彫りになりました。
革命家の夢と現実、そして執念の男
その頃、革命を志す唐雨(タン・ユイ)たちは、学生服に身を包んで上海へ。道中、部下に「革命とは何か」「民主とは何か」を熱く語る唐雨の姿は、まさに理想に燃える若者そのもの。しかし、そんな彼らの理想も、現実の厳しさの前に脆くも崩れ去ります。
彼らの潜伏先を突き止めた穆青が、夜陰に乗じて急襲。激しい戦いの末、唐雨は命からがら逃げ出しますが、仲間は殺されるか捕らえられるかのどちらか。しかし、唐雨の逃亡劇は長くは続きませんでした。彼の前に立ちはだかったのは、なんと天津から単独で彼を追いかけてきた県衙(けんが)の役人、王家洛(ワン・ジアルオ)だったのです!
王家洛(ワン・ジアルオ)の執念は凄まじく、ついに唐雨を討ち取り、彼の懐から一冊の手帳を手に入れます。
信念の衝突!穆青 vs 王家洛
一部始終を見ていた穆青は、半ば呆れ、半ば感心した様子で王家洛の前に姿を現します。たった一人でここまで犯人を追ってきたその執念と、役人としての強い正義感に、穆青は思わず才能を惜しむ気持ちが芽生えたようです。「もうこの件から手を引け」と諭し、路銀として銀子を渡そうとしますが、王家洛はこれをきっぱりと拒否。
「大清の律法に従うまで」と言い放ち、穆青を黙らせます。とはいえ、懐事情が厳しいのは事実だったのか、銀子は受け取る王家洛。しかし、代わりに家の鍵を渡し、「これは借りで、必ず返す。そして事件の捜査は続ける」と宣言する姿は、彼の清廉さと頑固さを象徴していました。
京城で渦巻く、過去の愛憎
場面は変わり、都・京城。穆青の元上司である鐘海潮(ジョン・ハイチャオ)は、妻の烏蘭珊(ウランシャン)に、穆青が復帰したことを探るように話します。実は烏蘭珊(ウランシャン)と穆青は、かつて光緒(こうしょ)帝の支持もあって婚約寸前だった間柄。その事実は、夫である鐘海潮の心に長年、棘のように刺さっていました。
新婚の夜、妻が処女でないことを知った鐘海潮は激怒し、その相手が穆青だと疑います。烏蘭珊(ウランシャン)は穆青の身を案じ、夫のどんな要求でも飲むと懇願することで、なんとかその場を収めました。しかし、鐘海潮の心の傷は癒えることなく、その怒りと屈辱を晴らすために遊郭へ向かったのでした。この過去の愛憎劇が、今後の展開にどう絡んでくるのか、不穏な空気が漂います。
上海での再会、そして絶体絶命
王家洛は唐雨の手帳から、融天剣派が上海で「譚先(タン・シエン)」という人物と接触することを知り、すぐさま後を追います。道中、行く当てがないという林安靜(リン・アンジン)と合流し、二人で上海へ。
しかし、上海に到着した彼らを待っていたのは、またしても日本の刺客でした。彼らの計画の邪魔になる王家洛を排除しに来たのです。多勢に無勢、激しい戦いの末に崖っぷちまで追い詰められた王家洛。もはや逃げ場はなく、彼は一縷の望みをかけて崖下へとその身を投げるのでした…。
『天行健~革命前夜、風立ちぬ~』第4話の感想
それぞれのキャラクターが持つ「信念」のぶつかり合いが、非常に濃密に描かれた回でした。特に印象的だったのは、穆青と王家洛が対峙する場面です。朝廷の密命という大きな目的のために動く穆青と、目の前の事件を解決するという小さな、しかし純粋な正義を貫こうとする王家洛。どちらが正しいというわけではなく、異なる立場の正義が交錯する様に、物語の深みを感じました。一方で、京城で描かれる鐘海潮と烏蘭珊のドロドロとした愛憎劇は、宝探しという冒険活劇に人間ドラマとしての厚みを加えています。この過去の因縁が、これから穆青の足枷とならないか、少し心配になります。そして何より、最後の王家洛の安否が気になるところ。彼の愚直なまでの正義感がここで潰えてしまうのか、物語の緊張感が一気に高まりました。
つづく