今回もまた、登場人物たちの感情が激しくぶつかり合って、息つく暇もありませんでしたね。愛と憎しみ、策略と真実が渦巻く展開に、すっかり引き込まれてしまいました。

それでは早速、胸が張り裂けそうになった第10話のあらすじとネタバレを、僕の熱い思いと共に振り返っていきましょう!

蘇胤の冷酷な愛と、懐恩の悲痛な叫び

物語は、小宝(しょうほう)の寒毒が深刻化しているところから始まります。そんな中、あの男、懐恩(かいおん)が再び小宝の前に姿を現すんです!

懐恩は小宝の毒を解くための薬草を持って現れますが、蘇胤(そ・いん)は「良知が少しでも残っているなら、二度と姿を見せるな」と冷たく突き放します。小宝の母に至っては、金家を没落させた張本人である懐恩に激しい怒りをぶつけ、追い返そうとします。

追い詰められた懐恩と、彼を断固として守ろうとする蘇胤。二人の男は小宝を挟んで激しく対立します。懐恩は「もし今生で小宝と添い遂げられぬなら、この天下を永遠に安寧なきものにしてやる」と、蘇胤の外祖父の権力すら揺るがす覚悟を叫び、その場を去るのでした。この執着、もはや狂気じみていますが、彼の孤独を思うと胸が痛みますね…。

夜、懐恩は再び小宝の部屋に忍び込みます。彼は、自分が誰からも愛されず、虐待されて育った辛い過去を涙ながらに告白。「お前といた時だけが、人生で最も美しい時間だった」と訴えます。しかし、彼によって寒毒の苦しみを味わっている小宝は、「お前との思い出は、私にとっては毒薬だ」と、決して許さない姿勢を崩しません。それでも、「お前を心配している」という本心がポロリとこぼれてしまう小宝が、なんとも切ない…。

希望の薬草「大麗炎」と、仕組まれた死の罠

小宝の寒毒を完全に癒すには、七年に一度しか咲かない伝説の薬草「大麗炎(だいれいえん)」が必要であることが、闕神医(けつしんい)の口から語られます。しかし、その花が咲く赤峰崖(せきほうがけ)は、あまりにも危険な場所。

蘇胤は、表向きは愈夏(ゆか)へ視察に行くと見せかけ、影武者まで用意。その実、この大麗炎の採集を口実に、邪魔者である懐恩を赤峰崖で始末しようと、数千人もの手勢を集め、周到な罠を仕掛けていたのです。どこまでも冷徹で、小宝への愛が歪んだ形で現れています。

この蘇胤の恐ろしい計画を、何を思ったか闕神医が小宝に暴露。「前回会ったのが最後になるかもな」なんて、わざと不安を煽るようなことを言うんです。この神医、本当に食えない男ですよ!

案の定、小宝はいてもたってもいられなくなり、懐恩が死んでしまうかもしれないという不安から、屋敷を飛び出してしまいます。

森の中の救出劇!ついに明かされる衝撃の真実

雨の降る森の中を、ただひたすら懐恩を追う小宝。しかし、途中で追っ手に気づき、パニックになって道に迷った挙句、ついに寒毒が発作して倒れてしまいます。もうダメかと思われたその時、小宝を抱きかかえたのは、なんと懐恩本人でした!

彼は蘇胤の罠に気づいていながらも、小宝を救うために赤峰崖へ向かう途中だったのです。そして、小宝が自分を追ってきたことも…。

洞窟で意識を取り戻した小宝は、ついに懐恩に問い詰めます。

「皇子の身分を捨てて、私たち金家を救ってくれたことを、なぜ黙っていたの?」

そう、使用人たちの会話で小宝がまだ知らなかった衝撃の事実が、ここで明かされるのです。懐恩は、自分のすべてを捨てて小宝の一家を救っていた…。その事実を知った小宝の心は、激しく揺れ動きます。

お互いの本心に少しだけ触れられた二人。しかし、そんなつかの間の安らぎも、蘇胤の追っ手の到着によって破られてしまいます。懐恩は、小宝を逃がすため、自らが追っ手と対峙することを決意するのでした。

『花華やぐも、散るは密やか ~花開有時、頽靡無声~』第10話の感想

今回のエピソードは、登場人物それぞれの「愛」の形が、あまりにも切なく、そして残酷に描かれていました。小宝への愛ゆえに冷酷な罠を仕掛ける蘇胤。その一方で、小宝のために皇子の身分さえ投げ打ち、命懸けで薬草を求めようとする懐恩。彼の孤独な過去と悲痛な告白には、思わず同情せずにはいられませんでした。善と悪では割り切れない、人間の複雑な感情の機微が巧みに表現されており、物語に一層の深みを与えています。憎んでいるはずの相手を心の底では心配してしまう小宝の揺れ動く心情も、見事に描かれていました。誰が正しくて、誰が間違っているのか。答えの出ない問いが、静かな余韻となって心に残ります。

つづく