いやはや、皆さん、第3話もすごかったですね! 金小宝(きん しょうほう)の恋の暴走っぷりがますます加速する一方で、物語の裏でうごめく陰謀の輪郭が、より一層くっきりと見えてきました。コメディとシリアスが絶妙に絡み合い、一瞬たりとも目が離せない展開でした。

今回は、そんなドキドキとハラハラが詰まった第3話のあらすじと感想を、ネタバレ全開でお届けします!

猪突猛進!金小宝、恋の作戦はまさかの…

前回、謎の男・鄭懐恩(てい かいおん)を屋敷に連れ帰った金小宝。さっそく彼の素性を調べさせると、「慎王(しんおう)に荷を差し押さえられた可哀想な鏢局の若旦那」という情報が。あまりにもあっさり出てきた情報に、付き人の招財(しょうざい)と進宝(しんぽう)は「世子様(宗政雲漣(そうせい うんれん))でも掴めなかったのに怪しいですよ」と進言しますが、恋に夢中の若様には馬の耳に念仏。「張春(ちょう しゅん)の情報が間違っていたことなんてない!」と一蹴し、懐恩への同情と恋心をさらに燃え上がらせます。

そして、その有り余る想いはとんでもない行動に!

懐恩の傷を心配した小宝は、特注の「軟筋散」を体に振りかけ、彼を無力化してしまおうと企みます。「これでお前は俺のものだ」とばかりに迫る小宝ですが…なんと、懐恩には全く効きません!

逆に懐恩に組み伏せられてしまう小宝。しかし、ここでへこたれないのが我らが若様。「お前の心臓の音が速い!俺に惚れてるくせに!」と、まさかのポジティブ変換! 懐恩もまんざらでもない(?)のか、小宝を突き放したかと思えば、不意にキスをするなど、ツンデレっぷりを発揮。二人の奇妙な関係は、ますます深まっていくのでした。

水面下で動く陰謀…金家と薛家の過去

そんなラブコメ(?)が繰り広げられる裏では、きな臭い話が進行していました。

小宝の父・金豹(きん ひょう)は、富潤商会の幹部たちと密会。彼らが持つ「帳簿」を狙い、朝廷が役人を派遣してきたこと、そして二皇子・宗政予湛(そうせい よたん)もその帳簿を狙っていることが語られます。

話はさらに、かつて彼らが滅ぼした「薛家」のことに。どうやら金家は、二皇子に利用されて薛家を陥れた過去があるようです。「薛家の娘は生きていない」と幹部の一人が口にしますが、その言葉はどこか虚ろに響きます。そう、金家が大切に匿っている小宝の妹・小雨(しょうう)こそが、薛家の生き残り「薛怜清(せつ れいせい)」だったのです。

一方、懐恩の一派も、小雨の正体が薛家の生き残りであること、そして金小宝が彼女を救い出した張本人であることを突き止めます。さらに、小宝は薛家の長男・薛怜雨(せつ れいう)と無二の親友だったという衝撃の事実も判明。懐恩の目的は、この帳簿を奪い、薛家の無念を晴らすことにあるようですが、仇敵の息子であるはずの金小宝への感情が、彼の決断を鈍らせているように見えます。部下に「金小宝はただの気晴らしだ」と冷たく言い放つ懐恩ですが、その瞳には明らかな迷いが宿っていました。

刺客騒動と父の危機

懐恩への想いと父の帳簿を巡る陰謀が交錯する中、事態は急変します。懐恩の部下の一人が、功を焦って独断で金豹の部屋に侵入。密室を発見するも、すぐさま金家の護衛に見つかってしまいます。

「刺客だ!」という声で屋敷は大混乱に。その騒動のさなか、ただでさえ持病を抱えていた金豹が、心労で倒れてしまうのです。

父の危篤を知り、血相を変えて駆けつける小宝。医師を呼べと叫ぶ彼の前に現れたのは、なんと鄭懐恩でした。「私が処置をする」と冷静に告げる懐恩。敵か味方か、その真意が読めないまま、小宝は父の命を彼に託すことになるのでした。

『花華やぐも、散るは密やか ~花開有時、頽靡無声~』第3話の感想

今回の第3話は、金小宝のキャラクターの深みが一層増した回でした。ただの遊び人の若様かと思いきや、その恋はどこまでも真っ直ぐで、見ていて清々しいほどです。軟筋散という強硬手段に出てもどこか憎めないのは、彼の根底にある純粋さゆえでしょう。対する鄭懐恩も、復讐という重い使命を背負いながら、小宝の天真爛漫さに心を揺さぶられている様子が伝わってきました。シリアスな陰謀劇と、二人のコミカルで切ない恋愛模様が巧みに織り交ぜられており、物語にぐっと引き込まれます。二人の関係がどう変化していくのか、そして複雑に絡み合う因縁がどう解きほぐされていくのか、じっくりと見届けたい気持ちにさせられました。

つづく