野心を露わにした安景凌(アン・ジンリン) は、ついに兄である安景昭(アン・ジンジャオ)に牙をむき、禁断の技を使った殺人者として武林大会の場で糾弾します。内力を失い、絶体絶命の窮地に立たされた景昭。愛する人を救うため、李初月(リー・チューユエ)は仲間たちと共に大胆な救出作戦を決行します。果たして、初月は景昭の無実を証明し、彼を救い出すことができるのでしょうか。兄弟の対立が頂点に達し、二人の愛が試される、緊迫の展開が待ち受けます。

「花渓記~君が空から舞い降りて~」あらすじネタバレ29話

ついに物語がクライマックスに向けて大きく動き出した第29話!悪の限りを尽くしてきた安景凌(アン・ジンリン) の化けの皮が剥がれ、安景昭(アン・ジンジャオ)と李初月(リー・チューユエ)の愛が試される、息もつかせぬ展開でしたね。

まず、景凌の暴走が止まりません。祖母の部屋に押し入り、秘伝書の残巻を力ずくで奪い取ってしまいます。その姿は、もはや野心に心を食われた獣そのもの。

そして、その矛先はついに景昭と初月へ。景凌は初月の隠れ家を突き止め、手下を率いて襲撃します。この時、景昭は内力を失っており絶体絶命のピンチ。忠実な部下である離青(リー・チン)が身を挺して景昭を守ろうとしますが、深手を負ってしまいます。

主の危機に駆けつけた初月でしたが、時すでに遅く、景凌は「武林大会で待つ」と言い残し、不敵な笑みを浮かべて去っていくのでした。

迎えた武林大会の日。初月は愛する景昭を救うため、「声東撃西」の策を練り、仲間たちと会場に乗り込みます。

大会の場で、景凌は景昭が禁断の技「斗転星移」を使い、多くの人々を殺めた極悪人だと声高に糾弾します。しかし、その主張には綻びがあり、白芷(バイ・ジー) をはじめ、一部の者からは疑いの声が上がります。

その混乱に乗じて、紅翡(ホンフェイ)が景昭を救出!解毒薬を渡し、一刻も早く逃げるよう促します。

しかし、追ってきた景凌は、紅翡と景昭が一緒にいることを格好の証拠とし、二人を追い詰めます。万事休すかと思われたその時、事態を大きく動かす人物が現れます。それは、かつて景凌に殺されかけたとされる大師でした。彼は、自分を襲った真犯人こそが安景凌(アン・ジンリン) だと、皆の前で証言したのです。

形勢は一気に逆転。回復した景昭も現れ、ついに兄弟対決の火蓋が切られます。追い詰められた景凌は、なんと自ら「斗転星移」を使い、これまで彼がついてきた嘘がすべて白日の下に晒されました。まさに「盗人猛々しい」とはこのことですね。

逆上した景凌は全霊をかけて景昭に襲いかかりますが、景昭は「地玄心経は残巻などではない」と真実を告げ、圧倒的な力で景凌を制圧。戦いの最中、初月が景凌の攻撃に巻き込まれ負傷してしまいます。

最愛の人を傷つけられ、怒りに震える景昭でしたが、景凌の命までは奪いませんでした。彼の全ての武功を廃し、一生幽閉するという、ある意味で死よりも辛い罰を与えることを選んだのです。

事件が解決し、屋敷には穏やかな時間が流れます。病から回復した祖母は、初月を景昭の妻として正式に認める証である美しい頭飾りを贈るのでした。

景昭は、初月が元の世界へ帰るための隕石がすり減っていることを心配しますが、初月はすでにこの世界で彼と共に生きる覚悟を決めていました。月明かりの下、二人は互いの想いを確かめ合い、幸せな未来を誓うのでした。

『花渓記~君が空から舞い降りて~』第29話の感想

今回は、これまで積み重ねられてきた安景凌(アン・ジンリン) の悪事がすべて暴かれ、因果応報の結末を迎えるという、非常に見ごたえのある回でした。彼が兄である景昭への嫉妬と権力欲に溺れ、破滅していく様は哀れでもありましたが、同時に正義が果たされたことに安堵感を覚えました。特に、景昭がとどめを刺さず、武功を廃するという形で決着をつけた点に、彼の器の大きさと人間としての深みを感じさせられます。

そして何より、景昭と初月の絆の強さが光っていました。絶体絶命の危機に際し、知恵と勇気で立ち向かう初月の姿は健気で、彼女の存在がどれほど景昭の支えになっているかが伝わってきます。最後の、祖母に認められ、二人で未来を語り合うシーンは、これまでの苦難があったからこその幸福感に満ちており、心温まるものでした。二人の愛の物語が、大きな困難を乗り越えて、より確かなものになったことを実感できる素晴らしいエピソードです。

つづく