武林の正派・鼎剣閣の剣士である霍展白(フオ・ジャンバイ)は、志半ばで命を落とした兄弟子の幼い息子を救うため、険しい道のりへと旅立ちます。頼みの綱は、どんな病も治すと噂される伝説の医師、薬師谷の谷主・薛紫夜(シュエ・ズーイエ) のみ。しかし、彼女に会うためには、除夕の夜までに薬師谷へたどり着き、武林垂涎の「回天令」を渡さなければなりません。霍展白は、友との固い約束を胸に、数々の困難を乗り越えていきます。一方、謎に包まれた医師・薛紫夜もまた、深い孤独と癒えない過去を抱えていました。雪降る大晦日の夜、二人の運命的な出会いが、壮大な物語の幕を開けます。

「七夜雪(しちやせつ)」あらすじネタバレ1話

8月初旬からLaLaTVで放送開始となる中国の大型武侠ロマンス『七夜雪』!息をのむようなアクションと、胸が締め付けられるような人間ドラマがぎゅっと詰まった物語に、今から期待が高まります。さっそく、放送開始に先駆けて物語の幕開けとなるあらすじや見どころを詳しく見ていきましょう!

物語は、薬師谷の谷主である薛紫夜(シュエ・ズーイエ) が見る悪夢から始まります。それは、彼女の故郷である摩家村が滅ぼされ、若き日の彼女と雪懐(シュエホワイ)が湖に飛び込むという、過去の凄惨な記憶でした。長年、彼女はこの事件の真相を追い求めているようですが、その心の傷は今もなお深く、癒えることはありません。

一方その頃、武林の正派を束ねる鼎剣閣では、一つの悲劇が起きていました。七剣士の霍展白(フオ・ジャンバイ)は、閣主の座を争い長老たちを傷つけた兄弟子、六剣士の徐重華(シュー・チョンホワ)と対峙します。霍展白(フオ・ジャンバイ)は情に訴えかけ説得を試みますが、もはや後戻りできないと悟った徐重華は、自ら崖下へ身を投げてしまうのです。彼は死の間際、「妻と子を頼む」という言葉を霍展白(フオ・ジャンバイ)に遺しました。

半月後、霍展白は次期閣主として指名されますが、本人はその座を望んでいません。それどころか、兄弟子を死に追いやったと周囲から誤解され、心に重荷を抱えていました。そんな中、亡き徐重華の息子・徐沫(シュー・モー)が重病に倒れてしまいます。医師も匙を投げるほどの病状に、誰もが絶望しかけたその時、一筋の光が差し込みます。それは、どんな病も治すという伝説の医師、薬師谷の谷主・薛紫夜(シュエ・ズーイエ) の存在でした。

しかし、彼女に治療を請うには、武林中の誰もが欲しがる「回天令」と、十万もの大金が必要です。霍展白は、亡き友との約束を果たすため、この困難な条件を飲むことを決意。徐沫の母・秋水音(チウシュイ・イン)に、必ず除夕(大晦日)の夜までに薬師谷へたどり着くと誓い、旅立つのです。

舞台は、極北の地にありながら温泉の地熱によって四季が保たれるという神秘の場所、薬師谷へ。谷主の薛紫夜(シュエ・ズーイエ) は、貪欲で好色、博打好きと噂される謎多き人物。除夕の夜、谷が賑わう中、彼女は一人静かに酒を飲み、過去に想いを馳せていました。

閉門の時刻が迫る子(ね)の刻、一本の剣が門前に突き刺さります。霍展白が、愛馬を駆ってギリギリのところで到着したのでした。薛紫夜は正体を隠して彼をからかいますが、霍展白はすぐに彼女が谷主であることを見抜きます。しかし、秋水音(チウシュイ・イン)と徐沫はまだ到着していません。時間を稼ごうとする霍展白でしたが、薛紫夜は「刻限は絶対」と冷たく門を閉ざしてしまいます。

すると霍展白は、なんと力ずくで薬師谷の門を破壊!彼の前には、侵入者を阻む「風雪石陣」が立ちはだかります。彼は迷うことなく陣に足を踏み入れ、見事にこれを打ち破ってみせました。しかし、彼はそれ以上進もうとはせず、破壊した門の前に跪き、徐沫の治療を懇願します。彼の目的は谷への侵入ではなく、ただ「人事を尽くして天命を待つ」という不屈の意志を示すことだったのです。

その時、馬のいななきが聞こえ、秋水音が徐沫を抱いて到着します。霍展白の命を懸けた覚悟と、赤ん坊を救いたいという純粋な想い。その姿に心を動かされた薛紫夜は、ついに回天令を受け取り、徐沫の治療を承諾するのでした。

『七夜雪(しちやせつ)』第1話の感想

第1話は、二人の主人公が背負う「過去」と「宿命」を鮮烈に描き出し、物語の世界へ一気に引き込まれました。霍展白の、友との約束を果たすための揺るぎない信念には、思わず胸が熱くなります。特に、薬師谷の門前で跪き、ただひたすらに懇願する姿は、彼の誠実さと義理堅さを象徴する名場面だと感じました。一方で、薛紫夜はミステリアスな魅力に満ちていますね。貪欲で好色という噂とは裏腹に見せる、孤独で憂いを帯びた表情。彼女が抱える過去の闇が、今後の物語にどう影響していくのか非常に気になります。アクションシーンの迫力はもちろんですが、登場人物たちの繊細な心情描写が光る、重厚な人間ドラマの幕開けでした。これから二人の運命がどのように交錯していくのか、静かに見届けたいと思います。

つづく