薬師谷の谷主・薛紫夜(シュエ・ズーイエ) は、瀕死の赤ん坊・徐沫(シュー・モー)の治療を引き受ける。しかし、そのためには「三日間、誰も部屋に入ってはならない」という厳しい条件があった。母の秋水音(チウシュイ・イン)は不安に苛まれ、付き添う剣客・霍展白(フオ・ジャンバイ)は、謎多き薛紫夜の行動に触れていく中で、彼女の抱える孤独や使命感を垣間見る。そして約束の三日後、徐沫の容態に予期せぬ事態が発生。一つの命を巡り、それぞれの想いが交錯し、物語は大きく動き出す。
「七夜雪(しちやせつ)」あらすじネタバレ2話
命がけの治療と、すれ違う想い
瀕死の赤ん坊・徐沫(シュー・モー)を抱え、薬師谷に駆け込んだ霍展白(フオ・ジャンバイ)。谷主である薛紫夜(シュエ・ズーイエ) (シュエ・ズーイエ)は治療を引き受けるものの、「三日の間、決して部屋を覗いてはならない」という厳しい条件を突きつけます。
母親である秋水音(チウシュイ・イン)は、我が子と引き離されることに耐えられず、治療室の前で昼夜を問わず待ち続けます。その姿は痛々しく、見ているこちらも胸が締め付けられました。一方、霍展白(フオ・ジャンバイ)は、亡き義兄弟・徐重華(シュー・チョンホワ)との約束を思い出し、一人月を見上げて杯を傾けるのでした。彼の背負うものの大きさと孤独が伝わってくるシーンです。
そんな中、霍展白(フオ・ジャンバイ)は偶然、薬師谷の禁足地に足を踏み入れてしまい、薛紫夜(シュエ・ズーイエ) から厳しい叱責を受けます。また、彼女が薬の材料となる「無根水」を汲みに行く際には、危険を案じて後を追うなど、二人の間には少しずつですが、不思議な関係性が芽生え始めていました。
そして約束の三日目、衝撃の事態が起こります。治療室から出てきた薛紫夜(シュエ・ズーイエ) は、徐沫が息絶えたことを告げるのです。絶望し、薛紫夜(シュエ・ズーイエ) を責め立てる秋水音(チウシュイ・イン)。しかし、薛紫夜(シュエ・ズーイエ) はすぐに異変に気づきます。徐沫の死は、我が子を想うあまり、秋水音が禁を破って水を与えてしまったことが原因でした。
氷窟での奇跡と、新たな悲劇の始まり
万策尽きたかと思われたその時、薛紫夜(シュエ・ズーイエ) は最後の望みをかけて、徐沫を極寒の「氷窟」へ連れて行くという決断をします。自らも寒さで発作を起こす持病を抱えているにもかかわらず、彼女は命がけの治療に挑むのです。
時を同じくして、谷の入り口ではならず者の軒轅三光(シュエンユエン・サンクアン)たちが騒ぎを起こしていました。谷の者が対応に窮する中、霍展白が颯爽と現れ、見事な剣さばきで彼らを一蹴します。この一件で、彼の義侠心と強さが改めて示されました。
氷窟では、薛紫夜(シュエ・ズーイエ) が決死の鍼治療を行っていました。そしてついに、徐沫は奇跡的に息を吹き返します!しかし、その代償は大きく、薛紫夜(シュエ・ズーイエ) は寒疾の発作でその場に倒れ込んでしまうのでした。
霍展白は意識を失った薛紫夜(シュエ・ズーイエ) を「夏之園」という場所に運び、内力を送って助けようとします。ところが、目を覚ました薛紫夜(シュエ・ズーイエ) は、あろうことか霍展白を突き飛ばし、「醜い」と罵倒して強烈な平手打ちを食らわせるのです。善意の行動が、とんでもない誤解を生んでしまった瞬間でした。
徐沫は一命を取り留めたものの、薛紫夜(シュエ・ズーイエ) は気づいていました。秋水音が母乳を与えたことで、この子の病は根治しておらず、いずれ再発する運命にあることを…。救われたはずの命に、再び暗い影が差し、物語は次なる局面へと向かっていきます。
『七夜雪(しちやせつ)』第2話の感想
今回のエピソードは、登場人物それぞれの「想い」が、皮肉にもすれ違いや悲劇を生んでしまうという、やるせない展開が印象的でした。薛紫夜(シュエ・ズーイエ) は医者としての強い使命感から、あえて非情とも思える態度で治療に臨みます。霍展白は、友との約束を守るという義侠心から、必死に行動します。そして秋水音は、我が子を思う母性ゆえに、取り返しのつかない過ちを犯してしまいました。それぞれの正義や愛情が、複雑に絡み合い、一筋縄ではいかない物語の深みを生み出しています。特に、命がけで薛紫夜(シュエ・ズーイエ) を助けようとした霍展白が、彼女から拒絶されてしまう場面は、彼の戸惑いや悲しみが伝わってきて、非常に心に残りました。この誤解が、今後の二人の関係にどのような影響を与えていくのか、目が離せません。
つづく